【第三話】街へレッツゴー!
2月23日 あお様から、描写を細かくした方が良いというご指摘を受けましたので、少し変えました。
森から抜けたいんだけど、ここがどこかもわからない。どうしよ…。
カサカサ
え、ちょい待ち。いきなり魔物とかアリか!?
武器は……ないなぁっ!?ちょ、女神様〜武器くらいくださいよ〜。
ガサガサ
…あぁ、もうオワタ…。女神様すみません。オレ、もふもふ1匹さえ助けることができませんでした…。
オレは仰向けに寝転がり、空を見上げた。
真っ青で綺麗だなぁ…。
ガサッ
「あなた、ここで何してる?」
魔物が出てくる代わりに、少女の呆れた声が聞こえた。
魔物、じゃなかったのか…。
「ねぇ、どこか怪我してる?…それとも、言葉が分からない?」
心配そうにこちらを覗いてくる。髪はフードでかくれているが、目は青色だ。…結構かわいいな。
ってそれどころじゃない。心配してくれてるんだから。
「あぁ、魔物だと思っていたから、安心していただけだよ。…オレの言葉、通じてる?」
「…通じてる。それより、ここは危険。早く街へ行こう。…あなたはどこから来た?」
……転移してきたとは、言わない方がいいよな。
「ちょっと遠い、田舎の方から来たんだ。」
「…そう。街はこっち。私に着いてきて。」
なんか、ちょっと残念そうだな。もしかして、誰かを探しているのか?
そういえば、名前聞いてなかったな。
「君、名前なんていうの?」
「私の名前?私の名前は、ミーネ。」
ミーネ、か。
「じゃあミーネ。これから行く街は…」
「グォーーッ!」
クマが…ってあれは魔物!?
「あっちの木に隠れてて!」
「あ、あぁ。」
ミーネって、強いのか? 大丈夫か…?
そんなオレの心配は杞憂だった。
大人でも尻込みしてしまいそうな巨大な魔物を、腰に帯刀していた短剣で
踊るように切っていった。
葉が彼女を取り巻くように、散っているように見える。
いや、葉が彼女を取り巻くように、散っている。
そう。ミーネは、木々の葉も切り刻みながら魔物と戦っているのだ。
オレは思わず、彼女の華麗な戦闘に、目を奪われていた。
気がついたら戦闘は終わっていた。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
やっと森から抜け、街が見えてきた。
あのとき以来、魔物は出てこなかったので安全だったが、心の中には、ミーネのあの華麗な戦闘をまた見たかったと思う自分がいた。
「そういえば、ギルドカードとかって持ってる?」
そんなものはなかったはず…
まず、そんなものがあんのか!?
黙っているオレを見て、持っていないと判断したのだろう。
「街に入るためには銀貨が必要。これあげる。」
そう言って、オレの手に銀貨2枚を置くと、走り去っていった。
…とりあえず、街に入るか。
人が並んでいたので、オレは最後尾に並んだ。
10分くらい待ち、オレの番が来た。
「次の人ー。あんた、見ない顔だな。ギルドカードか、住人カードは持ってるか?」
「持ってないです。遠い田舎から来たもんで。」
「では、街に入るための入市税で、銀貨1枚が必要だ。持っているか?」
あれ?2枚じゃなくて1枚でいいの?残りの1枚は…生活に困らないようにってことかな?
ありがたく貰っておくか。
チャリン
「獣人の街へようこそ。ごゆっくり。」
ん?今、獣人の街って言わなかった?
獣人って、もふもふが人型になっている、あの可愛い子たちだよね?
この子たちも保護したほうがいいかな…?
っとその前に、まずは宿だな。……銀貨1枚で泊まれる宿ってあるのか?
そもそも、この世界のお金の価値観が分からん。
街の人に聞くか。
「すみません。遠くから来たのでここら辺のお金の価値観を知りたいんですけど…。」
「おかね…? かちかん…? なんだいそれは。」
そうか、この世界では銀貨とかだったな。価値観も知っているわけないか。
「お金とは、銀貨とかのことです。銀貨1枚って何が買えますか?」
街の人に聞いたところ、お金の価値観は以下のようだった。
まず、この世界のお金は金貨、銀貨、銅貨と、この3種類がよく使われているようだった。
これ以上の価値があるものも、あるにはあるそうだが、見たことがないと言っていた。
金貨は、日本のお金でいうと10,000円で、銀貨は、1,000円、銅貨は、100円くらいだ。
宿は大体、銅貨7枚で泊まれるそうだ。高級だと、金貨1枚のところもあるらしい。
ピンキリってやつだな。
食料でいうと、野菜はだいたい銅貨2枚、肉は魔物からよく手に入るらしく、銅貨1枚。
とまぁ、こんな感じだ。この世界って、全体的に日本より物価が安いんだな。
これを聞いている感じ、銀貨1枚って結構高いんじゃないか?
ミーネ、もしかしてお金持ちの家の子だったりして。
とりあえず話を聞いた人にお礼を言い、宿を探すことにした。
結局銅貨7枚の、よくありそうな宿にした。理由はギルドに近かったからだ。
明日はギルドに登録し、この世界についていろいろ調べようと思う。
転移されて1日目だったけど、もう疲れたな。
おやすみ。
このときオレは、獣人の街にいることが、完全に頭から抜けてしまっていたのだった。
次回はギルドに登録したりします。
お楽しみに!