番外編4*啓の浮気発覚!?中編
俺のバカ・・・。
何でハッきり言わねぇんだよ。
逆に陸が傷つくだろぉが。
俺のバカバカバカバカバカ・・・・・・。
てなわけで放課後になってしまった。
あぁ・・・俺の人生が今日で狂ってしまう。
「啓、顔色悪いぞ」
海が俺の顔をのぞきこんでくる。
思わず海の表情にキュウンとくる。
「べっ、別に・・・断じて陸に隠し事しているわけでは・・・」
「あほ、バレバレだよ」
俺は事情を海に全部話した。
「バカ」
「・・・バカって言うな」
「バカだろ。何言ってんだよ」
「ハイ・・・」
俺は沈んだ。
「ハッキリ言えや。『俺には彼女がいるんだ』って」
「えと、俺・・・」
だんだん海の表情がだんだんと赤くなってきた。
「え、海・・・?」
「お前、『女たらし』なおさないのかよ?」
「え・・・俺・・・」
バンッ!!!
「へっ?!」
海の表情がいつもより、今までよりものすごい。
「俺が陸ちゃん取っていいのかよ?!」
口は笑っているが目は笑っていない。
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「啓?」
・・・陸。
「もぅ放課後だよー・・・」
「あぁ・・・」
陸・・・俺の女神。
俺はその体に抱きつきたくなった。
手を広げようとした、その瞬間、
「けーい!!」
「!!?」
明海ぃ!!
陸を見ると硬直している。
「は?」
明海が陸を見つけて眉をよがませる。
「あんた、あたしの啓に何か用?」
明海の表情は背筋がよだつ。
陸を見ると少しひるんでいる。
「あ、あたしは・・・」
「啓、早くデートしよ−よ」
明海は陸の言葉をさえぎって俺の腕を引っ張る。
「け・・・啓??」
陸は口を手で抑えて俺を見ている。
「啓ッ!!早く!!」
「おっ・・・おい!」
俺は引っ張られるがまま陸を置いていってしまった。
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「啓−、どうしたのよ?暗い顔して」
公園のベンチに無理やり座らせられてニコニコしてられっか。
「たく−。啓の『たらし』ぶりにも困ったものよねぇ」
背筋がぞくっとしたと思ったら明海が俺の手に手を重ねてきた。
「ねぇ・・・啓、あたしね、ずっと前から、啓のこと・・・」
つぶらな瞳で俺を見つめてくる。
まさか・・・この状況は何度も体験したことある。
いや、でもまさか・・・このセリフは・・・
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「啓・・・」
どうしたのかな?
あたしにらまれちゃつたよ?
誰、あの人?
あたし、彼女じゃないの??
『たらし』、直すんじゃなかったの??
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「もう絶対許さない!!別れる!!」
バンッ!!
「・・・・・・」
放課後の教室で、勢いよくドアを閉めた音が響いた。
俺の心にも、『別れる』という言葉が響いた。
えと・・・俺、こういうつもりじゃなかったのに・・・。
中学3年生に進学したと同時に俺は変わった。
『たらし』を卒業して、“あいつ”だけに俺を託すんだと、誓ったはず。
ゴメン、陸。