【第六話】もふもふ好きな人と出会う②
「…どこに泊まっているのですか?家があるのですか?」
あれ?もしかしてこの流れ…!
「今は宿に泊まっているけど…。」
「…もしよければ、私の家に泊まりますか?」
キターッ!…でも、タダではないよね?
対価が店を手伝うってこと?安すぎん?
オレにとっては問題無しだけど。ってかこれ以上いいところないと思うけどっ!
「どっちなのですか?泊まるか、泊まらないか。」
もちろん…
「泊まらせていただきますっ!」
「…」
あぁ。引かれちゃったぁ…。
すごい嫌そうな顔してる…。
確かに異性の家に泊まるってのに、興奮してたら変態だと思われるよね。やっちまったぜ。
これは誤解を解かなければ。
「あ、あの?もふもふと会えるからオレ、興奮しているんですよ?決して邪な考えは抱いていませんよ?」
明らかにホッとしたような顔、しないでくださいよ?
「…それならよかった…こほん。じゃあ、私の家の中にご案内します。ついてきてください。」
ゆったりもふもふ亭の二階はなんだろって思ってたけど、家だったんだね。
…あと、それならよかったって聞こえてますよ?すごく傷つきますよ?
「ここが寝室です。」
ザ・シンプルだな。木製のベットに、壁は白色で、ベット以外に家具はない。
オレはシンプルの方が好きだから、良かったな。
「次、行きますよー。」
その後、キッチン、トイレ、お風呂場とサラさんの私室を案内してもらった。
…サラさんって言いにくいな。サラでいっか。
私室っていっても、オレも入っていいそうだし、作業部屋と言った方がいいだろう。
大きい机が一つあるだけだしね。サラも店のことをするときに部屋を使うって言ってたしな。
そして、ちょうど一つだけ空き部屋があったので、オレはそこに泊まらせてもらうことになった。
ただ、気になっていることが一つあるんだが…
「ねぇ、サラ。タダで泊まらせていただくわけには…。」
「サラって、なんで急に呼び捨てなのですか?」
あ、まちがえて言っちゃった。テヘペロ
ま、良いっしょ。
「別に良いでしょ?」
「ま、まぁ。じゃ、私もエイトって呼び捨てで呼ぶわね。」
「ああ。で、泊まらせていただく対価は?」
意外とすんなりと受け入れてくれたな。喋り方もくだけたし。
しかもなんか、オレも呼び捨てで呼ばれることになってるし。ま、いいけど。
「え?そんなの決まってるじゃない。お店の…」
「それだけじゃないでしょう?」
オレはそれだけで済むならお安い御用だけど。
「えっ?お店の手伝いだけでいいよ?」
いや。それだけだったらオレだけ利益が多すぎるんだ。
…ま、でもいっか。サラがいいって言ってくれてるんだしな。
「ん。分かった。」
「とりあえず、今日は遅いからご飯作るね。出来たら呼ぶから。」
どうやら、家事もやってもらえるらしい。
本当にサラに出会えて良かったな。
これも依頼のおかげ…そうだ!依頼!!報酬、もらいに行かないと!
「サラー!依頼の報酬、ギルドにもらいに行ってくる!」
「え?もう7時だよ。ギルド、やってないよ?」
あ、こっちにも時間ってあるんだ。24時間あるのかな?
って、そうじゃなくて。ギルドってずっとは、やってないの?
あとでサラにここら辺のこと、教えてもらうか。
「そうなんだ。教えてくれてありがとう。」
オレがにっこりと笑いながらそう言うと、サラのほおがほんのり赤くなったような気がした。
…電気のせいかな?うん。そうだな。そうとしか思えん。
やることがなくなったので適当に部屋でゴロゴロしていた。
「エイト!ご飯できたよ。」
どうやらご飯が作れたようだ。といっても中華っぽい、いい匂いがしてたから、もう少しかなって思っていたところだ。
リビングに行ってみると、餃子、麻婆豆腐、小籠包があった。
正確に言うと、餃子、麻婆豆腐、小籠包のような見た目のものがあった。
サラは、ギーザ、マードウ、ショーロンポーって言っていた。なんで小籠包だけ、そのまんまなんだろうね。
料理の感想を言うと、絶品だった。美味しすぎた。
日本でいう、五つ星レストランで出てきそうな美味しさだった。食べたことないから知らんけど。
この世界のことをサラに聞いた。
まず、この世界は東、北、南、西の4つの大陸に分かれている。
で、ここは東の大陸らしい。面積は北の大陸が一番広くて、南の大陸が一番狭いそうだ。
現在、南と西が戦争のようなものをしているらしい。
その影響で、食料が不足していたり、魔物が減っていたりするらしく、もふもふも減っているということらしい。
そういえば、もふもふを助ける旅に出なきゃいけないけど…。サラも付いてきそうだな。
まぁ、そのときはそのときで、またサラと相談しよう。
サラから聞いた話はこんな感じだ。
みんな詳しくは知らないようで、サラでも知っているほうらしい。
これは地道に情報を集めていくしかないな。
そう思いながらオレは、深い眠りについたのだった。
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