NO推理、NO探偵?
⚪︎評価
1/10 点
⚪︎あらすじ(ネタバレ)
ワトソン役の主人公取手ユウは、名探偵美智駆アイそのものが好きで、くどい推理に不満を抱いていた。
ある日、事件の犯人に催眠術をかけられ、推理ができなくなってしまい、名探偵アイは推理なしで事件の解決を余儀なくされる。
日常の謎編。
メタ発言を繰り返すユウとアイが自撮り棒で写真を取ろうとしていると、二人の少年が通り過ぎる。その一人が戻ってきて、二人を見つめる。
地面には何故か、光る石が等間隔に置かれている。ユウは、これを今回の事件として定める。
男の子が戻ってきて、等間隔の石の続きに、石を置く。犯人がわかったので追う。理由を聞くが教えてもらえない。
数日後、二人の少年を見つけ、スーパーに入る。少年を追うが、試食の「おばちゃん」に捕まる。「おばちゃん」はメタ発言をする。
少年には追いつけず店を出るが、少年が外で雨宿りしているところに遭遇。
父親は死んだらしい。少年は去っていく。
数日後、公園で救急車の音。担架には例の少年。空を飛んで父親に会いにいくつもりで、木から飛び降りたらしい。
少年の目的は空を飛ぶこと。光る石は滑走路。
アイは空を飛ぶ気分を体感させるため、自撮り棒で風景を撮影。少年は高い視点の動画で、鳥の感覚を味わった。
アクションミステリー編。
空から人が落ちてくる。二人の真上からジオラマの上へ。
金髪の男は「このままではブラックスワンが」と言い残し気絶。
三階の窓に人影を見たが、救急車を優先。三階に向かうが、すでにもぬけのから。
少年はブラックスワンに所属。敵対組織ヘイトフルフォッシルによって突き落とされたとみられる。
敵対組織はゲーセンにたむろしている。敵対組織をボコす。ヤンキーの内一人がメタ発言。
旅情ミステリー編。
アイの兄から電話。埼玉で殺人。
死亡推定時刻は午後七時から八時。七時前に橋下にいくのを見た人。それ以外の人は見てない。
各地を巡る。当日の被害者の発言から、ご当地プリクラを撮影したと推理。そこから警察が犯人逮捕。
犯人は芸能人で、そこを舞台にしたドラマを撮影する予定だった。行く先々での証言は、そのドラマについても含まれていた。
エロミス編
街の有名人の家で女の死体。娘は同級生。
容疑者に対して「犯してん♡」という文字を見せて反応を見る。この文字は「犯にん」に見えるので、反応した奴が犯人。
安楽椅子探偵編
突如襲われ、目が覚めたら椅子に縛られている。今までの事件を、偶然に頼らず推理出来ることを証明していく。
二人を襲った犯人の推理。
動機は「自分が小説の登場人物だと自覚している」かつ「この小説が新人賞に応募する原稿でまだ本になっていないと思っている人物」。その人物は、日常の謎編に出てきた「おばちゃん」だけ。もう小説になっていることを理由におばちゃんを説得し、完結。
⚪︎感想
軽薄でメタな文体と、メタなオチ。メフィスト賞らしい一作。メフィスト賞が好きな私でも、度が過ぎていると感じるので、普通のミステリー好きが読めば噴飯物だろう。
あらすじを書くのすら苦痛で、途中は適当にまとめた。
新人賞でしかできないネタだが、そもそもそのネタが面白くない。
読む価値なしの駄作。