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番外編4*啓の浮気発覚!?前編


陸と啓の中学校3年生のクラス替えの出来事ですね。


ところどころに()でつっこみ入れてます。


楽しんで読んでもらえたらと思います。



「もう絶対許さない!!別れる!!」


バンッ!!







「・・・・・・」







放課後の教室で、勢いよくドアを閉めた音が響いた。


俺の心にも、『別れる』という言葉が響いた。


えと・・・俺、こういうつもりじゃなかったのに・・・。





中学3年生に進学したと同時に俺は変わった。


『たらし』を卒業して、“あいつ”だけに俺を託すんだと、誓ったはず。


でも、つい口がすべってしまった。
















――――中3の始業式





「はよー」


正面玄関には人だかりができていた。


今年のクラス替え表はA4のコピー用紙に小さく文字が印刷されているので遠くからじゃミミズ文字にしか見えない。


「見に行くのもめんどくせー」


しばらくその場に突っ立ていた。


「啓!!」


俺の隣に現れたのは、俺の“彼女”、神崎陸だ。


『男嫌い』からはとっくに卒業し、今では昔とは違いすぎる最高の笑顔を見せる。(前のも良かったけど!)


「陸、今来たとこ?クラス替え見た?」


「ん〜ん、見てない。今真奈美と来たとこなの」


隣には南園がいた。


「啓〜。今年も陸と同じクラスだったらいいわね♪」


ニヤニヤにながら俺の胸をひじで突く。


「やっだなぁ〜!!当然真奈美も同じクラスがいいよ!!」


「いや〜ぁ、あたしゃ遠慮しとく。2人の熱々ぶり見たくないし」


南園は顔を仰ぐように手をひらひらさせる。





そうこうしているうちに人だかりが消えてきた。



「あ、すいてきたよ!見に行こ!!」


南園は一足先に走って行った。


「・・・俺らも行こうぜ」


「・・・うんっ!!」



「どうだったー??真奈美ー!!」


「ん〜あたしは5組だったけど・・・陸と啓はいないやぁ〜」


「え〜!!真奈美違うクラスとかやだぁ〜!!」


「って言われてもねぇ〜・・・」


おいおい肝心なのは自分のだろ!!


早く探せよ・・・。俺も気になるんだから・・・。


「ちぇ〜・・・あたしは〜・・・あ、い、う、え、お、か・・・・」


陸が探している背中越しに俺も自分の名前を探す。


「俺も〜・・・あ、い、う、え、お、か・・・」









数十秒経過。






「あった!!」






陸と声がハモッてしまった。




「え・・・何組?」


「そっちこそ、何組よ?」


お互い顔を見合わせて質問をぶつける。


「3の2・・・」


「えっ・・・、あたし3の4・・・」








ちょっとだけ期待してたんだけどな。


俺の強運は命だけか・・・。


陸と離れ離れか。1年生の時は意識してなかったからいいけど・・・やっぱ意識すると寂しいな・・・。


陸は眉毛をハの字にしたまま戻さなかった。


泣きそうな顔して俺をビビらせる。


「おっ、おい・・・。クラス離れたからって泣くなよ・・・?」


「うぅ・・・だって、だって・・・」


陸の表情は曇るばかり。


俺と離れてそんなに嬉しいなんて感激・・・。


「せめて真奈美とは一緒が良かったぁ〜。また1人〜!!」


俺の肩は落ちた。南園かよっ!!


まぁ〜陸のクラス見てみるとだ〜れも元3組で仲よさそうなやついねぇしなぁ〜・・・。


「しかも2組夏海いるしぃ〜」


南園が口をはさむ。


「うわぁ〜ん!!」


おいおい、もっと泣かすなよ。後始末は俺なのに。


「大丈夫だって。夏海とはもう仲良くしねぇよ。安心しろ」


そう言って俺は陸の頭をなでた。


少し泣き止んだ。〈汗〉


「じゃあ少しでも俺と一緒にいたいか?」


俺はいばって言う。


「うん」


陸はあっさり答える。


「よし。よく言った」


俺は陸の頭の上に手のひらをポンッと置くと言う。


「学級委員になれ!」


「・・・ハ?」


俺の唐突な言い方に陸は目を点にする。


「えっと・・・それはつまり・・・?」


「委員会やなんやかんやあるだろう!!その時に一緒に過ごせる!」


陸の表情は明るくなってきた。


「し・か・も!!生徒総会の議長は3年学級委員から立候補で出すらしいぞ!クラスは全く関係ないからその時にまた一緒に仕事ができるんだぜ!!」(なんとなくスゴそうな言い方)


陸の表情は太陽のように輝いた。


「それって、また啓と学級委員・・・・」


「おぅ!!できねぇけど一緒にいられるんだぜ!!」


俺は熱くなってきた。


「あの、お二人さん。早く教室入りましょう??」



















「え``??学習部長??」


俺は頭が真っ白になった。


「3年になったらやたら学級委員に立候補する人多くて・・・。あたし1度やったから断られちゃった・・・」


悲しい表情の陸。朝と同じ。


言えるのか俺・・・?


「あ、啓は?啓も学級委員無理だったじゃない??」


俺実は教室入った瞬間から、『おぅ、新・学級委員』って言われた程だぜ??


しかもあっさり決められたし・・・。


「あのさ俺・・・」


「やっぱ3年になりと難しいよね〜」


アハハとギャグみたいに笑う陸。


言えねぇ!!つか言い損なった!!


俺学級委員なっちまったんだよ!!しかも即効で!!


おまけに相手は誰だと思うか!?『第2の夏海』と俺が呼ぶ学年女子『たらし』2号の須加スガ 明海アケミだぞ?!やっと俺の『たらし』が消えかかってきたと思ったのに・・・(消えかけかよ)このままじゃ『たらし』(旧・たらしだけどね)の俺がたらされるー!!あいつ俺に前までムチャクチャしつこかったし!!今日だって席隣でマジビビった!ずっと隣からぺちゃくちゃ喋るんだもんあいつ!俺が犯されるかも!!つか夏海よりぜってぇーやばいって!!(頭の中うるさい)



「ん?啓なんかあった?」


「えっ?」


汗まみれで息が荒くなっている(コレどう見ても不審者だろう)俺の顔を覗き込んだ。


「えっ、いや・・・何でもない・・・」


ここで言ったらますます陸が落ち込む。てか泣く。しばらく日が経ってからにしよ・・・。


陸の晴れない表情に俺も曇った。


これからどうしよう・・・。
















「啓〜♪」


出た。俺の天敵!!(昨日からだけどね)


「ねぇ〜??このプリント先生に頼まれたんだけどぉ〜??一緒配ろぉ〜??」


慣れてるのか、上手い上目使いでを見てくる。


「ゴメ・・・今、忙しいんだ」


俺は必死にシャープペンを動かして英語のノートに単語を書く。(逃げてるだけじゃん)


「も〜ぉ、てかさぁ〜啓って変わったよねぇ〜3年になってぇ〜」


「ハッ??」


「正確に言うとぉ〜2年の3学期くらい〜??前まで構ってくれたのにぃ〜そのくらいになってたらさなくなったって言うかぁ〜??」


俺の予言は思わぬ方向へ行った。


やばい・・・コレが全部陸の更生だとして俺が陸と付き合ってるってばれたら・・・



『てめぇ〜あたしの啓取ってんじゃねぇ〜よ!!』(ものすごい顔で)


『ふわぁぁぁぁあ!!?ゴッ、ごめんなさい!!啓とは別れますから!!』


とか言って・・・


『啓ってばやっぱたらしなおしてくれなかったの?もうお別れだね。バイバイ』(陸去る)



陸―――――――――――――――――――!!!!(BGM・失恋ソング)






とかなったらぜってぇー俺の人生狂う。




「啓〜??」


やぜらしく須加は俺の顔を覗き込んでくる。


「まさか・・・」


須加の表情は曇った。


「か・の・じょ、できたとか・・・?」


俺の顔は青ざめた。


その時、須加の目に炎が見えた。


「・・・できたのね?彼女??」


「えっ・・・ぇえ?!」


答えろ俺!!これ以上俺が苦しむこともない!!


『いるんだな、実は』と言え!!俺―――――!!












「いないよ」










俺のアホ――――――――――――――――――!!!!












「あ、そうなんだ♪じゃあまだ『たらし』でいてくれるよねぇ〜??」


「そっ、それは・・・!!」


「今日放課後遊ぼうよぉ〜♪」


「だっ、だめだ!!」


陸に殺される!!


「え〜ん??どうしてぇ??」


「い・・・引退試合近いから」(理由じゃなく言い訳)


「なぁ〜に言ってんの♪今日は外練だから早く終わるでしょ〜??」


ギクッ!!


「待ってるからねん♪」


そして俺に投げキッスをした。


俺は取り残された。
















また取り残された??


俺・・・どうすればいいの??



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