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花よ
君の骸に咲いた花を
幸せの花を
手折って 花束にしたら
君は喜ぶだろうか
色取り取りの花束を
大きな花束を
頭の上に掲げて 通りを歩いたら
みんな気付くだろうか
花束を持った私を
君の花束を
割れた窓の向こうに立って 見た人が
みんな家から出てきたら
花束を持った私が
花束を持った誰かが
何も持たない誰かも
並んで 通りを練り歩く
どこへ行くとも知らぬまま
誰のためとも分からぬままに
花束を手に 希望を胸に
輝く瞳で前を見て 進む
いつか花が枯れ落ちて
私も 誰かも どこかへ消えて
後には何も残らずに
ただ風の歌う声だけが
花よ 花よ
呼んでいる
花よ
花よ 君は




