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俺に二言は無い

この度遊びに来てくれましてありがとうございます


少しのでも楽しんで頂ければ幸いです

「ねえ一週間来てないけど陽谷君、奈巳邇さんと連絡とってる?」


 鯨崎と共に関が近づいて来ると自分の背後から声をかけつつ、隣の空席に視線を移す。


「いえ、自分も8日前病院で会ったのが最後ですね」

 

 自分が声を上げた直後いきなり北山が自身の椅子に座ったまま手を上げる。


「そんな事いったら俺と千里なんて二週間ぐらいあってないんじゃん。いやーー 元気してるのかなーー 奈巳邇っち」

「あの時は本当に命拾いしたからな。自分も一心と一緒に一言伝えたい」

「ふーん。でももしかしたらこのまま辞めちゃったりして」

「関隊員っ」

「それは困るっ!!」


 斜め前にいた坂田が立ち上がりながら声をあげると、時和がそれを宥め座らせる。少しばつの悪い表情を浮かべつつ彼は視線を横へと反らす。


「まだ、謝っていないからな。こんな状況で辞められても自身の気持ちが収まらん」

「うん。それは私もかわらないです」


 時和も面目なさそうに笑って見せる様子に自分は彼のいない机を見た。あの後も、様々な事がわかってきた。あの地下プラントを調べた所、行方不明の人と思われる白骨が砂の中から発見され、その中に藤堂とおぼしき骨もあったらしい。大木努の予想通り、彼は死亡していたのだ。いったいどういう経緯であの中にあるのかは不明であるが、人工ピエロの餌食になったのは間違いない。そんな彼の研究に関して、勝見氏は知らないようで、あくまでも、息子のピエロ化をどうにかしてほしいという相談を極秘にしていたという事。それに伴い公に出来る話しではない為、彼の言いなりのまま、資金や物資を提供していたらしい。また今回の事であくまでも『偶発的に』勝見がピエロになってしまい、その事が隊全員に周知されてしまった事で退職し、すぐさまコールドスリープにより深い眠りについている。いつかピエロ化を完治させる投薬が出来るまで眠り待つ事を勝見の母が決めたのだ。結局彼はプラントで話して以降目を覚ます事なく眠りについてしまった。そんな彼に寄り添うという事で前柿も隊を辞職し、彼を見守るという話だ。


(まあ藤堂のやった事は人としてどうかと思うけど、改良すればピエロ化の進行とかおくらせたり出来たのかもしれないな)


 ただ、そんな彼もこの世にはおらず、行方不明者の事情も聞けない。また地下のプラントには重要書類は全てなく、研究資料もあの時壊してしまった物のみだったようだ。なので彼の研究が実際どんな物だったのかは謎のまま。気になる事は山程あるが、これ以上は末端の自分達がどうこう出来る範疇では無い。


(それよりも今は、奈巳邇さんの事かな)


 不意に大木努の『辞めちゃうんじゃない』発言が脳裏に過り頭を思いっきり左右に振る。その時高色隊長が外から帰ってくると自室に戻り際、自分の名を呼ぶ。


「は、はい」

「今、本部行って来たんだが、そこで勝見邸の押収物が多く大変という話になって分担し調査資料作る事になってな。大量の荷物が届いてしまったんだが、奈巳邇だけだと大変だから手伝ってやってくれ」

「は、えっ、奈巳邇さんが本部に?」


 自分はすぐさま走り出し、車庫へと向かうと、台車に不服そうに荷を乗せる彼がいた。


「奈巳邇さんっ」


 息を切らし彼の前へと行く。


「電話出てくださいよ。音信不通って、このご時世でないですよ」

「ふん。デジダルデドックスだ」

「だからってっ、心配しました。そのーー 色々あったので……」

「…… そうだな。色々あった。だから一人で考えたかった」


 彼は手を止め、ボンネットに座る。


「アイツが…… 成美が最期に何を伝えたかったのか……」

「…… 答え見つかりましたか?」

「俺なりに考えに考えたが、答えはわからない。ただ俺の手を汚す事は拒んだ事はわかったけどな」

「自分は…… あの時ピエロが一緒に戦ってくれた時一瞬、いつものピエロと違う笑い顔したのを見てとても嬉そうに見えて…… 一緒に戦えて嬉しかったのかなって……」

「…… そうか……」


 暫く沈黙していた彼がいきなり高笑いをすると、自分を見た。


「そうかもな。少し腑に落ちた。陽谷も時たま良いこと言う」

「何ですか時たまって。それにしても自分達と対峙した後、どうしてあんな共闘したり、人の意識が戻ったような行動したんですかね」

「んなのわからねーよ。それこそそんなのは大木努の範囲だからな。そういやーこの前会った時、お前に以前より増して興味が湧いたと言ってたな」

「うーん。自分そんな興味持たれるような事してないんですけどね。って言うかこっちの連絡は無視して大木努さんとは連絡取ってるって、さっきの話と矛盾してませんか?」

「ばったりあったんだよ、成美の墓前に行った時に。アイツ成美と同級生だったから」

「そう…… だったんですか…… あ、あの」

「何だ」


 大木努の名前が出た事により、例の事がどうしても聞きたくなってしまった。


(このまま気にかけてても仕方がないっ、こうなったらっ)


「奈巳邇さん。隊辞めたりしないですよね? 今も本部に行ってたみたいですけど」

「は? 本部は成美の件の確認だ。それに今日から復帰だと高色知ってるはずだが」

「聞いてないですよっ」

「そんな事知るかっ、第一お前との約束あんのに辞めるわけねーだろ」


 その言葉に瞬時に胸が熱く、目頭に涙が貯まりそうになる。それを見られないように、視線を斜め前へと向ける事暫し。彼がニヤリと笑う。


「ガンガン鍛えないと俺と肩を並べる頃にはじーさんになっちまう」


 彼の久々の皮肉混じりの声に自分も笑って見せた。


「それは勘弁です」


 互いにニンマリと笑い合うと台車に荷物乗せ自分は台車を押し背後から彼がついてくる。


「そういえば坂田隊員がすごーく会いたがってましたよ」

「は、俺は会いたくねーし」

「それは無理な話しかもしれないですね」


 すると、ドアの出入口から面々がこちらへと歩いて来るのが見えた。背後から深い溜息が聞こえる。

「俺、今から帰るからよろしく」

「奈巳邇さん。思ったより往生際が悪いですね」

「うっせーー」


 すると踵を返し歩き出すと、自分を追い越し、北山が彼に飛びつく。それに追尾し、坂田達が奈巳邇へと向かう。


「何なんだっ!! お前等、ぶっ揃って!!」

「照れてるの奈巳邇っち」

「ちげーよ。相変わらず北山っ、お前どういう頭の回路してんだよっ」

「頭にきてしまうのも理解出来るが、少し落ち着け」

「坂田お前が言うなっ」

「おーい陽谷君、君のバディまたキレてるけどどうにか出来ない?」


 関の言葉にクスリと笑う。


「自分だって無理ですよ」


 そう言い、彼等の輪に飛び込んで行った。


読んで頂き有難うございます


これでひとまず完結です

最後までお付き合いして頂き感謝です

この作品がこれからも多くの人の目に留まり

読んで頂ける事を願っています

またこの作品も含め反響諸々等踏まえて続編掲載

出来ればと思っておりいます


引き続き

星、いいね!、感想(どんな些細なのでも構いません)

頂けると非常に有難く、励みになります

もし宜しければ聞かせて頂ければ幸いです

またワンオペ作業の為、誤字脱字諸々有り読みにくい事があるかと思いますが

その際はお知らせ頂けるとありがたいです


ではまたお会いする日を楽しみにしています&これからもよろしくお願い致します

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