クローグ村教会
「おぉ!お久しぶりですディーンさん、いつもは滅多にこっちの方には来ないのに……今日は何かあるんですか?」
「あぁ、実は今年で息子が5歳になったんでな。
今日は教会の入学式だろ?だからだよ。」
「なるほど、それは奇遇ですねぇ……実は私の娘も今年で5歳になりましてね、改めて娘共々よろしくお願いします。」
「ほぉーエリナちゃんももう5歳か、時が経つのは早いな。」
「はい、本当に…………。」
「「じゃあそろそろ行こうか。」」
ハモってるwww
「それではこれより、式典を始めます。まずは神父から、新入生へのお祝いの言葉です。」
異世界でもこれは変わらんのな、どうせ神父の話も長いだろうし暇だな…………そうだ!何分で終わるか時間を計っておこう。
「木々の新緑と美しい草花が…………………………
…………生徒達が健やかに育ってくれることを祈ります。」
記録、15分23秒、まぁこんなもんか?一応時計持って来といて正解だったな、おかげで何とか暇つぶしできた。ちなみに俺が持ってる時計は懐中時計だから。
「次は皆さんに先生をご紹介します。」
へーどんな人だろ。
「シーナ・ハイゼンベルク先生です。」
「皆さん、これから私と一緒に頑張って読み書きを覚えましょうね。」
良いねぇこういう明るい生き生きした女性は、見てて心が浄化される。
「これから皆さんにライフカードを配布致します。
また神父から、ライフカードについての説明をして頂きます。」
「え〜今私が持っているこのカードがライフカードです。材質はミスリルを使用しており、そこに魔法を付与しています。非常に貴重な物なので絶っっっっっっ対に無くさないでください!」
無くすなって言うけど、なんかケースとか無いのかよ。
「また、このカードは皆さんの身分証明書という扱いですが、他にもお買い物や離れている人と話せたりなど、様々な事に使用できます。
さらに!ここからが重要です!
私たちの生活は、様々な職業によって支えられています。その職業を選ぶ上で最も重視されているのがこのカードに書かれた『天職』です。」
え?まさかの職業縛り?マジか……俺冒険者みたいなのになって自由気ままに生活しようと思ってたんだが…………。
「天職というのは文字通り、皆さんの1番向いている職業の事です。説明はこんな所でしょうか?では、順番にライフカードを配りながら天職を確認して行きます。」
その後、色んな人が喜んだり落ち込んだりして、盛り上がっていた。やっぱり職業にも当たりハズレがあるらしい。
「次、15番、エリナ・シルフィードさん。」
「はい。」
お、あれはここに来る時にあったエリナちゃんか、
なんだろう……別に身内でもなんでもない筈なのになんか気になる。