第11話 ダンジョンにて
「さぁ、さっさとダンジョン鎮めて貴族になろうか」
「杖振るだけでどのくらいまでの的なら倒せるの?」
「鎌鼬の消費魔力は2900だからジェネラルくらいまでなら行けるんじゃないかな?まぁ、勇者か化け物以外は使わない魔法でしょ。だって、この世界だと一般人の魔力量は大体2000くらいだし冒険者の魔法使いで30000だしね」
「アルはどうやってそんな情報を手に入れているの?」
「あぁ、言ってなかったけ?私のスキルに、【心の友】ってのがあるんだよ」
「心の友って…ネーミングセンス謎だね」
「あんまりそう言っちゃダメだよ。名前付けてるのはリリ様なんだから」
「リリ様?それって誰なの?」
「あぁ、リリ様はね管理神だよ。私を転生させてくれた神様だよ。その分身体が【心の友】のスキルで私の中にいるんだよ」
「ふーん。そろそろ氾濫が始まる頃だね。大体どのくらいのモンスターを倒せばいいの?」
「そうだね……大体1000体くらいだね。まぁ、私も参加するから優奈は大体700体くらい倒せばいいよ」
「分かったわ」
〜ダンジョン1階層〜
「【鎌鼬】【鎌鼬】【鎌鼬】【鎌鼬】なぁ、アルすっごい暇なんだけど」
「そんな事言わないでよ。【自然魔法・風:ストーム】これが終わったら、貴族になれるのだから。それにまだ1階層だよ」
「そうだな、早く最終階層に行ってキング倒さないとな…」
「【自然魔法・炎:ファイヤーアロー】後で【カラクリボックス】の札を渡すわね。その杖じゃ多分倒せはしないから」
「そういえばどうしてカラクリボックスの8と9は腕だけなんだ?」
「はっきり言って思いつかなかったんだよ。あんまり無茶な要求をすると魔力がすごい持っていかれるし、それでランダム制にして要求魔力量を減らしているのよ」
「そうなんだな。ちなみに【カラクリボックス】がキングに効くと思うか?【鎌鼬】」
「そうだね…8.9以外は効かないんじゃないかな?」
「ナルだったら行けるよ」
「そうだったらいいけどね…」
そんなことを話しながら攻略しているとデカい金属の扉を見つけた。
「これってあれだよね」
「そうだね…今は10階層中ボスかな?」
ドアを開けると部屋の中央にウルフが居た。
「とりあえず【ステータス表示】&【看破】」
名前:無し
年齢:78歳
レベル:120
種族:ウルフキング
体力 600000/600000
魔力 858000/858000
スキル:【神速】【豪脚】【形状変化】
ん?なんか強くね?てかキングって…まぁ全然倒せるからいいけど。
「ナルこれは私が倒すわ」
「確かにアルにやって貰った方がいいね」
「【武器創造】&【神速】ほいっと……やっぱり刀で戦うのは憧れるねぇ」
「どんな刀にしているの?」
「大太刀だよ。やっぱりデカい武器はロマンだねぇ。でも、魔法だと敵の首を1発で取れなかったりするから、【神速】使って刀で突っ込むのが一番強い」
「でも大太刀って重くない?」
「まぁ、重いけど【武器創造】は直ぐに消えちゃうからね」
「大体どのくらいで消えるんだ?」
「大体1日って所かな。でも今はそんなに必要ないからもう崩壊してるよ」
「あ、本当だ。ねぇアル、【カラクリボックス】の札じゃなくてさ、【神速】と【武器創造】の札にしてくれない?多分【カラクリボックス】だとそんなにダメージが与えられないから」
「8.9以外は効かないもんね……分かったよ札を作るね」
ウルフキングがこんなに序盤で出てくるなんて…氾濫ってこういう事なの?リリ様。
『そんなわけないでしょ。普通の氾濫ならさっき倒しウルフキングが30階層に居るはずよ。もしかして魔族でもいるのかしら…もし魔族が居るようならば優奈さんは撤退させなさい』
そんなに強いのか?魔族って……
『まぁ今の優奈さんでは到底敵いはしないわよ』
ま、リリ様がそう言うのなら言うとうりにしましょうか。さて…そろそろ休憩は終わりにして攻略を進めますか。
ダンジョン 30階層
20階層のボスはゴブリンキングだった。こうなると本格的にも魔族がいるかもしれないね。
「さ、ナルここの扉を開けて魔族が居たら【転移】の札で逃げてね」
「どうしても戦ったらダメなの?」
「リリ様がダメだって言ってるからダメ」
「分かったよ。もし魔族なら直ぐに【転移】の札を使うよ。ギルドの職員さんにも渡しておかないと」
「あっ、そうだね。職員さん、転移できるアイテムって持ってる?」
「えぇ、一応【転移】のオーブを持っていますが…」
「もしかしたらこの奥に魔族がいるかもしれませんのでオーブの準備だけはしておいて下さい」
「わ、分かりました」
「さぁ、ナル。札は何時でも破けるね?」
「あぁ、大丈夫だよ」
「では、行きます!」
そう言うと同時に私は扉を勢いよく開けた。扉を開けて見えたのは広い空間の中心にオーガキングと深めにフードを被っている人が居た。とりあえず【ステータス表示】&【看破】
名前:縺溘k縺偵s
年齢:89歳
種族:魔族
レベル:240
体力 94000/94000
魔力 578000/578000
スキル 【凶暴化】【テイム】【通信】【狂化】【偽装】【静眼】
おっと…いきなり魔族のお出ましか…とりあえず2人を非難させないと。
「ナル!職員さん!」
「じゃあ後よろしく」
「はい!」
2人が転移したのを見てから魔族をもう一度見る。
「ここで何をしているのかな?魔族さん」
「バレたか…偽装しておいたはずなのに」
「そりゃあそんな怪しい見た目の奴が居たら、【看破】を使用するに決まってるじゃないか」
「そりゃあそうか…だが貴様一人でなにができるそれも小娘では無いか」
「小娘って…私は少なくともあなたの100倍は生きているわよ。それにあの二人が居たら私の魔法が巻き込んでしまうかもしれないでしょう」
「ほう、とんだ自信家だな」
「自信家では無いわ、単にあなたが雑魚だから余裕なだけよ」
「なっ!私はレベル250なんだぞ…それを雑魚だなんてそんなわけなかろう!」
んーリリ様、私ってレベル換算するといくつになるんですか?
『えっとねアルのレベルはね、1532だね。そんなに強い訳では無いね』
はい…調子乗りましたでも、あの魔族相手には簡単に勝てるからいいや。
「ま、私は1500超えてるからあなたよりも強いのよ」
「なっ!魔王様でも999レベルなのに…」
「ふーん…ま、どの道あなたを倒すことには変わりないからさっさと片付けてしまいましょうか」
そう言うと同時に【武器創造】と【神速】と【刹那】の3つのスキルを同時に起動させた。
「うおっ!」
「ちっ!避けやがって。避けなければ一瞬で首を跳ねてやったというのに」
多分【静眼】を使っていたのだろう確か相手の動きがゆっくりに見えるスキルだったはず…なぜこんな魔族が持っているのか分からないが…
「【自然魔法・炎:炎獄】オーガキングはそこで大人しくしてなさい」
「もぉー折角【凶暴化】のスキル試したかったのにぃ」
「あなたはもう時期死ぬわなにか遺言はある?」
「ふん!さっきから攻撃が当たってないくせによく言うわ」
「そうね、あなたが持っている【静眼】が実に厄介だわでも、確か【静眼】は1人にしか発動できなかったわねこれでどうかしら?【分霊】」
『【武器創造】&【神速】』
「な!」
「『さよなら、名前も知らない魔族さん』」
魔族は分霊に任せて、あとはオークキング…【神速】っと。これで氾濫は収まったはず。
やっと妹の婚約者を作れそうだよ…さすがに鎮めたら大丈夫でしょオーガキングの首を見せれば氾濫は鎮めたと言ってもいいほどだし。
1300PVありがとうございます