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作者の言葉
序文、
わたしが今更云うことではないが
この世で知らぬ者がいないほど
著名でいくつもの功績を残し、
神学会の建物には彼の像が我々を迎えてくれる。
そう、アルカディの初代皇帝フィリアの事で
最近、彼の父親の代からの召使いの日記が
あの時代のものだと魔技学によって判明された。
あの日記は随分前から権威ある学会から
存在そのものを否定されていたが
今回の件で大凡覆されたといっても
過言ではないだろう。
私はこの日記や今までの歴史学者の
考察を吟味し加えて
(彼)という人となりを書けたら、、
と思う。
神学大聖堂の真ん中に建っている
彼をモチーフした像。
誰の亡骸を抱いているのか
彼は泣いているのか、それとも、、
親愛なる読者諸君には
その物語を私と一緒に旅をしてほしい。