【閑話】見て見て〜!①
今日は…練習したウォーターボールの成果を実感すべく、サラやキリナに見せてみようと思う。
正直、自分では上手くなっている実感がわかないんだよなぁ…。
だから、サラとかキリナに見てもらって褒めて…って、褒めてもらう前提なんだが…。
まぁそれは置いといて。
とにかく、オレのウォーターボールを見せに行こうと思う。
まずは…あっ!朝食を作っているサラ、発見!
早速見せに行こう!
「なぁ、サラ?」
「ん?どうしたの?いつもより早いじゃん。」
ギクッ
じ、実は…昨日の夜に魔法を見せにいくのを思いついて…あんまり寝れなかったんだよな…。
それで、とりあえず起きてきたわけだよ。
っていうのは置いといてっ!オレは魔法を見せに来たんだよ。
…そういえば料理中だったな…。
料理から手が離せなさそうだよな…。
邪魔をするのも失礼だし…朝食食べてからにするか。
「やっぱいいや。それより、今日の朝食って何?」
「よくぞ聞いてくれた!エイト!今日の朝食は…!」
ゴクリ…
そんなに溜めてくるっていうことは…まさか!?
「ペケチョです。」
ペケチョ…?
初めて聞いたな…それ。
美味しいのか…?
「うん!珍しいお肉を使うから…普段は作れないんだけど…。」
そうなのか…。って、じゃあなんで今日は作ったんだ?
貴重な、珍しい肉を使うんだろ?
「実は…昨日もふもふを探しに森に行ってたら、たまたま見つけて…。魔物自体はそんな強くないやつだから、狩ってきたんだよ。」
そうなのか…。
そんな偶然あるのかって思うけど…まぁ珍しい肉が食べられるんならどうでもいいや。
「もうちょっと時間かかっちゃうから、家の中にいていいよ。」
そうか。じゃあ…
っていうとでも思ったか〜?
…まぁ、普段はそうしてるけど…。
と、とにかく、今日は手伝う気分だからっ!
「…エイト……頭でも外れたの…ッ!?」
…どういうことだよ(笑)
**
「「「いただきます。」」」
おぉー!
さっき言ってた…ペケチョ、だっけ?
それがめっちゃ美味しそうなんだが!?
さっきの、珍しいっていう肉の上に野菜とかソースがかかっている…日本でいうピザみたいな見た目をしているな…。
日本の…じゃないか。地球のピザと決定的に違う点は…肉の上に具材が載っているっていうところだ。
こんなに贅沢に肉を使うんだから…しかもその使う肉は珍しいっていうんだから、そりゃあ普段は作れないよな。
よーし!いざ実食!
あー…んぅ!?
口に入れた瞬間、肉が本当に溶ける!
肉の次は火魔法で炙った、ジューシーな具材たち!
噛むたびに、素材の味が口の中に広がっていく!
うますぎる!こんな料理がこの世にあったのか!!
感動だ…!
「よかったぁ…。私がキリナに勝てるのはこれくらいだから…。」
なんかサラがボソボソ言ってるな。
それよりも今はペケチョを楽しみたいっ!
もぐもぐ…控えめに言って幸せだ…。
**
お腹いっぱいだぁ…。
また食べたいけど…珍しいんだよなぁ…。
こればかりは、また見つけられるのを願うのみだな。
…何か忘れているような…?
……あ。ウォーターボールを見せるんだった。
見せに行こっと。
「サラー!!」
あ、もしかして今森に行ってるかも。
聞こえたかな…。
「どうしたー!」
あ、聞こえたみたい。
でも森の方から聞こえてきたってことは、行こうとしていたんかな?
でも…見せるだけだし…。すぐ終わるし…!
オレのスキルで、遠くでも話せるっていうのないかな?
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〈名前〉田中 瑛斗
〈性別〉男
〈職業〉テイマー(ランク2)
〈サブ職業〉剣士(ランク2)
〈レベル〉18
〈スキル〉ヒール、ウォーターボール、
収納、念話、洗浄、鑑定、テイム、
女神様の加護付与(もふもふのみ)、
遊牙殺法、風切爆怪断、龍王月迅鎚
〈従魔〉ライオンくん(フェンリル)、スラちゃん(スライム)
〈HP〉470
〈MP〉390
〈力〉374
〈素早さ〉368
〈器用さ〉412
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…念話…?
そんなスキル持っていたっけ?
『そうじゃ。妾がつけてやったのじゃ。』
お、ここで久しぶりの女神様登場!
『……前はもふもふとしか話せなかったが、お主のレベルが上がったことによって遠くの人間とも話せるようになっているのじゃ。』
お!じゃあこれで話せるんだ。ありがとう、女神様!
『…なんか妾にも失礼になってきてる気がするのじゃ…。』
ん?なんか女神様が言ったような気がするけど…気のせいか。
とりあえず念話を使って…。
《サラー。》
……これで聞こえているのかな?
《エイト?聞こえてる?》
お、オッケーそう。
このスキル、結構使えそうだな。
っと、ウォーターボールを見せたいって言わなきゃだな。
《練習したウォーターボールを見せたいんだけど、今森の中だよな?》
…このスキルの弱点はちょっと時間差があるっぽいんだよな。
レベル上がったら時間差もなくなるかな?
《うん。だけど、もう帰ろうと思っていたから今から帰るね。》
そうか。ちょうどよかったな。
《分かった。》
よし。サラが来るまで何しよう…?
先にキリナに見せようかな?
今の時間だと…家にいる可能性が高いな。
行ってみるか。
コンコン
「キリナさん、いますか?」
「はい。少しお待ちください。」
予想通りだな。
…キリナは今何をしていたんだろ?
「どうしましたか?エイトさん。」
今日もキリナはすごく可愛い。
…じゃなくて、ウォーターボールを見せにきたんだよ。
「ウォーターボールを見せたくてきたんです。」
…そういえばキリナもオレの心の中読めるよな。
わざわざ言わなくてもよかったんじゃ…?
というか、今日もキリナはすごく可愛いって思ったのも読まれた!?
「そうですか。どうぞ中へ。」
あっれ?
読まれてないっぽい?
それよりも、にっこり微笑みながら首をコテってして、中に誘導するようなポーズをとっているキリナが可愛すぎる!
キリナの可愛さを言葉で表すのは難しい…。
「エイトさん…?」
あ、もしかして今の読まれた?
「ウォーターボール、まだですか!?」
ありゃ?大きいお目目がいつもに増して、キラッキラのお目目になってるね〜。
…心読まれてないっぽくて良かった。
「すみません。ちょっと考え事をしていて。…行きますよ。」
水の塊をイメージ。
魔力を巡らして…。
よしっ!できた!
次はこれを粘土みたいに操ろう。
何にしようかな?
んー……そうだ!
こうして…ああして…っと。
完成!
ウォーターボールのお魚さん!
「完成です、キリナさん。」
「…」
あれ?無言?
無言はキツいよ。
「す、」
す?
「すごいです!」
Oh...
そんなに褒めてもらえて光栄です。
「いや…そんなでもないですよ…。」
照れちゃうなぁ…。
《エイトー?どこ?》
あ、サラ。
帰ってきたのか。
《キリナの家。帰ってきたのか?》
《うん、今行ってもいい?》
まぁ、きてもらって構わないけど…キリナはいいのか?
「キリナさん、サラが今からここに来るっぽいんですけど…いいですか?」
「いいですよ?」
なぜに疑問形?
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