第8話 質問
ギルドから転移して宿の前にでる。
「ねぇねぇ、春。どうして急に転移したの?」
「だってあの男が後ろからつけてきてたもん」
「えっそうなの?だとしたら転移で逃げたのは悪策だったんじゃないかな?なんか粘着されそうだよ…」
「まじか、あ!あと私の名前はアルって言う名前だからそう呼んで?」
「アル?なんか男の子っぽい名前だね?」
「あー…それは私が男だからだよ。この姿は性転換魔法を使っているだけなんだよ」
「性転換魔法?そんなの王城で習わなかったなぁ」
「そりゃ私のオリジナル魔法だからね!」
そんなことを話しながら宿に入る。正直転移する場所を間違えた。リリ様この近くにダンジョンありませんか?
『あるわね。ダンジョンに潜るの?なら今はあんまりオススメしないわね。そろそろ氾濫が起きるからね』
なるへそ。まぁ英雄に成りたいとか思ってないからもうダンジョンは、無視でいいかな。自分の生活圏が脅かされた時に魔法を使うか。
「おや?もう帰ってきたのかい?冒険者になりたてなら依頼を受けると思ったんだがね」
「ただいま戻りました。依頼はそうですね、受けようと思ったのですが絡まれそうだったので明日にします」
「そうだったのかい。はい、これ部屋の鍵ね」
「ありがとうございます」
これからどうするか…今はまだ14時くらいで夕飯もまだだしちょっとクラスメイトの現状でも見てみるかな。
【サーチ(転生者)】
悠遠高校生26名
王城:20名
ダンジョン:4名
宿:2名
ふーむ。優奈にダンジョンはどうするか聞いてみるか。
「ねえねえ、優奈。もう少ししたらさダンジョンが氾濫するんだけどさ、優奈はどうしたい?」
「えっ?ダンジョンが氾濫するの?それは放っておいたらどのくらいの被害が出るの?」
「勇者とかの転生者集めて運が良ければ勇者の半数が負傷するくらいだね。この世界の人だとレベル50くらい無いと安全とは言えないね。」
「アルはどうするの?」
「うーん…それが迷っているんだよ。もしこのダンジョンの氾濫を無事に解決出来たら貴族になれるかどうかが気になるんだよね」
「どうして貴族?アルはもう貴族じゃない」
「いやぁ、優奈に貴族になって欲しいんだよ」
「それまたどうして?」
「優奈に性転換魔法をかけて男性貴族として登録して、私の妹の婚約者になって欲しいのよね」
「えっ?婚約者?どうして私がアルの妹の婚約者になるのよ」
「どこの貴族にも妹を婚約者として出したくないんだよね。私は妹を嫁がせたくないけど、貴族に生まれたからにはそういう運命なんだよね」
「へー貴族様も結構大変なんだね。でもその辺は国王にでも聞けばいいんじゃないかな?ほら、パッパっと転移で国王の前に行って聞けばいいじゃない」
「そんなことしたら、優奈はともかく私は侵入者として捕縛されるよ?」
「ならアルは透明化くらいして転移したらいいんじゃないかな?それで危なくなったら転移で逃げればいいしさ」
うーん。それならまぁいいかな。【魔法創造】
________________________
属性:創造
対象:自分
効果:透明化
効果時間:
必要魔力量:1500000
________________________
うっ…結構高くつくな。でも、これで質問に行けるのなら良いか。決定!
『【透明化】を獲得しました』
良し!これで行けるぞ。【透明化】&【転移】
▅
はい、到着。おぉ、みんな優奈に注目しているな。
「優奈様、きなりどうされたのですか?」
「あの、国王様に質問なのですが、ダンジョンの氾濫って鎮めたらなにか褒美ってあるのですか?」
「何故そのような質問を急に?もしかしてダンジョンの氾濫の予兆があったとか?」
「いやぁ、もし鎮めたら貴族になれないかなぁって」
「まぁ、鎮めたら男爵くらいには認めるつもりじゃ」
「本当ですか?ありがとうございます」
「しかしなぜ貴族に?」
「1度は憧れる存在ですよ」
「そんなものかのぉ」
「国王様、ありがとうございました」
どうやら話し終わったようなので優奈の手をとり、転移で宿の部屋に戻った。
▅
「ふぅ……アルどうやら貴族になれるようだよ。これでダンジョンが氾濫したら私がダンジョンを鎮めたら良いんだよね?」
「いや、私が透明化して優奈の後ろから魔法を放つからそれを優奈がしたことにして欲しい」
「どうして?貴族になるなら、私の実力で鎮めた方がいいでしょ?」
「今の優奈じゃ絶対に鎮められない。だって優奈のレベル今いくつよ」
「えーと……45レベルです…」
「勇者ならそのレベルでも大丈夫だろうけど優奈の職業は?」
「炎の伝道師って言う職業だね。なんか炎魔法が使えるようになるらしい」
「確かに炎魔法は威力が高いが魔力をドカ食いするよね?優奈の魔力は見た感じそんなにないから連発は出来ないでしょ?私なら【魔法創造】で炎魔法を作れるようになるから。それに、優奈には派手な実績が欲しいんだよ」
「派手な実績?どうして?貴族になるなら氾濫を鎮めるだけでいいでしょ?」
「貴族と言っても男爵じゃ弱いんだよ。私の家は侯爵だからね」
「あー…そう考えると確かに弱いね。分かったわ、お願い出来る?」
「もちろん!任せて」
そうしてどのんな魔法でダンジョンを鎮めるのか話し合いをした。
700PVありがとうございました