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1-4 新たな仮説

その夜、隆は自分の部屋で一人考え込んでいた。


今日の出来事で分かったことがある。この世界では、現象に対する「理解の深さ」が直接魔法の威力に影響する。四元素説よりも原子論・分子論の方が現象をより正確に記述しているから、より強力な魔法が発動したのだ。


「ということは……」


隆は興奮を抑えきれなくなった。


もしも量子力学や相対性理論をこの世界で適用できたら?電磁気学や熱力学を魔法として使えたら?


現代物理学の知識すべてが、この世界では最強の魔法理論になり得るのだ。


「でも慎重にやらないと……今日みたいに暴走したら大変なことになる」


隆は手帳を取り出し、実験計画を書き始めた。


実験1:水の電気分解(H₂O → H₂ + O₂) 実験2:金属の精錬(酸化物の還元) 実験3:電磁誘導による雷魔法 実験4:量子もつれによる遠距離通信


リストは延々と続いた。物理学者田中隆の異世界での挑戦が、いよいよ本格的に始まろうとしていた。


窓の外では、この世界の二つの月が静かに輝いている。地球とは違う天体配置を見ながら、隆は思った。


「この世界の物理法則はどこまで地球と同じなんだろう?重力定数は?光速は?プランク定数は?」


答えを見つけるためには、実験するしかない。


明日からが楽しみだった。

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