第2話・仕事!仕事!仕事!
「隠密スキルカンストさせた俺、異世界生活始めました」
第2話です!
見てわかると思いますが、話ひとつの長さもまちまちですのでよろしくお願いします!
「………。」
伝説の殺し屋・ブラック・ディウィーラーこと俺、佐霧圭二は、見た事の無い道の前で、穏やかな表情で立っていた。
本当に困った時とかリアクション取りにくい時は穏やかな顔してりゃいいってじっちゃんが言ってた。
うん。
あのさ、ここ、どこ………?
確か俺、店でホットケーキ食ってた筈なんだけど………。
目の前には、西洋風の町並みが広がり、俺からすれば時代遅れの馬車や、どうなっているのか、ふわふわと浮いている絨毯やホウキが空を飛んでいた。
目の前を歩く人々は、長い耳の人たち、緑色のおおよそ人間とは思えない人たち、獣の耳のようなものが頭に付いている人たち………。
うん、人間じゃない。
ていうか、普通の人間がいない。
そのせいか、先程から少なからず圭二は街ゆく人々の視線を集めていた。
え〜っと、つまりあれか?
俺は、よく言う異世界転移的な何かをしたのか?
………突っ込んでいいかな?
何でホットケーキ?
いや、何でホットケーキ食って異世界転移するん!?
普通もっとこう事故にあって死んだと思いきや〜とか、突然現れたヒロインに連れられて〜とかじゃないの!?
当然だが、ヒロインもいなければ死んだ訳でもない。
ただただホットケーキを1口食べたらここに飛ばされたのである。
いや、飛ばされたのかどうかすら分からないが。
もしかしたら本当は俺以外の主人公的な奴がいて、俺はそいつのオマケというかバグ的な奴でここに来ちまったのかも知れない。
………なんだろうな。
別に、オタクって訳じゃ無かったんだけどさ?
普通なら、異世界転移でもすれば多少なりワクワクしたりするやん?
なのに何だろう、この虚無感………。
いや、まだ分かんないけどさ。
なんか分かんないけど、俺じゃない感が凄いんだよな………。
え?
だったら主人公ポジ取ればいいだろって?
ソノテガアッタカ!
ってならんわアホ!
いやどうするんだよこれ!
本当に主人公ポジだったらまだ良かったけどさ!?
モブですら無さそうだよこれ!
衣はあるけどこんな知らない土地で食も住も無いとかどんな鬼畜ゲーだよ!
「はあ……」
ひとしきりの脳内ツッコミを終え、現状にため息が出る。
自分が主人公かどうかは一先ず置いておいて、パッと見で元の世界に戻れなさそうな以上、何とかしてこの世界で生活出来るようにしなければならないのだった。
その為に必要な事は、大きく分けて2つ。
ひとぉーつ!
この世界についての様々な情報だ。
種族、地形、通貨、その他もろもろ。
生きて行くためには必ず必要な知識になる。
ひとぉーつ!
仕事!
work!
仕事がなきゃ稼げない!
稼げなきゃ死ぬしかない!
みんな死ぬしかな(以下略
流石にいきなり殺し屋っつう本当の姿は見せられない。
俺もプロだし、ある程度の事なら人並みには出来る、ハズ。
何はともかく情報収集だ!
そう思い、とりあえず街の中心らしき方向に向かって歩いた。