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誰が主人公でもない『私達』の物語  作者: 和羅紫
第1章 美しく棘のある薔薇
5/9

第1話 乙女ゲームの世界

莉奈(まな)視点



【カタンッコトンッ】とバスに揺られながら私は外の景色をぼんやりと見ていた

ずっと待ち望んでいた日がきたのに実感が湧かなかった


あれは、私がこの世界に命を授かり過ごしていくうちに自分が前世の記憶を持ったまま()()したことに気づいたのだ…しかもハマっていた乙女ゲームにーー






ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー






前世の私はそこら辺にいるような平凡な女子高生だった。恋愛経験はなかったが友人は沢山いたしそれなりに充実した生活を過ごしていた


いつも、学校が終わると私は寄り道せずに家に帰っては乙女ゲームに没頭していた



特にハマっていたのは

『蜜〜美しく甘い危険な日々を君と〜』

略して『蜜君(みつきみ)』という乙女ゲームだった

その乙女ゲームのストーリーは平凡で平和な日常を送っていたヒロインの元に届いた謎の手紙ーー


内容は


君の()()に興味がある。

高校卒業後の進路もし良ければうちの会社に入り働かないかい?



というような勧誘の手紙だった

しかも、その会社は今世界でもトップのグループのうちの一つ『Rose』からだった


ヒロインは進路は特に決めていなく迷っていたので好奇心で了承した

そして、会社に入ったヒロインは今までの平和な日常とはかけ離れだ生活を送ることになる


世界トップで活躍するイケメンな攻略対象と関わりながらその病みを支え


4つのグループの()()()を知りながら()()を探っていくという……



「あと、他に凄いファンタジーな()()があった気がするけど忘れちゃったな…かなり重要だったような」


(まぁ、とりあえず美しく甘くて危険なストーリーなんだよねぇ〜)



その日もいつも通り学校から帰ってきて続きをやろうと思ったら階段から滑り落ちてしまい

気づいたらヒロインに転生していた



生まれた時から前世の記憶はあったから私かなりお利口さんとして評判だった

ゲームでヒロインの家族についてはあまり触れられていなかったが流石ヒロインの親、イケメンなお父さんと美人なお母さんで2人とも優しく私を大切に愛してくれた


ここが乙女ゲームの世界だと気づいたのは高校に入学してからのことだった





学校で見てしまったのだ








そう、ヒロインに攻略される攻略対象を





最初は疑って何回もみたりわざとクラスにも行って見たりしたがどうみてもあのイケメン達はあの『蜜君』の攻略対象で間違いなかった

名前も外見もしぐさもスペックもーー


(うそ…本物?!)



それからすぐに『nectar』のことをネットで検索し始めた

ゲームでは確かヒロインが高二に進学したあたりであの4つのグループが現れ2・3ヶ月で世界のトップに君臨してしまうはずだった



(神チート級ずきる、!!)



今までの平和な日常が終わるのはやだーー



















私はメインキャラはほとんど攻略済み

隠しキャラやレアキャラはまだだが、裏の情報交換で名前やストーリーなどは少し知っている

あとは私の実力のみで攻略すればいい話



(せっかく転生したんだ。あんな神様レベルのイケメン達…攻略するしかないじゃん!!)




「目指せ…()()()()()()()!!!!」




莉奈(まな)母「莉奈(まな)〜、乙女ゲームでキュンキュンしてる所申し訳ないけどもう少し静かに興奮しなさい!!

後もうすぐで夕飯出来るからね〜」


莉奈(まな)父「ママ…なんか、違う気がするんだが……」



「はぁーい…

あ、ママ待っててね今お手伝いしに行く、!」





そこからは両親に心配や迷惑はかけたくないから

本来ゲームが始まってから溜める必要なステータスは今のうちから取り組む事にした


美容・勉強・護身術

すべてある程度並以上に出来るように努力した

たまにめんどくさくてサボる日もあったけど次の日は倍で努力した


そして、高3の夏

あの手紙が届いたのだーー




「きたぁぁあ!!!!」




そこからはもう、順調に進んだ


両親に話したところ2人とも私の意見を尊重すると許可をくれ教師からも「莉奈(まな)さんは優秀なので問題ないでしょう。ですが社会に出てから学ぶこともあるので今までの努力を忘れずに継続してくださいね、応援しています」とかなり褒められた






ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー








【カタンッコトンッ】とまたバスが揺れる



そして気づいたら今に至るのだ

私は『Rose』の()()の近くに停車するバスに乗っている


私と同期になる攻略対象たちもきっと同じく向かっているのだろう



運転手「えー、次止まります〜」




(あっ、そろそろ降りる準備しなくちゃ)







「さぁ、行こう
























私の(逆ハーレムのいう名の)ステージ(運命)へ!!ーー」







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