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5-4 量子トンネル効果

「最後に、量子トンネル効果を試してみましょう」


隆は実験室の壁の前に立った。


「量子力学では、粒子は乗り越えられないはずの障壁を『トンネル』して通り抜けることがあります」


「まさか……壁を通り抜けるつもりですか?」


セレナが心配そうに見る。


「理論的には可能です。自分の存在を量子的な波動として捉え、障壁の向こう側に存在する確率を高めれば……」


隆は深呼吸をし、自分の体を波動として認識しようと試みた。物質的な存在ではなく、確率的な波として。


「危険すぎます!失敗したら……」


ルナの制止を振り切り、隆は壁に向かって歩き始めた。


そして——


隆の体が壁を通り抜けた。


「信じられない……」


壁の向こうから隆の声が聞こえる。しばらくして、隆は扉から戻ってきた。


「成功しました。量子トンネル効果による物質透過です」


「でも、今のは非常に危険でした。計算を間違えていたら、壁の中で物質化してしまう可能性も……」


隆は冷や汗をかいていた。確かに危険すぎる実験だった。

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