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誰が主人公でもない『私達』の物語  作者: 和羅紫
第1章 美しく棘のある薔薇
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第2話 騎士候補たち

亜蓮(あれん)視点




部下「亜蓮(あれん)様、各薔薇の騎士候補達が到着しエントランスに集合しました」



金曜日の9時頃、俺は補佐としての仕事をいつも通りしながら部下から報告を聞いた


今日は女王様・王様達が選んだ騎士候補達が集まる日だった




「そうですか…分かった、報告ご苦労さまです。

後ほど私と他の薔薇の騎士達と迎えに行きますのでそれまで待機させて持て成すように」




部下「はい。失礼しました」





礼儀正しく【ペコり】と頭を下げて出ていく部下を見て俺は一息をついた

机の紙の山から騎士候補達の情報や詳細等が載っている書類を手にもう一度目を通してみる




(はぁ、今回の騎士候補達は少々厄介だ…)




女王様・王様達が選んだ候補達だから能力に関しては申し分ない

だが、性格の難や家系・家庭の事情などがとても複雑だった




「本当にいつ帰ってくるんだよ…ばか」



ムスッとしながら呟いた言葉

先に帰れと命じられたから帰ってきたものの




“あ、私今週帰るから楽しみに待っててね”




とだけ言ってきて…ちゃんと日にちも言って欲しいものだ



(俺の気も知らずに…)




「はぁ…」




ため息をしながら俺は、今いる黄薔薇の敷地である黄薔薇の棟の廊下を歩いて『Rose』の棟にあるエントランスに向かった



すれ違う度、部下や職員達に頭を下げられながら歩き進める

最初は慣れなかったが今となっては日常だ。俺より立場上の方々の場合はもう行列で頭を下げるから俺のはまだ可愛い方だと思う




たまに、

「きゃっ、黄薔薇の王子亜蓮(あれん)様よ!」「美しいわ」

「知ってるか?亜蓮(あれん)さんがプロモーションしたあの企画がーー」「知ってる知ってる!!まじ天才だよな」



などと聞こえて来る時もあるがこれはまでの人生経験でもう慣れた

それに、俺の立場は部下や普通担当の職員達からしたら羨ましい…憧れの立場だろうがそんないいものではない




(理想と現実は違うものだ)




そして、いよいよ黄薔薇の棟の廊下から『Rose』の棟の廊下へと移り変わった



本当に『Rose』の本社はとても大きい

『Rose』の本社の敷地の広さ東京ドーム14個分もあり

『Rose』の塔、そして各薔薇の敷地と棟に分かれており本当に広い

その上内装もとても綺麗で設備も整っている



そのまま、歩いていると各薔薇の棟から『Rose』の棟に移り変わる境い目で誰かがこちらに歩いてくるのが見えた




あれはーー




?「あ、亜蓮(あれん)くんおはようございます」




と、元気よく挨拶してくれたのは

白薔薇の騎士逆田唲 陽介(さかたにようすけ)さんだった




亜蓮(あれん)陽介(ようすけ)さん、おはようございます」



この人はoffの時はとてもおっとりしている人だがonの時との差は誰よりも激しいと思う




?「あら、2人とも偶然ね」



更に、陽介(ようすけ)さんの後ろからは




(しずく)さん、おはようございます」



陽介(ようすけ)(しずく)ちゃん、おはようございます」



(しずく)「2人ともおはよ」




クールな挨拶をしてきたのは

青薔薇の騎士の紫乃宮 雫(しのみやしずく)さん。美人という美貌と優れた能力で主を補佐する青薔薇の姫で有名だ



そのまま、3人で一緒にエントランスに行くことになった



エントランスにつくと既に先に着いたであろう

赤薔薇の騎士黒耶麻 秀雅(くろやまひでまさ)さんがいた。そして、ソファーには騎士候補達であろう人達が座っていた



(この人は俺と違って正真正銘の()()()な人だ)



いつも、元気すぎる主をサポートする仕事は本当に彼に適していると思う



秀雅(ひでまさ)「おや、3人とも来たようですね。

ちょうど騎士候補の方達にご挨拶をしようとしているところでした」



?「あ、あの…そちらの方達ってまさか」



秀雅(ひでまさ)「えぇ、私含めた各薔薇の騎士です」



?「うわー!!すげぇ、かっこいい!!

オーラが違うよな、(ひいらぎ)!!」




(おぉ、俺らのファンみたい。

俺も候補の時はこんな反応だったな…)




(ひいらぎ)双太(そうた)お前声でかいっ…!!」




双太(そうた)「っぃてぇ!!何もチョップしなくても…」




(ひいらぎ)「だから、シーっ!!」




双太(そうた)「うぅ…」




(しずく)「ふふっ、元気な子たちね」




双・柊(そうひいらぎ)「…うっ!!」




(あちゃー、(しずく)さんのキラースマイルにやられてるな)



他にも美人に漫才みたいなやり取りを見られて恥ずかしがっているのだろう

なんせ彼らはまだ高校を卒業したばかりの新社会人だから



その微笑ましい反応を見ながら俺らはお互い近くに座った




陽介(ようすけ)「ははっ、じゃあ先に僕らから挨拶と簡単な自己紹介しましょうか」




「そうですね。

じゃあ俺から…初めまして黄薔薇の騎士梦乃 亜蓮(ゆめのあれん)です。」




秀雅(ひでまさ)「初めまして、私は赤薔薇の騎士黒耶麻 秀雅(くろやまひでまさ)とお申します」




(しずく)「初めまして、青薔薇の騎士紫乃宮 雫(しのみやしずく)よ」




陽介「最後に僕だね。

初めまして、白薔薇の騎士逆田唲 陽介(さかたにようすけ)です」




自分で言うのもあれだが俺たち騎士たちは挨拶も気を抜けていない、品を保ちづつ笑顔を見せる…そして姿勢や佇まいは主の右腕としては当たり前のこと



だが、そんな俺たちの挨拶と自己紹介に見惚れたのか騎士候補たちはまだ【ポカーン】という表情をしながら俺たちをみていた



「じゃあ、次は君たちもお願いします」



先に立ち上がったのは



双太「…えっ、あ、はい!!

俺は槙吞 双太(しんのそうた)です、よろしくお願いします!!」



ニコッと爽やかの笑顔で元気良く挨拶をした槙吞(しんの)くんはその黒色の瞳をキラキラしながら礼をした


(活発で礼儀も正しい、か)




挨拶を聞きながら俺は一人一人の特徴や性格をよく見てみることにした




(ひいらぎ)淵公 柊(ふちこうひいらぎ)です。よろしくお願い致します」



と綺麗な姿勢で礼をしたのは淵公(ふちこう)くん



(まるで王子様のスマイルだな…しっかし、どこか見覚えがある)




(ゆう)篠川 憂(しのがわゆう)です。よろしくお願い致します」



と、これまた淵公(ふちこう)くんに負けないくらい綺麗な姿勢で礼をした



(先程の2人と違い、かなり頭脳戦と忍耐力が強そうだな…)




秋十(あきと)白夜 秋十(しろやあきと)です、よろしくお願い致します。

こちらはーー」




冬香(とうか)「双子の妹の白夜 冬香(しろやとうか)と申します。よろしくお願いします」




(ほう…、白夜(しろや)家の双子か。あの方の孫がまた『Rose』に関わるとは)




そして、最後に



莉奈(まな)神那 莉奈(しんのまな)です!よろしくお願いします」



と花が咲いたような可愛らしい笑顔で挨拶をした神那(しんの)さん




(…かなり魅力的だな。まぁ、俺の目は既に()()()しか写ってないけど)




(しずく)「挨拶と簡単な自己紹介ありがとう。

じゃあ、さっそく()()に入りましょうか」





区切りが良いので今話はここまでにします!!






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