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12話

◇場面切り替えです




この学園には入って一ヶ月後に一年生のお披露目のイベントが行われる


内容は五人一組になり勝ち抜き戦で魔術科と剣術科の混合チームで戦って優勝を目指す

景品は物品などではなく将来有望だと箔がつく上歴代の優勝者たちは生徒会メンバーだったりするので生徒会を目指すものは優勝するためにメンバー選びから必死だ


そして一年生には剣術科に席を置く学園内での弟がいるのでちょっと楽しみなのだ


「おーい!姉さーーーーーん!」


「ねぇちょっとあれ...」

「オネスト王子の姉っていうあの..」


ヒソヒソと周りで言われるのは無理がない


大声で走ってきた学園兄弟のオネストだが彼は第二王子と言う身分なのに兄弟を作ったと最近噂になっている。確かに学園には兄弟システムがあるのだが王族であるため普通なら兄弟にならず独り身を貫くらしいのだが私はそれを知らなかったため王子の学園での姉として余計に目立ってしまったのだった


過ぎたことは仕方がないしオネストは脳筋だが可愛げのある子なので気に入っている


「王子様がそんなに走ってどうしたの」

「姉さん!俺に稽古をつけてくれ!」

「いやいや、オネストはユークリッド直々の弟子でしょう?稽古つけても今更だろう」

「だが俺は強くなりたいんだっ!!」


さすが脳筋どこまでも強くあろうとする


「フフフ未来の義弟になるかもしれない王子よ!我が同士のルフスミリアは渡さぬぞ!」

「コーデリア先輩何言って...」

「なっ!!なんだと!?」


後から聞いたのだが小さい見た目だがコーデリアは年齢はルフスより一個上だった


「貴様は、ルフスミリアに稽古をつけてもらう資格はまだないと知れ!!」

「何!?」

「そうですわ!ルフス様は前回のイベントの優勝チームのMVPですそうやすやすと稽古をつけて貰えると思わないでください!」

「....(黙って聞いておこう)」



私はお爺様に鍛えられ、秘密の特訓のお陰で優勝を果たしたのである



「フフンそう言うことだ未熟な王子よ!このイベント優勝してからモノを言うがよい!」


何故か教室で座っていると別のクラスのアンナと他学年のコーデリア先輩が集まっていてそこにオネストも加わって騒がしくなっていた。そんな感じで二人に突っ返されたオネストと目が合い


「わかりました姉さん!!このイベントは俺の今までの修行の成果を見せて認めさせやる!!首を洗って待ってろ!!」

「フン!やれるものならやってみるがいい」

「ルフス様はそうやすやすと手に入りませんことよ!」


全く脳筋なためか口調や言葉がはちゃめちゃである


チャイムが鳴ったので解散させた


隣の席にいたゆかりから「相変わらず仲良しですね」と言われたがだんだん騒がしく鳴っている気がする





イベントは予選と本戦があり5日に渡り行われ一日準備期間として使われる

オネストはその一日を大切に使いチームで作戦を立てたり特訓していた


「あれはオネスト...頑張ってるね」

「俺も頑張るから見てて!」

「いや、ディルは去年私と一緒に頑張ったから今年は無いよ」

「そんな!?ギィイイイイイイあのクソガキガァァああアァあッ」


今日は一段と情緒不安定になっているディルを無視して窓の外から見えるオネストをみているとオネストを隠れて見ている怪しい影を見つけるがすぐ走り去ってしまった


何事も無ければいいのだが...





イベント当日


優勝商品はないが前回の優勝者を着飾って目に見える優勝商品がわりにする

一年生に「ここに立てるように頑張りなさい」と言う意味を込めるのだが毎回優勝者たちはこの日のために衣装が送られて着なくてはならないのだから当然


「こうなる」

「その赤いドレス似合ってるよ」

「ありがとう...(ディル今日はまともでよかった)」


そして一緒のチームだった剣術科の人たちからも


「本当によくお似合いです」

「綺麗です」

「ありがとうございます


褒めてもらえたが一人だけ皮肉な言い方をしてきた


「流石銀朱の貴公子ですね。赤が映える」

「お褒め頂き光栄です」


銀朱色の髪をしている中性的な姿から取られたものである

ルフスは赤い髪だが彼は真っ白な髪をしているので赤と白ですごく目立つチームだった


そして彼の名はアルヴァス・グラディウス、私がMVPをとってしまった所為なのかすごく当たりが強いがまぁそこまで悪い人間ではないので優しく暖かい人間である私は流してあげている


ミステリー小説のこの手のキャラは自分の目的とかのために行動してヒントをくれたりするタイプなのであまり邪険にできない


だが、ここはミステリー小説の世界ではないのだった





イベントが始まり壇上に立ち手を振って激励の言葉を送る役のアルヴァスが喋って審査員席の隣に座って観戦する


このイベントルールは相手チームの陣営にある側を取れば勝ちとなる

魔術科の生徒は援護射撃などの後衛主が役割で剣術科の生徒は前衛を務め側を取りに行く模擬戦のような感じだった


席に着いたのだが右からルフス、アルヴァス、剣術科2名、ディルとなった

ディルが最後なのは何をするかわからないと言うことで審査員以外の先生が集中して座っているところに置かれたのだった

そして私が元々魔術科の生徒から右から順に座るため必然的にこうなってしまったのだ

後椅子が豪華さを出すためか二人がけソファになっていて頭が痛すぎる


そうして試合を見ていると何戦目だったかで右のひざ掛けに持たれるのをやめ手を膝の上に置いたら左のほうから手が伸びてきた

目の前にはテーブルがあるため他の人からは見えない


「失礼...何をしているので?」

「手を握っているのです」

「どう言う意味か聞いても?」

「異性が手を握るのはどう言う意味だとお思いでしょうか」

「さぁ、何でしょう寂しいのでしょうかね」

「シラを切るんですか?」


意味がわからなかったこいつ何をわけのわからないことを言いながら手を握りしめるのか今までの態度で「この方は私に気がある」とは到底思えない


「私はね夢があるんですよ、この学園を剣術科トップで卒業し、魔剣士になりトップになる。そうして優秀な子供を残して鍛え上げられたらいいと思っているのですよ」

「夢があっていいと思います」


「そして貴方は魔剣士ヴォルフの血筋である上に前回のイベントで圧倒的なまでの剣技と身体強化の魔術でMVPをとった優秀な方だ」

「...」


常々秘密の特訓と言っていたのは身体強化の魔術師のことである


「そんな貴方と剣に秀でた私の間に生まれた子供はさぞ強く育つと思いませんか?」

「なんと....?」

「私の子供を生んでくれと言っているのですよ、結婚してくれるのが一番良いのですが」


恐怖あまりにも素直に気色の悪いことを言われるので手を離そうとしたら全然取れない


「グッ....!」

「絶対離してはあげませんよ」


気持ち悪すぎる...今まで変人の類に囲まれた中にいたが最高に気色の悪い人間にあったのは初めてだった


そうし頑張って取ろうとしているとオネストの試合になっていた、集中して観戦したいので気持ちが悪いが手を握ったまま見ることにしたのだ


「ははは愉快な人ですね」

「取れないならもう仕方ないからほっとく」

「喋り方が変わりましたね」

「...」


ニヤニヤされているが放置して観戦しているとオネストのチームは勝ち次は決勝戦


そして決勝戦は開始されたオネストが相手に切り込んで旗を取る役目のようで味方の援護を受けつつ進んで行くが相手は守り体制だったため剣術科の少年が立ちはだかった


「(あの少年何処かで見たな...)」


その少年も倒して旗を取り試合終了の合図がなった


「終わりみたいですね」

「私たちは優勝者たちに花を贈るのだからこの手を離してもらう」

「仕方ないですね」


やっと手を離してもらえることができた

そして壇上に上がるがディルがおらずどう言うことだと思ったら二人がけのソファーで爆睡していた天才のとる行動は違った


そして優勝者に前回優勝者が白い薔薇を一本贈るのだがディルがいないのでアルヴァスが二人を担当する


最後にアルヴァスが剣術科の生徒に花を渡そうとしている時に一年生の列から叫び声が聞こえてきた


「キャーーーーーーッ!!」

「イタッ!!」

「どけどけどけ!!!!」


一人こっちへ突っ込んでくるのが居た

最後にオネストの前に立ちはだかった少年は前に見たことのある少年だった


「あの時の...!(にしても早い私くらいに...まさか!!)」

「身体強化の魔術を使っているようだ」


身体強化の魔術は飛躍的にパワーアップ出来るのだが身体に負荷がかかりすぎる為制限して使われているのだがその少年は通常よりも強くかけているようであった


「君はあのくらい普通に強化していたが普通ならばああなる」


少年の血管は浮き出し目が充血して焦点が合っていないそして剣を握りしめ壇上に登ってきた。オネストを狙っているようだったがその周りにいる子にも確実に当たってしまう


優しい人間を目指す彼女の体はもう人のために勝手に動けるようになっていた


アルヴァスが剣術科の生徒の腰から剣を抜きとり突き飛ばして少年の剣を弾き飛ばしルフスがその流れで少年の頭を持ち壇上に叩きつけてめり込ませた


ドカッ


見事な連携であった


「お見事」

「そっちも」


剣術科の生徒は取り押さえられ二人には拍手が贈られ無事にイベントは終了を迎え壇上から降りる際に耳打ちされる


「やはり貴方には私の子を産んで頂きたい」


ゾクッとして鳥肌がたつ


「(気持ちが悪すぎる...!まぁ何にしてもお前の気持ち悪い要望には答えられない)」



そして事が終わってから起きるディルだった


「何ごと...」





場所は王宮


「失礼します」

「入れ」


ユークリッドが執務室にて部下の報告を受けている


「またも貴族の魔力を有する貴族の子供が攫われた様です」

「それでそれを行う者共の詳細などは」

「それが現場にカエルム・サングィスと壁に彫られていました」

「カエルム・サングィスか...なるべく貴族の館辺りには兵を巡回させ情報を集めろ」

「はっ」



「雲行きが怪しいな」





夜、寮の外で剣術の稽古をしていると何やら木からの上に何かいるようであった


「猫かな?暗くてよく見えない...おいで猫ちゃん大丈夫、怖くない絶対受け止めるから...チッチッチッチ」


するとガサガサ音を言わせて落ちてきた


「ウッ!!!」


落ちてきたのは猫ではなく...


「人間...!」

ルフスがなんで手を外せなかったのかって言うとこなんですけど身体強化すると指折っちゃう恐れがあったためです

ここも優しさの一つです


でも攻撃してくる相手には容赦しないので少年には身体強化で床にめり込ませます

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