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6-1 異世界からの訪問者

それは深夜の実験室で起こった。隆が一人で量子魔法の安全性について研究していた時、突然空間が歪み始めた。


「何だ、これは……?」


空気がざわめき、実験室の一角に小さな裂け目が現れる。そこから淡い光が漏れ出し、やがて人の形をした影が姿を現した。


「ようやく……戻って来られた」


現れたのは、40代ほどの痩身の男性だった。ローブは古い様式のものだが、瞳には深い知性が宿っている。


「あなたは……まさか」


隆は学院長から聞いた話を思い出した。


「私の名はヴィクター・クォンタム。君の『先輩』にあたる者だ」


ヴィクターと名乗った男は、疲労困憊の様子だった。


「100年間、量子的な空間に閉じ込められていた。君の実験の波動を感じて、ようやく帰還できたのだ」


「量子的な空間?」


「そうだ。量子魔法を極めすぎた結果、現実と非現実の境界に迷い込んでしまった」


ヴィクターは実験台にもたれかかった。


「君に警告しに来たのだ、田中隆。君の名前は知っている。この世界の『管理者』たちから聞いた」


「管理者?」


「この世界は……実験場なのだ」

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