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第35話*啓の勘違い

啓の瞳はあたしの目を突き刺す。


「なぁ!?俺はお前のなんだったんだ?」


追い詰めたような目で啓はあたしに辛い視線を刺し続ける。


両肩をつかんでいる手にも力が入ってきた。


・・・かなり痛い。


「っ・・・た・・・」


すると、ハッとして啓は両手を離した。


「あ、ごめ・・・」


あたしは力が抜けてしゃがみこんだ。


「・・・分かんない」


「・・・え?」


「啓があたしの何だったか、分かんないやっ」


あたしは苦笑いで笑顔を作った。


啓の眉はよがんだ。


「何でもなかったのかもしれないね!何でも・・・」


あたしは啓から少しずつ離れた。


「待てよ・・・」


啓はあたしの左腕をつかんだ。


あたしの肩の高さであたしの手を見つめた。


「・・・」


少し間があったが啓の手の力が抜け、自然に腕が落ちた。


「陸・・・」


「え?」


「・・・やっぱ何でもない」


啓はとぼとぼと教室へ歩いて行った。


啓に見つめられた左手を見た。


その薬指には、きらきらきらめく啓からもらったエンゲージリング・・・。


「思い出したと・・・思ったんだけどな」


あたしの独り言は悲しかった。






あたしはずっと変われない。『男嫌い』だった時と同じ、待っている。


好きなのはあたしのほうなのに・・・何でこんなに変われないんだろう?


啓がほかの女子と話していたら、心がムカムカしてくる。


こんなあたし、なかったら・・・啓の記憶さえ戻せない。


1人で机にうつむいていることしかできない。


「りーくーさんっ!」


目の前に現れたのは海だった。


そういえば海ったらあたしのこと・・・。


急に顔が赤くなるのが感じた。


「うわっ!?そんな顔赤らめないでよ!俺まで恥ずかしくなる!!」


ふざけ半分でいうと海は顔を両手で隠した。


「バッカだなぁ・・・」


あたしは思わず笑って口に出した。


「・・・え?」


海は口をポカンと開ける。


「やっと陸、俺に本音出してくれるようになったなぁ」


「え・・・?」


「だって、いっつも見てて思ったよ。陸は無理してるって」


「あ・・・」


「だから放って置けないんだよなぁ・・・。お前のこと。今の笑顔も嘘じゃないし」


「嘘・・・??」


「だって、いっつも俺が見るときは陸の笑顔、固いんだもん。無理して笑ってる感じでさぁ・・・。今のは十分、陸の笑顔だよ」


成長したのか、海の座高はあたしのと同じくらいになっていた。


「ん?何で分かるかって??『愛の力』だよ♪」


海は歯を見せて笑った。


こんな海は初めてだった。


愛の力・・・??あたしでも出せるの??


「陸ちゃん、頑張ってみなよ。啓の気持ちは本当だと思うから」


あたしは啓を見た。


女子との会話で楽しそうな表情を見せているが心の底は笑ってない。


あたしには分かる・・・。これが、『愛の力』?


「陸ちゃんには分かるだろ?あいつが笑ってないの。心の底では。それが、『愛の力』なんだよ」


「っ・・・」


「お互い分かり合ってなくてもいいんだよ。すれ違ってもいいんだよ。だからぶつかり合うよう・・・頑張って!!」


ドンッ。


海はあたしの肩を強く押した。


「わっ・・・!!?」


あたしは啓のいる方向へとよろめいた。


正直、啓とは今話せない。あたし、分かるだけで何も変わってない。


でもっ・・・・



「って〜・・・。陸?どうした?」


見事、あたしは啓にダイブしていた。


「すっ・・・すいません・・・」


「っく、海の仕業だろ〜??大丈夫、後でしめとくから」


啓は口元をなめた。


「いっ、いいよっ!!むしろお礼言いたいぐらい!!」


あたしは両手を振った。


「え・・・?お礼?」


ハッ!!


あたしってば何てことを!?とっさの言い訳で気づかなかった!!


「いや・・・こけそうなとこありがとうと・・・」


「あ、俺??いーよ別に」


啓は顔をそらす。


「ほら、海が見てたら何て思うんだよっ、迷惑だろ?」


「え?」


あたしは凝固した。


「あたし別迷惑でも・・・」


「お前が迷惑しなくても、海に迷惑だろ?」


「・・・??何で?」



何で・・・海が迷惑?





「お前ら、付き合ってるだろ?」





「え?」




あたしは何も口に出せなかった。




投稿がかなり遅れました!!


啓の勘違い!いったい理由はなんなんでしょうか?


これからの展開が自分でも楽しみです!


感想・評価よろしくお願いします。

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