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まさかの死亡

俺は今チュートリアルを終えて、街に続く街道を歩いている。

あ、青鬼のドロップアイテムっぽいの拾うの忘れてた!


「まぁ良いか。」


街道って聞くと『賊とか出そう』と思ってたんだが、今のところ特に問題は無い。

街道を歩いていて何度か荷馬車に追い越されたが、

荷馬車を見る限り、恐らくこの世界の文明レベルはラノベでも定番の中世だろう。


「のどかなもんだな〜。」


随分歩いたが、一向に街は見えない。こういう時はガイドさんに聞いてみよう。


「なぁexa〜俺は一体どれくらい歩いたんだ〜?」


するとexaはダルそうに、


「アイテムバックに良いのが入っていますのでそれを使っていただければと思います。」


コイツ、ガイドする気があるんだろうか。


「申し訳ありません。私は矢上様と栄養つまりエネルギーも共有しています、矢上様が疲れたら私も疲れるのです。」


なんかちょっと怒ってます?

まぁとりあえずマジックバックを見てみよう。


「なんか出るといいな〜。」


最初に出てきたのは、腕時計?しかもこれは!

親父から貰った腕時計だ!!何故このバックに?

考えるのは後にして盗られたら嫌だから腕に付けておこう。

さて他には……………なん…だと…?

俺の手には、本来異世界にあるはずの無い物が握られていた。

ネットでスマホ太郎で有名になった|(と思っている)『スマホ』である。




スマホの電源を入れて俺は絶望した。

何故なら、全データ削除+使えるアプリが、地図、時計(アラーム有)、カメラ、天気予報、カレンダー、の計5つ。それ自体は別に問題じゃ無い寧ろ有難いくらいだ。

しかし俺は絶望する!何故って?10万も課金したゲームのデータが綺麗サッパリ消えてたからだよ!!!


『対象者の絶望を確認、スキル{メタル精神メディカル}を取得

しました。』と音声が聞こえ、またあの板が出てきた。


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

{〜スキル〜}

鋼の精神→戦闘等で一定の痛みを感知した場合、気

絶しない程度の痛みになるまで、痛覚耐

性を強化する。

精神がわりと強化され、大抵の事ならシ

ョックを受けたり泣いたりしなくなる。

※失恋や大切な人の死等は別。


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


「わりとって何だよ、まぁ人が死んで涙を流さないなんてもはや化け物だからな………俺の10万。」


10万円と5年の努力が消えた、そんな悲しみに打ちひしがれながら、俺は地図アプリをタップした。

近くの街、と検索すると経路が表示された。


「マジか…なんで使えるんだ?」


「言い忘れていましたが、矢上様のスマホを辺りの魔力に干渉して、バッテリー等も魔力で充電出来るようにしておきました。」


いやー凄いね、便利とチートのギリギリの恩恵とか

本当に有難い。物事はなんでも簡単過ぎるとつまらないけど、最低限楽はしたいからねー。


「今のうちに言っておくが、俺は寿命以外で死ぬつもりは微塵もない。」


話が逸れたがここから街までは………、



 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

{経路}

現在地から、街道沿いに徒歩で1日もしくは荷馬車で10時間。


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄



「まだ歩くと言うのか!まぁでも歩く以外に方法も無いし、頑張るか。」


しばらく歩いていると、『ブスッ!!!!!!!』

俺はイキナリ過ぎて何が起こったのか理解出来なかった。よく見ると胸から剣が突き出ている。


俺は今、人生で初めて身近に死を感じた。

やばい、なんか口から出そう「ウップ。」

今にも吐血しそうになった瞬間、俺は気が付くとベッドで横たわっていた。


辺りを見回すと………何も無かった。


「あ〜やっぱ俺死んだのか?」


諦めきれずに真っ白な空間に何か無いかと探していると、1人の男が歩いて来た。


「いやー悪ぃ悪ぃ、まさかチュートリアル後すぐに転移者が死んじまうとは思わなくってよ。」


何言ってんだ?コイツ。

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