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9-1 最終装置の完成


決戦の日から三日前、隆たちは学院の最深部で最終準備を行っていた。管理者システムを破壊するための大規模核融合装置——それは人類が作り上げた最も危険で、最も美しい機械だった。


「核融合炉の磁場コイル、調整完了しました」


ルナが精密な魔法制御でプラズマ封じ込め用の磁場を調整している。現代物理学と魔法技術の完璧な融合だった。


「量子フィールド安定化装置も正常です」


セレナが空間魔法で量子場の歪みを監視している。


「でも、本当にこれで管理者のシステムを破壊できるんでしょうか?」


エリーザが不安そうに尋ねた。


「理論的には可能です」


隆は装置の最終チェックを行いながら答えた。


「管理者のシステムは、この世界の量子場と次元間エネルギー抽出装置を繋ぐ巨大なネットワークです。そのエネルギー閾値を上回る量子波動を発生させれば、システムが過負荷を起こして停止するはず」


「『はず』というのが気になりますが……」


ヴィクターが苦笑いした。


「まあ、実験というものは常に未知への挑戦ですからね」


学院長が装置の魔法増幅器を調整していた。


「しかし、これほど大規模な実験は前例がない。何が起こっても不思議ではないぞ」


「分かっています。でも、やるしかありません」


隆は核融合炉の中央制御部に手を置いた。ここに重水素と三重水素が充填されている。一歩間違えれば、この大陸全体を吹き飛ばすほどのエネルギーが解放される。


「みなさん、最後に言っておきます」


隆は仲間たちを見回した。


「この実験は非常に危険です。失敗すれば、僕たちは確実に死にます。今からでも遠くに避難することを……」


「田中さん」


ルナが隆の言葉を遮った。


「私たちはもう、何度も同じ話し合いをしました。答えは変わりません」


「そうです」


エリーザが続く。


「この実験が成功すれば、世界中の人々が本当の自由を手に入れられる。失敗したとしても、少なくとも管理者の思い通りにはさせません」


セレナが隆の肩に手を置いた。


「7回も同じ絶望を味わうのはもううんざりです。今度こそ、終わらせましょう」

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