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2-5 錬金術の革命
翌日、隆とルナは学院の錬金術実習室にいた。そこには鉄鉱石のサンプルがあった。
「鉄鉱石の主成分は酸化鉄……Fe₂O₃です。これを炭素で還元すれば」
隆は化学反応式を頭に思い浮かべた。
Fe₂O₃ + 3C → 2Fe + 3CO
「酸素が炭素と結合して一酸化炭素になり、純粋な鉄が残る……」
隆とルナは協力して魔法を発動した。隆が反応の仕組みを理解し、ルナが精密な魔力操作を行う。
鉱石が赤熱し、内部で化学反応が進行する。そして——
「できました!」
残ったのは、これまで見たことのないほど純度の高い鉄だった。不純物が完全に取り除かれ、美しい金属光沢を放っている。
「信じられない……これほど純粋な鉄は見たことがありません」
ルナが興奮して声を上げる。
「原子レベルで反応を制御できれば、どんな金属でも純粋に精錬できます。金も、銀も、白金も」
「田中さん、あなたの知識は……この世界を変えてしまいます」
ルナは真剣な表情で隆を見つめた。
「でも、気をつけなければなりません。急激な変化は、必ず反発を生みます」