【第八話】女神様から神託が…(サラ:ステータス表示あり)
今日も依頼を受けに行こうと思う。またいい依頼があるといいなぁ。
『お主はいつまで妾を待たせるつもりじゃ!そろそろ、もふもふに加護を与えよ!』
うぉっ!…女神様か…。びっくりさせないでくださいよ。
オレもなかなか、もふもふに会えずにいるんですよ。しょうがないでしょう?
『何を言っとる。ここは獣人の街じゃぞ?獣人も立派なもふもふじゃ。この街の人全員に加護を与えるのじゃ!』
…そ、そうだった…!こんな楽園のような場所にいるというのに!
ってことは、サラも獣人なのかっ!?…でも、どうやってバレずに加護を与えよう?
まだ寝てるかな?寝てる間ならいけるか?ってか…じょ、女子の部屋に入っていいのか?
『いいのじゃ、いいのじゃ。もふもふのためならなんでもいいのじゃ!』
良くねぇよっ!
『妾に逆らう気か?』
でも、オレは男子だぞっ!そんくらい気にしてくれよ!
『あ、そうじゃった。』
おいっ!なんだよっ!オレが男だってんの、忘れてたんかよっ!いくらなんでも酷すぎんだろっ!!オレ、泣くぞっ!!!
『まあまあ。お主が男だろうと関係ないのじゃ。バレてもいいから早く加護を与えるのじゃあーっ!』
結局、俺のことはどうでもいいのかよっ!
まあ、もふもふのためなら、そんくらいどうってこともないけどぉっ!
よしっ!決めた!オレはもふもふのためなら命をかけるっ!男とか関係ないんだ!
勇気を出せ!エイト…いや、田中瑛人ォ!!
そうやって自分の士気を高めて、震える手をドアノブにかける。
ガチャ
「ひゃっ!?」
ドアをあけた瞬間、俺の目に入ったのは人間にはないはずの…!
「ケモ耳ッ!」
そう。サラの髪と髪の間からタヌキのような可愛い、丸い耳が覗いている。
よく見てみるともふもふの、丸いしっぽまでっ!
やっぱり獣人だったんだな〜。
「なにじっと見てんのっ!」
ボフッ
ん?なんか顔に投げられたな…。…いい匂い…。ってオレは何思ってんだッ!
あ、美が付くほど可愛い少女をじっと見てたら変態だよな…。
はっ!加護ッ!もうサラにはバレてもいいかな…?女神様?
『まあ、サラという獣人ならいいのじゃ。』
おけです!ではやっちゃいます!
……どうやって加護を与えれば良いんですか?
『え〜と?なになに?対象に触れながら、加護を与えよと言うらしいのじゃ。』
触れる…触れるっ!?え、あっ触れなきゃいけないの!?
別にオレは良いんだけどさぁ!サラが嫌がるじゃん!?
「…べっ、別に私は良いけどっ!」
「え?」
「声に出てたよっ!触れたら加護が貰えるんでしょ?」
うっわぁ。マジかよっ!じゃあ、オレが触れるのは良いって言ったのも聞こえてたのねっ!?
あぁぁぁぁぁぁっ!!人生終わったぁっ!!!
「ねぇ、早くしてよ!」
「み、見捨てないのか…?こんな変態なんて家に置いて置けないだろ?」
「私が気にしない人で良かったね。別に見捨てたりなんてしないよ。」
神ッ!!オレ、ここで見捨てられたら、もふもふを助ける旅に行けないもんね!よく分かってるぅ!一緒にもふもふを助ける旅に行こうぜ!
って、今は加護を与えるんだったな。
「じゃ、じゃあ触らせてもらいます…。」
もちろんオレが触ったのは…耳だ!もふふわで気持ちいぃ〜。
そして…!
「加護を与えよっ!」
あぇ!?ピンク色の光にサラが飲み込まれちゃったよっ!?
あわわっ、オレ、失敗しちゃった!?
『落ち着け、エイトよ。今、加護を与えているところなのじゃ。うるさくて集中できん。』
あ、ハイ。すんません。サラは無事なんですよね?
『うむ。そうじゃ。もうじき終わるぞい。』
そう女神様が言うと、さっきまでサラを包んでいたピンク色の光が、徐々に消え始めた。
見た目は…変わっていないな。そもそも加護って何か手に入る的なやつ?スキルとか。
『それは妾もよく分からんのじゃ。ステータスを見てみれば分かるのではないのか?』
あ、そか。ステータスって…
『他の人のもステータスオープンと言えば見れるのじゃ。』
そうだったな。じゃあ…失礼します。
「ステータスオープン。」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
〈名前〉サラ
〈性別〉女
〈職業〉テイマー
〈レベル〉35
〈スキル〉テイム、ヒール
〈従魔〉ラビット、ケットシー、ハムスター
〈HP〉370→670(up)
〈MP〉260
〈力〉100
〈素早さ〉240→540(up)
〈器用さ〉420
〈守備力〉15000(new)
〈加護〉女神マーシャの加護
---------------------
なっ!守備力がいち、じゅう、ひゃく、せん…15000!?
これ、攻撃しても効果ないんじゃないか?
しかも、HPと素早さも300ずつ上がってるし…。
…あ!生きるためのステータスしか上がっていない!生き残るための加護ってわけだな。
それにしても強すぎんだろ!オレもほしい〜っ!
女神様!オレが死んじゃったら意味ないでしょ?守備力だけでもいいからステータス上げてくださいっ!
『確かにそうじゃ!』
ムフフ。女神様チョロい。
『なんだと!妾をチョロいだなんて!お主にはくれてやらん!』
あーあ。やっちまった。ま、いっか。前にもスキルもらったしね。もふもふには、使ってないけど。
『使わないと返してもらうのじゃ。』
え、ヤダ。もふもふにも使いますよ。今日、この街の人全員に加護与えるので、その時にね?女神様?だから奪わないでくださいね?
『(奪うも何も、元は妾のものじゃが…。)分かったのじゃ。ちゃんと今日、加護を与えるのじゃぞ〜。』
あ。女神様行ったかな?良かった。洗浄はオレにとって、無ければ生きていけない存在になっちゃってるからな。
よし!気合い入れて加護与えに行くぜ!
一言で良いので、コメントよろしくお願いします!ブックマーク、いいねもよろしくお願いしまーす!