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第45話*傷つけたくないから

『不安だ』


俺が女子と付き合うことで悩んだのは初めてだったかもしれない。


多分、これからもないと思う。


好きじゃないやつにはきっぱり断るし、ちょっとでも良さげなやつにはOKした。


“そいつ”は、どちらにも入らなかった。


いや、入れられなかった。







『好きな人に言われても頑張れないし・・・』


それって、俺のこと?


その時、すっげー嬉しかった。


神崎が・・・俺のこと、そんな風に思っててくれたなんて・・・。


俺、神崎のこといいやつって思ってる。だから・・・





でも、付き合うことはできなかった。


いや、付き合ってはいけないんだ。




神崎が傷つくから。俺じゃ純粋すぎるお前を背負えない。


『たらし』な俺が、『男嫌い』なお前と付き合えるか?


純粋すぎるお前を見ているだけで汚れた俺はみじめに思える。


嬉しい顔を見たかったけど、辛い思いをさせるのが1番嫌だ。


『たらし』の俺じゃ、お前と長くは続かない。


白いままのお前を、黒く染め上げてしまうかもしれない。


断って辛い思いをする神崎を見たくない。


俺だって辛い。


でもよほど、OKして喜ぶ顔を見れても、別れを告げた時のお前の顔は見たくない。


だから・・・・




『お前と付き合うのは不安だ』





そう答えるしかなかったんだ。




お前のこと大切に思ってるけど・・・いや、好きなんだ。


でも、俺だとお前を傷つけずにはいられない。


ほかの男と、幸せになってくれよ。


俺は、1人で十分だから。
















俺は神崎を、深く傷つけた。


俺のせいで・・・『男嫌い』ひどくなったんだってな?


海にこっぴどく怒られたよ・・・。


ごめんな?神崎。


お前のこと好きだけど、この感情は伝えられない。






『お前のこと好きじゃない。だかっらって、嫌いってわけじゃねぇんだよ!!』





あの時、本当は『好き』って言いたかった。


俺の一言であいつが笑顔になれるなら、俺は喜んで優しい声をかけるよ。






神崎からもらったマフィンおいしかったぁ〜。


また食いてぇな・・・。





そういえばあいつ、放課後教室で寝てたよな。


『おはよう』


この言葉に努力してたもんな。


頑張ったもんな。


思わずジャージをかけてしまった。


思わず言葉が出てしまった。




『俺・・・お前のこと、守ってやれない。でも、好きだから』




あいつ、聞こえてたかな??





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