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拾い物

第1話 拾い物


ジリリリリリリリリリリガチッ

昔ながらの目覚まし時計の音と共に、今日も退屈な1日が始まった。


とりあえず自己紹介をさせてもらおうかな、

俺の名前は矢上拓也やがみたくや

マンガとラノベをこよなく愛する高校3年生だ。


今日はコロナウィルスが広まってから、3度目の登校日、 家を出て50m位歩いただろうか。何となく足元を見るとソレはあった。


「綺麗な石だな、これ宝石か?なんか金の輪っかにはめ込まれてるし、警察に届けるか。」


俺はソレを拾って学ランのポケットに入れていた。


その後何事も無かったかのように歩き出したが、

ある事に気づいてしまった。


さて、ここで算数の問題だ。

腕時計を見て時間を確認すると6時31分、俺が乗らなければならない電車は6時34分発で、駅までの距離はあと400m位の場所だった。


更に言うと俺は今かなり重いリュックを背負っている。うちの高校置き勉ダメなんだよ。



答えは………全力疾走である。


何とか1分前に駅にたどり着き、電車に飛び乗った。

「コレ乗れないと遅刻なんだよ……………って誰に言ってんだ?俺。」


そして余裕を持って学校の門をくぐった。

いつも通りに人混みに揉まれながらも下駄箱に向かう、その瞬間いつものワードが浮かんでくる。


『むさくるしい』


今はまだ5月なのに気温が高く、更に学ランを着ている。

というのも無い訳では無いのだが、やはり1番の原因はただ1つだろう。


そう………俺の通う学校は男子校なのだ、

故に女子が居ない!


え?なんで共学に行かなかったかって?

最初は部活にしか興味無くてここを中学の顧問に紹介されたんだよ。


「はぁ〜」


今日も俺は女子が居ない事を嘆き、誰かに祈るのだ。


『今は別に異性に恵まれなくても構いません。

しかし!俺に少しでも同情してくれるのなら、来世は必ず!何としてでも、異性に恵まれた人生を送らせてください!!!』


絶望を何とか乗り越え今日も我が家に帰って来た。

まぁ俺の人生ゲームとマンガとラノベがあれば、

後は金位しか必要とは思わない。

今日も飯を食うのも忘れてベットの上ででラノベを読みふける……。


しばらくして、自分が寝ていた事に気づいた。

どうやら寝落ちしていたらしい、だが何か変だ。

明らかにベットの感触では無い、どちらかと言うと芝生の感覚に近いと思う。

目で確認しようにも周りが明るく、眩しくて目が開けられない。

眩しさにだんだん慣れて来たから目を開けると、

俺は何処かの花畑に立っていた。


「えーっと……何コレ?」


全く理解が追い付かず俺は放心状態になっていた、

最初は夢かとも思ったが妙に現実的なのだ。

いきなりの事でテンパってる自分に声を出して、言い聞かせる。


「おお落ち着け拓也!とりあえず状況を整理しよう。」


辺りを見回すが、1面ガーベラの花畑だ。


「あ、なんか落ちてる。」


なんの戸惑いも無く拾っちまった。

こりゃもう癖だな早く何とかしないと。


よく見ると俺が拾ったのは今朝拾った石だった。


「あ〜警察に届けるの忘れてた、相変わらず物忘れが酷いな。皆が鳥頭って言う訳だ、ハハハ……はぁー。」


俺がため息をついていると、手に持っていた石がイキナリ俺の手にめり込んだ………が、痛くない。

それどころか石が手から消えていた、どこにも石は見当たらない。


なんだったんだ?今の…………『ゴン!!』


何かが後頭部に直撃した。

俺はそのまま地面に倒れて目の前が真っ暗になった……。

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