番外編4*啓の浮気発覚!?後編
「陸・・・」
俺が早くにハッキリ言わんばかりにこんなことになっちまった。
ゴメン、陸。
でも、ちゃんと俺・・・
「えぇっ!!別れたのあんたたち!?」
「そ〜よ、前にあんなセリフ言われても信じたあたしが馬鹿だったわ」
「ん〜・・・」
せっかく、あたしが初めて好きになった人なのに。
こんな形で終わってしまうなんて・・・。
でも、啓は『たらし』のまんまだし・・・。
しかもあたしの前で他の女子といちゃつくなんて・・・。
え、これって焼きもち??違う違う。
「あたしは、もう・・・啓には・・・」
「はいはい。どーせまたくっつきそうだけど」
「なっ、絶対ないから!」
バンッ!!
「!?」
教室のドアがいきなり開いた。
あ、昨日啓と一緒に帰った・・・。
「あんたが神埼陸?ちょっといい?」
ものすごいぴりぴりした顔。
やばい・・・怖い・・・。
廊下に出されてあたしはおそるおそる声をかける。
「あ・・・あのぉ〜う・・・?」
背中を向けていたがくるりとあたしの方に向き直った。
「あたし、須賀 明海。昨日啓と一緒に帰った女よ!」
は、はぁ・・・。
「で、あんた。単なる啓の優しさにつけこんで近くにいただけかと思ったけど・・・彼女だったとはねぇ・・・」
め、目が笑っていませんよ・・・。
「ふんっ、ま、合格ね」
は?
「啓、なかなか積極的なあたしに断れなかったらしくってあんたに誤解されてそうとう反省してるみたいよ?」
え?誤解ですか??
「あたしが昨日告白したときにやっと白状したわ。『俺には陸がいる』って」
あ、あたし理由聞かずに別れちゃった・・・。
「啓、やっぱ今回本気らしいから、あたしはとうていかなわないわ。ほら、行ってあげなさいよ」
え、でも・・・ひどいこと言ったあとだし・・・。
「行かないと、本気であたしが啓を取るわよ」
いっ・・・行ってきます・・・。
でも啓、何で言ってくれなかったんだろ?
あたしならすぐに聞いてあげたのに。
走っているうちに啓の姿が見えた。
でもそこであたしの足は自然と止まった。
「陸!!」
啓も気づいたらしくあたしに向かって全速で走ってくる。
「ハァハァ・・・ゴメン」
「・・・知ってる」
「俺、告られた」
「・・・知ってる」
「ちゃんと、断ったぜ?」
「ぅん、知ってる」
「俺ちゃんと、陸のことだけしか好きじゃねぇんだからな」
「分かってる!!」
あたしは啓に飛びついた。
さっきまでの感情が真っ白に消えた。
「俺絶対、完全に『たらし』消すから」
「・・・え?まだ消えてなかったの?」
「え、いや・・・そのぉ・・・」
あせっている啓の顔を見て思わずあたしはふきだした。
「頑張れッ!!」
ま、応援するしかないでしょ。
「ゴメンな」
啓のひどく反省した顔。ずっと見つめてられる。
手を繋いで学校を出る。
そして、長い長い通学路を2人で歩く。
2人の心のように赤く輝いた、夕日に向かって。
「俺の女神はいつまでも陸だからな!!」
「フフッ・・・何言ってんの?」
啓、大好き。