【閑話】転移前のお話
-時間は遡り、エイトが転移される30分前のこと。
「はぁー。今日も疲れたぁ。」
今日も終わった。あの苦痛な仕事が。
なぜか、休憩が2時間ごとに10分しかないのだ。ずっと同じ姿勢だからか、腰や肩が痛くなる。
他の会社がどうかは知らないが、相当ブラックなのではないだろうか?
前に優しい上司に、改善できないのか聞いたところ、
「上からの命令だしなぁ…僕は改善したいんだけどね。」
とのことだ。なんじゃそれ。労働条件(?)が厳しいから誰も来ないんじゃないのか?
それで、人が少ないから厳しくなっているんじゃないのか?上のやつら、おい。
それは置いといて…今日はご褒美デーだ!
ふっふふーん、楽しみだなぁ!
お、着いた着いた。今日は30分コースにしちゃおっかな。
この極楽のために頑張ったんだしな。
ガチャ カランカラン
「いらっしゃいませ。田中様。何分コースですか?」
「こんにちは。今日は、30分コースで。」
「はい。では中へどうぞ。」
キィ
おっ、今日は他の客がいないぞ。貸切だ!
さぁて、猫ちゃんおいで!
もふっ
あぁ〜極楽ぅ〜!仕事頑張って良かったぁ!
そう。ここはオレが週一で通っている、猫カフェだ。
もうすっかり常連になってしまっているので、名前も覚えられてしまったようだ。
「お飲み物はいつものでよろしいですか?」
うーん、いつもはコーヒーなんだけど、今日はカフェオレの気分だな…。
「いえ、今日はカフェオレでお願いします。」
「かしこまりました。」
これで店員さんの頭の中の、オレの好みメニューにカフェオレが加わったかな?
どうでも良いけど。
よし、もふもふは堪能させてもらったから、次は…猫じゃらしだ!
もちろん、自前ではないぞ。お店のを使わせてもらうぞ?
さぁさぁ。猫ちゃんや…食いつけぇ!
シュッ
よし!食いついた!
このままギリギリで……今だ!
シュッ
うんうん、楽しんでいるな。こっちも嬉しいぞー。
シュッシュッ
あ、捕まえた。
すごいなぁ、猫ちゃん!えーと、確かこの子は…シロノワールちゃんだったな。
全体は薄い茶色なんだけど、背中に白い丸があるんだよね。そこだけ。
だから、それがシロノワールに似ていたから、そういう名前になったんだったよな。
あれ…なんか眠くなってきた…
にゃ…
猫の鳴き声を最後に、意識を手放したオレはこうして、異世界転移させられたのだった。
↓いつものなんで、気にせず。
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