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アジサイ

アジサイは好きでも嫌いでもない。

だけど個人的には思い入れがある。

大した話ではない。

だけど私は忘れない。

遠い記憶、

アジサイの記憶。

切り落とされた枝、

剪定せんていされた枝だ。

その枝を拾って、土を少し掘って、

地面に刺してみたことがある。

大した考えがあったわけではない。

ただ、

私は惜しんだのだ、その枝の命を、

アジサイの色が枯れるのを。

子供のいたずらに過ぎないそれは

物置小屋の横に根を張って、

その生命力の強さに、

私はとても驚かされた。

知っていれば、なんてことはない、

アジサイは挿し木で増やす植物だ。

だけど私は知らなかったので、

とてもとても驚いた。

この話はただこれだけで、

その枝——株は何年も生きて、

今ではどかされてしまったはずだ。

きっと、昔の人、例えば原始人も、

私と同じように驚いたはずだ。

子供みたいに、無知で、素直で、

思い付いたことを試してみたら、

たまたまうまく行ったのだ。

原始人たちは、

アジサイの枝をどんどん植えて、

アジサイをどんどん増やして、

アジサイで世界を覆って、

私は

アジサイは好きでも嫌いでもない

けれど、

アジサイの記憶、ずっと、私の中。

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