いじめっ子エドワード
次の日、
お、居た。
「エリナちゃーん、おはよう!」
「お…おはよう、アラン君……どうしたの?
いきなり走って来て。」
「これを渡そうと思ってさ。」
そう言って俺はハンカチを彼女に返した。
「このハンカチ!どこにあったの?!」
「家の庭に落ちてた、名前が書いてあったからすぐにわかったよ。」
「やっぱりあの時…………よかったぁ〜。」
結構思い入れがありそうだな、さっきからずっと握りしめてるし。
「そろそろ教室行こうか?」
「うん!」
うぉぉ、なんだこの眩しい笑顔は、クッ!眩し過ぎる………。
なんだろう、今この瞬間に一気にエリナちゃんとの距離が縮まった気がするのは俺の気のせいだろうか?
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
その後3年の時間がたち、10歳になった2人は更に距離が縮まったのだった。
最近のエリナちゃんは結構積極的だな〜、まぁあれから3年も経てばそうなるか、友達も結構増えたみたいだし、良かった。
「さぁみんな?今日は算数のお勉強ですよ!」
【はーい。】
あー今日は算数か…………俺教会で真面目に勉強したの歴史と道徳、あと社会の仕組みぐらいだ。
「おー、今日は引き算か。」
いやほんとにね、勉強面から見るとまぁ簡単なのよこの世界!計算は足し算と引き算が出来ればそれでOKで掛け算とかを大人が知らないレベル。
文字は意外と細かくて、2種類、日本で言う漢字とひらがなに近い物があった。
そもそもブローズの力で読み書きが出来るようになってる俺にはどうということは無い。
「それでは最後に先日の試験用紙を返しますよ!」
テスト返却か…………前世ではあんなにも俺を凹ませたテストが今じゃ100点のバーゲンセールだ。
「次、アラン君。」
「はい。」
どうせまた100点だろう。
「これでまた記録更新………………ダニィ?!」
算数のテストだぞ?数学ですら無いんだぞ?
なのに………なんで100点中の7点なんだ!
「こ……これは!途中から回答が1問ずつズレてやがる!!!!!!!」
なんで異世界に来てまでこんなマンガみたいなミスしなきゃなんないんだ?
あ、そうか異世界だからか。
「それじゃあみなさん、さようなら。」
【さようなら!】
あー終わった終わった、さっさと帰って練習だァ〜。
「あ……アラン君!」
うわ!びっくりした、なんだエリナちゃんか。
「俺になんか用?」
「えっと………一緒に帰っても……良いかな?」
こ…このパワー!上目遣いが上手すぎる!
やべぇ、可愛い、可愛すぎる!あぁ……心が浄化される。
「おいアラン、なに銀髪女とイチャついてんだよ!俺言ったよな?そいつと関わるなって!」
今俺を現実に引き戻したのはエドワード・ビフ・タネン、地方貴族だ。
最初に中位天職を引き当てたがエリナちゃんが魔導師を引き当てた事により1発で蚊帳の外、それを根に持ちグループでエリナちゃんを虐めている。
たぶん俺の事も嫌い。
「な……なんだよその目は、やる気か?」
エリナちゃんが以前まで1人だったのはコイツのせいだと思われる。まぁ最近は友達増えたからね、
結果、エドワードはクラスの全ての女の子から嫌われてるからな。あ、ちなみに俺もコイツ嫌い。
嫌いな奴には無視が1番〜♪
「……………………………。」
「おい無視してんじゃねぇ!」
『♪〜♪〜〜』
口笛で情熱大陸のテーマ吹くの難しいな。
「くっ!……前からお前とはどちらが上かハッキリしようと思ってたんだ、今から俺と勝負しろ!
アラン・ウィルフレッド!」
「………………………………。」
「そ…そうか、俺と勝負するのが怖いんだな?この意気地無しが!所詮無能の子は無能だな、ハハハハハハ!」
無能の子だァ?中々言ってくれるじゃねぇか。
「エドワード、てめぇ……今俺の父さんと母さんの事なんて言った?」
「よく聞こえなかったか?無能って言ったんだよ無能ってな!」
あぁ、正直暴力は好きじゃないが………ガキにはしつけが必要だな?
「表出ろ、エドワード・ビフ・タネン、てめぇとの勝負受けてやる、だがな………擦り傷程度で済むと思うなよ…………。」