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穴を掘る
金色の光が見えた
冬の終わりの夕暮れ
ピンクに染まる雲
南風
春が来て
うれしいはずなのに
ぬるま湯の空気
沈まぬ太陽
秋の続きの枯れ葉
柔らかな地面
芽吹き待つ緑
踏んで
雨ざらしのテーブル
ネコの足
乾いた野原の
真ん中に
隠れていたの
そんな所に
ずっと今まで
隠れていたの
そうだ
だから
私は
穴を掘る
ネコになって
穴を掘る
両手を使って
穴を掘る
泥んこになって
穴を掘る
夜になっても
掘り進む
がらくた
ミミズ
草の根
木の根
石が出ても
水が出ても
昔の生き物の骨が出ても
穴を
掘って
ずっと
掘った先に
顔を出す




