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完全無欠の悪女、演じてみせます  作者: 氷梨和真
一章 幼少期編
2/3

第1話 レイチェルとして生活始めます

最後の方ぐちゃーってなってるかも知れん…


誤字脱字あればバンバン教えてください!!!

 

 母を看取った翌日、連絡を受けた父は私を見てすぐに乳母と私を本邸から隣の領地と接した森近くの小屋に追いやった。

 理由は明白。私が闇の精霊王の加護を受けたから。


 この世界には火、水、風、土、光、闇の6種類の魔法とそれを司る精霊、精霊王たちが存在する。

 火、水、土、風の精霊の加護は特に珍しいものではなく研究も進んでいる。

 しかし光と闇はあまり人前に現れることがなく分かっていないことも多い。


 特に闇の精霊はそれが顕著で唯一残っていた文献に書かれていたのは『漆黒の髪と紫の瞳を持つ闇の精霊王の加護を受けし者、国を滅ぼし消えたり』という言葉。


 このことから闇の魔法は『災厄』『死の象徴』と忌み嫌われてきた。


 精霊王に愛された者はその証に同じ髪と目を持って産まれることは有名な話でそれぞれの精霊王の色も広く知れ渡っている。


 そして私の色は闇の精霊王に愛された証の黒の髪に紫の瞳。そんなものが由緒正しき侯爵家に生まれたことをなかった事にするべく領地の森近くに存在を隠した。


 本当はこの世から消したかったのだろうが文献のこともあり害するのは避けたのだろう。

 実に小心者のあの人らしいと思った。


 そうして人目につかぬように隠され6年の月日が流れた。私はというと…


 「レイチェル、今日も沢山の木の実を精霊達が届けてくれましたよー。」


 「分かった。今日はパウンドケーキでも焼こう。」


 ライバートと一緒に元気に過ごしている。

 ライバートは灰色の髪に青の瞳を持った物腰柔らかな好青年…に扮した闇の精霊王だ。


 本来、精霊王は加護を与えた後はあまり人前に出たり干渉することは無い。ライバートも生まれて三年は姿を表すことはなかった。


 彼が私の元に来たのは三年前、乳母が亡くなった時。


 彼は現れるなり『もう見ていられない。』と小屋から連れ出そうとした。それを私が拒んで一緒に暮らすという形で落ち着いた。


 ライバートはここで暮らすために乳母の遠縁ということにし髪と目の色を変化させた。


 普段は青年だが必要に応じて女性や子供の姿になることもある。彼曰く精霊にとって姿形は私たちと意思疎通をするための一つに過ぎないから簡単に変えられるとのこと。


 食べるものは精霊たちが魚や木の実に山菜を取るのを手伝ってくれるし、服などの生活用品については月に一度本邸から使用人がやって来てお金を置いていってくれるため街で布を買って服を自作している。

 おかげで刺繍の腕はお針子として働けるほどになった。


 お金を用意してくれているのは私の扱いを不遇に思った執事長とメイド長の二人で決してあの人の支持ではない。


 手伝いをしてくれる精霊たちにはお菓子を作ってお礼として渡している。


 こうして生活面に関してはなんの問題もない。


 最近は余った時間にライバートから歴史や魔法、薬草から貴族のマナーに至るまでありとあらゆることを学んでいる。


 全ては将来、完全無欠の悪女として学園で傍若無人に振る舞うためである。

 この手の物語に出てくる悪役令嬢というのは大抵、なんでも出来るハイスペックな人物が多い。

 上流階級の貴族夫人として育てられた令嬢の教養が高いのは自然の摂理だろう。


 それに(他人の気持ちは置いておいて)傍若無人に振る舞うことを許されているというのは全てにおいて完璧だからだ。


 つまりどのような理由があろうと人より劣るところがある場合、私が悪女として学園に君臨することは有り得ない。


 何より私の役者としてのプライドにかけて中途半端な役作りをしたくない。


 そう思い、淑女の鑑と言われても胸を張れるように努力をしている。のだが…


 死ぬ間際に読んでいた台本の設定では物語のレイチェルは本邸で異母妹を虐めていたが私は人里離れた小屋に住んでいる。

 このままでは異母妹と会うことなく学園に通うことになり、物語のシナリオ(舞台の台本)と異なってくる。


 実際の話を舞台用に変えることはよくあるので必ずとはいえないが気になるところではある。


 どれだけ悩んだところで出来ることの少ない今は将来、完全無欠の悪女となる為に教養を身につけ準備することしか出来ない。





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