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5-5 副作用の発覚
その夜、隆は自分の部屋で休んでいた。量子力学の魔法は成功したが、体に奇妙な違和感があった。
「おかしい……自分の存在が安定しない感じがする」
鏡を見ると、時々自分の姿がぼやけて見える。量子状態の魔法を使った副作用かもしれない。
コンコン、とドアがノックされた。
「田中さん、大丈夫ですか?」
ルナの心配そうな声だった。
「ルナさん?どうしました?」
ドアを開けると、ルナが青い顔をして立っていた。
「あなたの存在が……時々消えかけて見えるんです」
「やはり……」
隆は事態の深刻さを理解した。量子力学の魔法は強力すぎて、使用者の存在そのものを不安定にするのかもしれない。
「セレナさんも呼びましょう」
三人が集まって相談した結果、量子魔法の使用は一時停止することにした。
「もっと安全な方法を見つけるまでは、危険すぎます」
セレナの提案に隆も同意した。
「でも、これで分かったことがあります」
隆は興奮を抑えきれなかった。
「この世界の『魔力』の正体は、量子場に対する操作能力なのかもしれません。だから、量子力学の理解が直接魔法の威力に繋がる」
「つまり、この世界は量子力学的な基盤の上に成り立っているということですか?」
「その可能性が高いです。四元素説は表面的な分類に過ぎず、真の魔法理論は量子力学にあるのかもしれません」




