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プロローグ

「今日からお前は私の召使いだ!」

 

 ふと、突きつけられたそんな言葉。こんな偉そうな言葉を吐いた奴は、まだ小さくてそれはもう可愛い。もう大きくなった子を持つ親から見たら「あの時まではあの子も可愛かったのよねぇ」と思わず呟く。

 

 セミロングの茶色い髪。少しつっている大きな瞳。本当に可愛いまだ“六歳”の少女。

 そんな少女が。今私の目の前に立って腕を組み、偉そうになんと「召使い」になれと命令してきた。

 

 ……嘘だと言いたいでしょ? でも嘘じゃないんだから。嘘じゃなかったらそんな事言わない。このまま話が進んだら、私本当に召使いになっちゃうんだから。正直言って、私自身嘘って言いたい。

 

 あ、今思い切って言ってもいいかな? いいよね?

 嘘だぁあぁぁぁぁああぁぁぁあぁぁぁあぁああぁぁぁああぁぁぁ!!!!!!!!!!!





 


 ――時は遡ること、数時間前。日はもう沈みかけていた。季節は桜香る春。私、大鷲真紗希おおわしまさきは浮気性の父を持つ中学一年生。ちなみに母は父に愛想をつかし失踪。

 今日も、いつものように仕事から帰ってくる父を夕食を作りながら待っていた。時計の針が一つずつ時を刻む。

 

 私しかいないアパートの一室。数分の時が長くそして重く感じる。――遅い。

 この時間には必ず帰ってくる父が帰ってこない。……多少、いい女を見つけて酒臭い体で夜中に帰ってくる時もあるが。

 

 その可能性もあるとして、いくらなんでも遅すぎた。もし遅れる場合は、電話をかけて来て「遅れるわ」といやらしい女の声と酒に酔った声を電話口から聞こえる。

 その時ももちろん、ため息を吐きながら一人夕食を喉に流してそして寝るのだけれども……今日は電話がこない。はははは、ふざけてんじゃねぇぞ女垂らしが。

 

 待つこと一時間。重くなった瞼を無理矢理こじ開けながら、なんとか意識を保つ。と、その時玄関のドアを強く開けようとする音が。

 私はゆっくり立ち上がると、ドアノブに手をかけた。きっと、帰って来た父がドアを開けられなくて家の前でガチャガチャ遊んでいるのだろう。私はドアを開けた。


「真紗希ぃいぃいいぃいい!!!」


「うわぁぁぁああぁあ!?」


 急に抱きついてきた父。酒の臭いが鼻につく。気持ち悪い事に『お父様』はなんと、私に頬ずりしながら泣き喚く。

 私は小さい子を宥めるかのように、父の背中を優しく擦りながらそっと父腕から離れる。


「どうしたの? とりあえず落ち着いてください、お父様っ」


「うぅ、愛しき我が娘よ……。頼んだ」


「へ?」


 トン、と父は私の胸に一枚の紙を押し付けると、開けっ放しのドアから疾風のように出て行った。

 急にいなくなった父。ま、どうせ帰ってくるだろうと思いながら私は父から渡された一枚の紙を手にする。細かい字で書きなぐられたその字は父が書いたものだろうと解釈した。


 一見、何かの暗号のようにも見えるそれは、平仮名、漢字、カタカナなどの字が分けがわからない程に崩れてしまったからである。こんな字は我が父親しか書けない。

 私も辛うじて、読める事が出来るのだが読めない事は読めない。とにかくこれを読んでみようとゆっくりと字を目で追う。


『愛しき我が娘へ。

 急な事情でこんな紙を渡してスマンぜベイベー。本当に悪いと思っているぜよ。

 実は、仕事の帰り道いつものように居酒屋へ行ったら、前父さんと色々関わりがあった人に会った。その人は、父さんを見つけるやいなや胸ぐらを掴むと、父さんに一人の少女を押し付けて疾風のように去っていったんだ。そう、父さんがお前に紙を押し付けた時みたいにな』


「ふざけるなくそじじぃ」


 まだ読み終わっていないというのに、私はこの紙を散り散りにやぶってやりたいという衝動に襲われた。

 なにが、スマンぜベイベーだよ。全く反省してないから! そしてまた、あなたの浮気性炸裂ですか!?

 奥から込み上げる怒りを押さえつけ、私は手紙の続きを読んだ。


『その女の人は少女を押し付けたと同時に父さんのとある一通の手紙を渡したんだ。その手紙の内容は、その少女の名前と最近流行りのヤンデレ風味の内容だ。

 「一生あなたを恨んでやる」とかそういう文がところどころあるから、父さんは困ったよ。このまま家に帰ろうとしたが、真紗希に迷惑をかけるわけにはいかない。それに、他の父さんと色々関わりがあった女達がこのタイミングで襲ってきたからねー、いやぁ困った困った。

 だから父さんは、真紗希と血が繋がっているはずの少女を真紗希に預けることにした。

 名前は……』


 最後の一文を読み上げようとした時。私は不意に後ろを振り返った。

 先程から感じる人の気配。そこにいたのは――。


『“るか”というらしい。それでは、宜しくチェケラッチョ。

                 悲しき旅人父さんより』


 不意に、私はその紙を手放した。開けていたドアから風が吹き込んで、その紙が飛ばされる。


「私の名前は、るか。今日からお前は私の召使いだ!」


 そこから私と、スーパー六歳児るかとの凄まじい主従関係が繰り広げられるのであった。

 ……もう一回叫びます。皆様、耳を塞ぐ準備は出来ましたか?

 ふざけるなぁぁぁぁぁああぁぁあぁぁぁあああぁぁあぁぁぁぁぁぁぁああああ!!!!!



―後書き―


真紗希「どうも、皆様初めまして。主人公の大鷲真紗希です!

 このコーナーは、後書きスペースを利用して、キャラへの質問やプロフィール、雑談などします。こんなコーナー嫌な方はスルーしてくださいっ。

 作者の本当に生き抜きみたいな物なので……たまに変なものが入ってしまう事がありますが、そこは目を瞑ってください!

 その時は私が作者を殴ります☆


 さて、初回という事なので、今回、このコーナーは私一人です。これから始まる私とるかのハチャメチャな物語をお楽しみください!

 尚、質問等も受け付けています。どうぞ宜しく〜。


 初回なので今日はここまで! それではまた次回〜」


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