表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/57

第17話*元カノのコト

あたしの『男嫌い』は半端じゃなかった。


川崎以外の男子にも体が受け付けない。


顔を見るだけでも、目が合っただけでも、鳥肌が立ち、涙が出る。


仲が良かった北島でも、ほかの男子と同じ。


やだよ・・・。こんなあたしやだよ・・・。





放課後、あたしは屋上にのぼり空を眺めていた。


あたしはもう放心状態。何言っても無駄。


そよそよ吹く風だけが、あたしに抵抗する。


「陸」


声の主は真奈美だった。


「・・・何?」


あたしは体のどこも動かさず、声だけで反応した。


「啓のことで、話そうと思うんだけど」


真奈美の言葉と重なって、あたしの体はビクッと動いた。


「啓の断った事情も・・・聞いてほしいんだ」


正直言って聞きたくない。でも、聞かなければならないんだろう。


「分かった・・・話して」


そう言うと真奈美はあたしの隣に立って、空を見上げた。





「あいつには・・・中1の時は彼女がいたんだ」


傷つく話題から切り出してくる真奈美。


「その子、啓から告白されてね・・・。あたしは最初啓が遊びのつもりだと思ってたんだ。でも、逆だったんだね・・・」


「え・・・?」


逆??どういうこと?


「啓・・・本気で惚れてたんだ。でも、その相手が遊びだったみたい。付き合いは長かったんだけど別れを告げられて・・・啓、かなりショックだったらしいよ」


「それからもっとひどくなったんだ。啓の『たらし』癖は」


ひどくなったと聞いた瞬間、その元カノにあたしは恨みを感じた。


「そこらへんに女子がいると輪の中に入って会話し始めるし・・・女子にはみんな、よりかかっていくようになったんだ・・・」


「え・・・」


でも2年生になったらそこまで『たらし』はなかったような・・・。


「でもね、2年になったら何故かやわらいだ。構う女子も少なくなってたような・・・」


それって・・・あたしに構ってたから??


「てか、1番聞きたいことがあるでしょ、陸」


真奈美は真剣なまなざしで見つめてきた。

あたしは一瞬何のことか分からなかった。

でも、すぐに分かった。


「・・・その元カノの、名前・・・知りたい・・・」


あたしは『勇気』というものを振り絞った。


「それはね・・・・」


真奈美の眉はハの字に曲がった。


「陸の近くにいるよ」


あたしの近く??真奈美しかいないじゃん。


「違う!そういう意味じゃなくて、存在がよ」


「え??」


存在って、それも真奈美しか・・・、!!


真奈美もあたしの反応に気づいたみたい。

そして、ゆっくり口を開いた。




「夏海だよ」





夏海とはどういう意味??

対照的なあの2人が付き合ってたの!?

夏海が川崎の恋の遊び人だったの・・・??


読んでくださったかた、感想・評価よろしくお願いします。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ