おねぇ(偽姉)はゾンビになっても美意識は高いか。
この作品は「なろうラジオ大賞2」の参加作品です。
千文字と超短いのはルールなのですごめんなさい(><)ノ
わたしの兄はいわゆる『おねぇ』だ。
ある意味『お姉』という事で、以下、お姉と呼ぶ事にする。
いや、お偽姉と呼ぶ。
お兄がお偽姉になったのはいつ頃だったろうか。
そうそう、わたしが多感な中2、お偽姉が大学1年の時だ。
お偽姉は、女のわたしより、美意識が高かった。
言葉遣い、姿勢、服、美容、歩き方、趣味。
性転換やホルモン注射等はしていないけど、十分に女性らしかった。
それも、かなり美人な方の。
そしてわたしが高1でお偽姉が大3の春、世の中にゾンビウイルスが蔓延し、お偽姉はお偽姉ゾンビになった。
あの日、大学から帰って来たお偽姉が、左腕を押さえながら、
「雪乃……テレビ点けて」
と言った。
陽太お偽姉は大学に、女の格好で通ってたから、まるで男に襲われかけたかのような、危うい色香を纏っていた。
テレビを点けると、ゾンビウイルスの所為で、日本中にゾンビが大量発生したというニュース一色だった。
「雪乃、アタシ、ゾンビに噛まれちゃった」
「えっ……」
お偽姉の一言がわたしの脳みそを停止させる。
こういう時って、本当に頭が真っ白になるんだね。
「雪乃、アタシの手足をこのロープで縛って、物置部屋に閉じ込めて」
「お偽姉ちゃん……」
わたしは実感が湧かないまま、言われるがままにお偽姉の手足を縛り、口にタオルで猿ぐつわをした。
「お偽姉ちゃん、ゾンビになっちゃった?」
わたしが呼び掛けると、お偽姉が首を横に振る。
それを確認して、わたしが水や食べ物を与える。
そんな日が2日続いた。
そして、3日目。
わたしの問いかけに、お偽姉が無反応だった。
とうとう、お偽姉がゾンビ化した。
お偽姉とわたしの約束では、わたしがお偽姉に止めを刺せそうなら刺す。
それが無理そうなら、物置部屋に閉じ込めたままにする。
でも、わたしはお偽姉をリビングに連れていく事にした。
長いこと、兄妹2人だけで生きてきた。
1人で生きていくなんて、到底無理なのだ。
リビングまで連れていき、また手足を縛る。
その間、お偽姉は大人しかった。
2人で、静かにテレビを見ていると、テレビにイケメンの男性レポーターが映る。
と、その時だった。
「シャーっ」
「お、お偽姉ちゃん!?」
お偽姉がテレビに向かって縛られた足でぴょんぴょん跳んでいく。
テレビの画面に向かって歯を立てようとしていた。
お偽姉ゾンビの特徴。
イケメン限定で襲おうとする。
メイクしてあげると喜ぶ。
質問です。
おねぇはゾンビになっても美意識が高いのですか?
最後までお読みくださりありがとうございます。
もしよければご指摘、ご感想など頂けますと成長に繋がりますw
――――……
・2022.8.5 たこすさま主催「だーれだ企画」の副賞で、風音紫杏さまにめちゃんこカワイイ「お偽姉ゾンビ」のイラストを描いていただきますたー!
イケメンを襲おうとぴょんぴょんとんでるシーン!
ゾンビになって目が濁ってるそうです!
めちゃんこ美人!
ぴょんぴょんとんでるーっ♡
風音さんあざますにゃーーーっ(≧∇≦)
・風音紫杏さまマイページ
https://mypage.syosetu.com/2187521/
・たこすさまマイページ
https://mypage.syosetu.com/546464/
・第二回この作品の作者はだーれだ企画
https://mypage.syosetu.com/mypageblog/view/userid/546464/blogkey/2983282/