突然の死から…
四、知らせ 「エドナは…まだ泣いとるのか?」
「うん」
「そうか…」
その時、ギムは深々と考えこんでいた。
それを、クリスはジッと見守る。
時々、ギムは何を考えているのかまったくわからなくなる。五年間、一緒に住んでいても。 ゴーン、ゴーン。 暖炉の部屋にある、これまたボロい大時計がなった。クリスが帰ってきてからすでに一時間が経過していたのだ。もう10時半……。 時計がなったとたん、ギムがゆっくりと立ち上がった。杖を持ち、
「行ってくる」
と一言だけいって家をでていった。 そのすぐあとに、タニスが台所からニュッと顔だけだす。
「ギム、散歩いったの?さっきまでそこで考え事してたんだけど…」
「たった今いったばっかりだよ」
タニスは、それ以上何も言わなかった。ギムは10時半になると、必ず夜の散歩にでかけるからだ。それは、去年の台風があった時以来ずっと続いている。 夕飯も食べおえ、暖炉の部屋には家族がみんないた。エドナとギムをのぞいて。
ここまで読んでくれて本当にありがとうございます。長いですが、最後まで書き続けたいと思っているので、よろしくお願いします。