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4-2 電磁誘導の応用
「これが電磁誘導です」
隆は金属製のコイルを作り、その中で磁石を動かした。するとコイルに電流が流れ、小さな光が灯る。
「磁力を変化させることで電気を生み出せます。そして逆に、電流から磁力も生み出せる」
「つまり……電気魔法と磁力魔法は同じ現象の表と裏?」
「その通りです!」
隆は興奮を隠せなかった。ルナの理解力は本当に驚異的だ。
「さらに、電磁波という概念もあります。電場と磁場が相互に変化することで、空間を伝播する波動が生まれる」
「波動?」
「光もその一種です。可視光線、赤外線、紫外線……これらはすべて電磁波の一種なんです」
隆は簡単な実験装置を作った。電流の振動によって電磁波を発生させ、離れた場所の受信装置でそれを検出する。
「これは……通信に使えますね」
ルナの洞察に隆は驚いた。
「そうです!電磁波を使えば、遠距離での瞬間通信が可能になります。魔法による通信よりもはるかに効率的で、正確です」
「田中さん、あなたの知識は本当に……この世界を根本から変えてしまいます」
ルナの表情は興奮と同時に、どこか不安を含んでいた。