表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/4

探偵ジャンク誕生!

「オレは『お前』じゃない。周りからはジャンクと呼ばれてる」


釣具屋の奥の個室で、オレは鳥の巣頭の男に言い放った。


男はニヤリと笑って、「俺はペペと呼ばれてる」と言った。


オレは頭の中でペペと名乗る男の話を整理していた。


どうして捕まったか、なぜ早かったか、なぜ警察の様子が違ったか・・・


ポイントは一つ。要は、誰が通報したのか、だ。

当然、オレが通報するわけない。

通報した奴の正体が、今回のカギだ!


オレはペペを見て、

「心当たりはある」と言った。


嘘ではない。


通報したなら、あの不精髭だ。

彼がレストランのオーナーである以外、オレは彼の事を知らない。

裏の顔があるかもしれない。


ペペは身を乗り出した。

「それで?」


「・・・」


「言わないのかよ!」

ぺぺは弾かれるようにイスの背もたれに倒れこんだ。


「ペペさん、取り引きだ」

「ああ?」


「オレをここで雇ってくれ」


ペペは苦笑いをしながら、手のひらを振って、否定した。

「またお前を連れていたら、またすぐ警察に捕まるぜ!勘弁してくれよ!」


ペペは真顔になると、細いタレ目でオレを見た。

「俺は色々あって、仕事屋のおやじに拾われたんだ。今はおやじから仕事をもらって生きている。だから、看板も無ければ名刺もない。ただ、仕事はヤバイ。警察はNGさ。だから、やばいお前もNGさ」


確かに、金持ちの孫役を探すなんて、普通の探偵ならやらないと思う。

きっとペペは普通じゃない世界で生きているんだ。


だが、そんな世界じゃないとオレも生きられないと思った。




新しい父親たちは、決まってオレを「純君」「純君」と呼んだ。


クラスの奴らはオレをからかって、そのうち「純君」が転じて「ジャンク」になったのだ。


不良品ジャンクのオレには丁度いいニックネームだった。




その時、オレの頭の中である考えが閃いた!


「ぺぺさん、オレも探偵になるよ」


「はっ?」


「同業者さ。自分で仕事するんだ。そうさ。そうするよ」


ぺぺは細い目をパチパチさせて、オレを見た。



オレ達の沈黙を破るようにペペの携帯が鳴った。


ペペは慌ててイスから立ち上がると、事務机に飛ぶように移動した。


ポケットから携帯を取り出すと、

「はい、もしもし」と、話した。


ペペは事務机の上のメモ帳を引き寄せると、事務用の椅子に座った。


「あっ、おやじさん、大丈夫かい?」


ペペはメモ帳に何やら書き始めた。時折うなづきながら同意したり、笑ったりしている。


電話を切ると、ペペはオレの方を見て「悪いが仕事だ。帰りな」と言い、身支度を始めた。




<第4話 完>



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ