22/59
4-6 新たな同盟
学院の屋上で、隆たちは息を整えていた。
「セレナさん、ありがとうございました。でも、なぜ助けてくれたんですか?」
「私も……伝統に縛られることを嫌っているからです」
セレナの表情は複雑だった。
「実は私は、純血魔法師協会の一員でした」
「え?」
「でも、彼らのやり方に疑問を感じて……今夜、完全に決別しました」
セレナは隆を見つめた。
「田中さん、あなたの理論は正しい。私にもそれが分かります。だから……私も仲間に加えてください」
隆は迷った。彼女の正体はまだ謎だらけだ。しかし、今夜助けてくれたのは事実だった。
「分かりました。でも、これからは非常に危険になります」
「覚悟の上です」
ルナがセレナを見つめる。
「影魔法……伝説の魔法ですね。どこで学んだんですか?」
「それは……いずれお話しします」
セレナの答えは曖昧だった。
こうして、隆の研究チームに新たなメンバーが加わった。しかし同時に、敵も増えた。
学院の向こうで、純血魔法師協会の本格的な動きが始まろうとしていた。
「これからが本当の戦いです」
隆は夜空を見上げた。二つの月が不安そうに揺らめいている。
物理学の革命は、予想以上に険しい道のりになりそうだった。




