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文━ふみ━  作者: 渡田佑良
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 僕は涙を流していました。握っていたレポート用紙に僕の滴がぽたぽたと落ちていきました。ああ、この紙が濡れていた訳が分かりました。そして、ぞっとしました。少し前にこの文を読んだ人がいたということです。ここは有名ですから、何人も訪れるとは思いますが、まだ僕はここで人には会っていないので不安になりました。…僕は、今、不安になった…?

 彼女に会いたい。ここにこの手紙があるということは、もしかしたら彼女はこの辺にいるかもしれません。探せば会えるかもしれない。きっと彼女には理解者がいなかったから、こんなことになってしまったのです。僕は、生きる理由を見つけた気がします。

 僕は軽装で、ご飯も懐中電灯もスマホもありません。スマホは意味が無いからです。持っているのは、レポート用紙と筆記用具と縄の入ったリュックです。

 取り敢えず、この手紙はここに置いておくべきものです。でも、僕は彼女に会うために写経しました。けれどこの手紙のままだと、小説には到底なれないと思ったので、僕が少し手入れしました。とは言っても、僕も文章力はないので上手に出来たとは言えませんが。それでも僕が見つかることできっと皆さんに伝わると思っています。

 僕は書いたこのレポート用紙をリュックに入れて歩きだしました。まず水の音のする方へ行ってみようと思います。そこに行けば彼女に会えなくても誰かに会えると思っています。



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