8-6 最終決戦への準備
翌朝、隆は全員を集めて管理者との遭遇を報告した。
「つまり、もうあまり時間がないということですね」
ルナが緊張した表情で言う。
「ええ。でも、彼らが直接介入してきたということは、僕たちが核心に近づいている証拠でもあります」
隆は新しい計画を説明した。
「管理者のシステムは、この世界の量子場と直結しています。それを破壊するには、より大規模な核融合反応が必要です」
「しかし、大規模になれば制御も困難になる」
ヴィクターが警告する。
「分かっています。だからこそ、みんなの力が必要です」
隆は仲間たちを見回した。
「僕一人では制御しきれません。ルナさんの精密制御技術、セレナさんの空間魔法、エリーザさんの安定化能力、ヴィクターさんの量子理論、学院長の統合魔法……みんなで協力すれば」
「危険すぎます」
学院長が首を振る。
「失敗すれば、学院どころかこの大陸全体が……」
「でも、やらなければ永遠にリセットが続きます」
隆は決意を込めて言った。
「僕は……この世界の人々を自由にしたい。管理者の実験場ではなく、本当の自分たちの世界にしたい」
長い沈黙の後、ルナが最初に立ち上がった。
「私も、田中さんと一緒に戦います」
「私もです」
エリーザが続く。
「セレナさんも?」
「もちろんです。7回も同じことを繰り返すのはもううんざりです」
ヴィクターと学院長も頷いた。
「では……最終作戦を開始しましょう」
隆は核融合の最終実験計画を黒板に書き始めた。それは人類史上最も危険で、最も希望に満ちた計画だった。
成功すれば世界は自由になる。失敗すれば……
隆は深呼吸した。物理学者として、人として、この世界で愛する人々を得た者として。
最後の戦いが始まろうとしていた。




