2-2 理論の対立
「教授、見てください!水は単一元素ではありません!二つの異なる元素の組み合わせなのです!」
隆は興奮して実験結果を説明した。しかし、マーカス教授の反応は冷ややかだった。
「君は何を言っているのかね?水は水だ。太古の昔から変わらぬ水の元素だ」
「でも実際に分解できました!そしてまた合成もできます!」
隆は実験を再現して見せた。水が泡立ち、二種類の気体に分かれる様子を。
マーカス教授は困惑したが、頑固に首を振った。
「これは……何かの錯覚だろう。水の元素が一時的に変化しているだけだ。根本的には水は水なのだ」
「いえ、違います!物質の最小単位は原子と呼ばれる粒子で、それらが組み合わさって分子を作るんです!水は水素原子2個と酸素原子1個でできているんです!」
教授の顔が赤くなった。
「ばかばかしい!そんな目に見えない粒子の話など、何の証拠もない空想だ!君は魔法学院で何を学んでいるのかね!」
その時、実験室の扉が開いて数人の生徒が入ってきた。エリーザもその中にいた。
「あら、田中さん。朝早くから実験を?」
「エリーザさん、見てください!」
隆は再度実験を行った。水が分解され、二つの気体が発生する様子を、今度は複数の証人の前で実演した。
生徒たちは驚愕した。
「水が……分かれた?」
「こんな魔法見たことない……」
「これって、水魔法の新理論?」
しかし、マーカス教授は激怒していた。
「みんな騙されてはいけない!これは正統な魔法理論に反する邪道だ!田中君、君はもう一度基礎から学び直す必要がある!」




