第12話 その後
ダンジョンを鎮めて一週間たった。ダンジョンを鎮めた功績で優奈が男爵の当主となった。これで妹の婚約者が決まった。
坂田はどうやら王様に優奈が誘拐されたことを伝えたらしい。そして、優奈が冒険者ギルドに居たという情報を頼りに、探しているらしい。もしかしたら、優奈と一緒に居たので、誘拐犯と思われて声をかけられちゃ困るので、今は屋敷にいる。
「姉様、私の婚約者の話って本当ですか?」
「婚約者?ああ、私が探し出したわ」
「どうして私が先なの?普通は姉様が先ではないの?」
「あぁ……私はね、しばらく女の子でいたから男の人のお見合い話ばかり集まってね…今お父様が女の人の婚約者を、探してくれているわ」
「あ!姉様がお兄様だったの忘れていたわ…所で私の婚約者ってどんな人なの?」
「良い人よ、あとこの前アルダンダストでダンジョンの氾濫が起きたのは、知っているでしょう?あの氾濫を鎮めた人よ」
「えっ!確かダンジョンを鎮めた人ってかなりお年を召していなかったっけ?」
「そんな事無いわよ。だって彼20歳くらいだもの。ま、ここだけの話ね?いい?」
「20歳…でも13歳差となるとやっぱり…それで?ここだけの話って?」
「実はね、その婚約者って私のお友達なのよね。それも女の子から男の子になってもらったの」
「えっ!姉様、友達居たのですか?」
「まあね、そろそろ迎えに行ってくるね」
「分かったわ…行ってらっしゃい」
▅
はぁ…勝手に婚約者を決めたのは悪かったかしら?でもお父様には納得してもらったし……まぁ考えても仕方ない優奈はどこにいるかな?
「ナル〜どこ〜」
「あ!アルここに居るよ!」
「迎えに来るの遅くなってごめんね」
「大丈夫だよ。それにしても緊張するね…まさかアルの妹さんと婚約する事になるとは…」
「あはは…ごめんね?どうしてもレイの婚約者を私が決めたかったからさ…あとさすがにナルの大人姿は嫌だからショタに戻ってね」
「えっ!ショタに戻っちゃうの?どうして?」
「いやぁ…レイが怖がっていたっぽいからかな?」
「な、なるほど…」
「さぁ、そろそろ家に行きましょうか。手をこちらに」
「分かったよ」
▅
「帰ってまいりました。そしてようこそ優奈、ここが私の家です」
「ねぇ、アル。そういえば私ってどこで住めばいいの?」
「そこら辺はお父様に許可をいただいてこの家に住むことになります」
「え?アルと一緒に住めるの?」
「そうですね…あとそろそろ優奈の男姿なんて見たくないので解除しますね【ディスペル】」
「わっ!おー!女の子に戻ったわ!」
「さすがにこの家に住む以上は女の子に戻ってもらわないとね」
そろそろお父様に挨拶させに行くか……
「優奈、お父様に会いに行くわよ」
「分かったわよ」
お父様に挨拶が終わったらついにレイに顔合わせか…もし、レイが優奈のこと気に入ってくれたら一緒に学園にでも行きましょうかね……
「お父様、失礼します」
「いいぞ」
「お父様、こちらが先週お話したレイの婚約者で私の親友の優奈です」
「な!おい、アル。どうして婚約者殿は女の子になっているのだ?またアルが【性転換】を放ったのか?」
「失礼な!優奈は元々女の子ですよ!私が【性転換】させてダンジョンを鎮めさせたんですよ」
「そ、そうか…それで、もうレイと顔合わせは済ませたのか?」
「いえ、先にお父様に顔合わせさせようかと。あ、あとこの姿が男の子になった優奈です【性転換】&【射出】」
すると優奈の体が光り出した。しばらくするとそこには、驚いて尻もちを着いている優奈が居た。
「もう!急に性転換させないでよ!びっくりするじゃない…」
「あはは、ごめんね?でもお父様に見せておかないとね?」
「普通に言ってくれたら良かったのに…」
「【射出】っていうスキルを作ってみたから使ってみたくなっちゃうのが人間の性だね」
「もう…改めまして、この度男爵となりました、ナル・サバナールです」
「私はアキレイス・アルストルムと申します。この度は息子が世話になりました」
「いえいえ、私も息子さんにはお世話になりましたから…」
「それでは、ゆっくりと過ごしていてください。私は仕事がありますので」
「はい、ありがとうございました」
さぁ次はレイに会いに行こう
▅
「レイ、入るよ」
「どうぞ」
「婚約者を連れてきたよ、優奈おいで」
「初めまして、ナル・サバナールです。この度は婚約者にしてくださいましてありがとうございました」
「こんにちは、私はレイナ・アルストルムです」
と、綺麗なカーテシーを返した。あぁ、やっぱりレイは可愛いなぁ…あ、優奈を戻してなかったわ【ディスペル】これでよし。
「わっ!もう!アル急に戻さないでって言ったでしょう?」
「いやぁ…そういえば元に戻していなかったなぁ……って」
「ま、まぁいいわ。レイナさん、この姿が私の本当の姿だから勘違いしちゃダメよ?あと本当の名前は優奈よ」
「はい、分かりました。ところで姉様は優奈さんは友達って言っていましたけどどこで知り合ったのですか?それも隣国で」
「ねぇ、遥香転生前の話ってした?」
「え?してないけど…一応お父様には、バレてしまって話したわ。でも、レイナには喋っていないわ」
「そうなのね。喋っちゃっていい?」
「まぁ、もう家族には秘密にしたくないし…」
「そうね……家族には正直にいましょうか…」
「で?どこで知り合ったのですか?姉様と優奈さんは」
「んーと、少し信じられないと思うけど聞く?」
「聞きます。姉様のことをもっと知りたしから……」
「分かったわ」
1章終わりです。しばらく更新ないかもです。PV3000言ったら続き書くかも。
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