温泉っていいよね その1
「隠密スキルカンストさせた俺、異世界生活始めました」
番外編パート2、温泉編です!
露天風呂最高!
よろしくお願いします!
「温泉ですか?」
そう尋ねたのは、カウンターで食器を拭くテリシア。
いつもの、と言いたいところだが今日は少し人が少ないギルド。まあ理由は今日が祝日だからなのだが。多くの人たちが家族や仲間と過ごすそうだ。
一応ギルドは平常通り活動しているので、ケイジもテリシアにくっついてギルドに来ていた。そこに現れたのが、数人の護衛とクロメ姫、それからハクである。
「うむ。妾達もこの地に留まる以上、何かこの街の役に立ちたいと思うてな」
「いや、留まる必要ないんじゃないですか?」
正直な話、毎日のように誘惑されちゃたまらんのだが。
「何を言うか。妾達が和国に帰るのはケージを婿として迎えてからじゃ。そうでなければハクも納得せぬ。のう、ハクよ?」
「え? うん、そうだねクロ姉」
熱弁するクロメを見もせず、テリシアの用意したココアを堪能するハク。
うん、絶対聞いてなかったよね。
「っと、話が逸れてしもうたな。それでな、この街のために何か出来ぬかとユウ達に相談したのじゃ。そこで出た案が温泉開発、というわけじゃ」
「ふむふむ」
「幸いなことに立派な温泉もすぐに見つかった。それにここの者達はあまり風呂にこだわっていないようじゃからな。きっと受けはいいじゃろう」
意外と真面目に考えてあって、少し驚いた。てっきり自分が入りたくなったから地面を叩き割ったりしたのかと思ったが。
まあそんなこと言ったらマジで頭を叩き割られかねないから口には出さないが。
「そこでじゃ! 温泉として開く準備はもう出来ておるのじゃが、その前に是非とも皆と共に湯に浸かりたいと思うての」
「って事は貸切ってことか?」
「左様じゃ。主らを含めミル殿やレニカ殿達も誘うつもりじゃ」
「にーに、お風呂来てくれる?」
ココアを飲み切り、くいっと服の袖を引くハク。
うん、それマジで断れないやつだからやめて。
「ああ、まあ、タダだし行こうかな……。テリシア、どうする?」
「温泉ですか……。行ってみたいのですが、危なかったりはしませんか?」
「……? あ、危なくはないと思うが。ですよね?」
「もちろんじゃ。建築もしっかりされておるし、魔獣の生息範囲でもない」
「なら、是非行きます!」
うーむ、温泉が危ないって何を想像してたんだ……?
え? 1番大事なことを聞いてない?
なんだよそれ、言ってみろよ。
混浴かどうか?
…………。
……お前ら本当にさ。
欲望に忠実だよな。もはや羨ましい。
まあ、普通に考えて別々と混浴っつったら混浴の方が颯来の妄想が膨らんで書きやすいだろ? だから多分混浴だ。
「では、他の者達にも声をかけておこう。また日時が決まったら連絡をする。ではな」
「じゃーね、にーに」
ああ、尻尾フリフリして可愛いなぁおい。
そう言って、クロメ達はギルドを去っていった。
「温泉か、楽しみだな……」
「外のお風呂っていうのもいいですよね~」
「そうだな。こっちの世界だと温泉も銭湯も全然見かけないし、受けはいいんじゃないか?」
「そうですね。私たちはあまりお風呂とかにはこだわりませんから、もしかしたら新しい流行になるかも……?」
急に真面目な顔で考え始めるテリシア。
なんだ、温泉ブームでも始まるのか。
何はともあれ、久しぶりに味わえそうな和風っぽい雰囲気に内心ワクワクしているケイジなのであった。




