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文━ふみ━  作者: 渡田佑良
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ii


 私は3月8日卒業式の後に家出をしました。とても楽しかったのを覚えています。生き甲斐を感じました。約半年練った計画だったので、今こうして生きていることを思うと成功したんだと感じます。

 私は受験をしていません。拒否しました。社会に出たくありませんでした。もう、うんざりだったのです。疲れたのです。でも、私は死なない。絶対生きる。そう誓っていました。

 家出から10年くらい経ちました。手持ちの金はもうありません。この家には食べ物だけを取りに来ていたので、金はもうありません。ですから、この家を出てから私は山登りをしようと思います。近くに雪のかかった綺麗な青い山がありますので、そこに向かおう思っています。それから色んな山や森を転々としてみようと思います。

 最後に自分の生きた証ぐらいは書いてみたかったのですが小説にはできませんでした。ですからこの手紙という形で残しておこうと思います。小説家になれなかったこの私が拙い文で私が、一応頑張って生きていたということをここに。読める人は、限定ですけれども、きっと限定しないとなにか来るので。あと、念の為この筒に入れておきますね。濡れたり汚れたりしないように。

 それでは、あなたが良い人生をおくれますように。   敬具





平成○年 三月三日

 前田恵理奈

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