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幸せに生きていたいので  作者: 結汝
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華鏡祭3日目

新年あけましておめでとうございます!!

昨年は月一更新どころか全然更新できず申し訳ありませんでした。

社会人となり環境が変化する中なかなか小説に向かい合えませんでした。(そこまで作者は器用に生きていけない人間でした)

今年は昨年よりは更新できるように頑張る所存ですので今後ともよろしくお願い申し上げます。

 大人たちの会話に入り込むにはあまりにも幼すぎる私は完全に浮いてしまうことだろうし、かといって貴婦人たちの会話に入って行くと餌食になって終わりそうだし…。

どうしたものかと行く当てなく会場を歩けば、少し離れたところにいたお兄様に手で来るように促される。


「お兄様、どうかなさいましたか?」

「僕の友人がリズに会ってみたいというものだから、今日ならちょうどいいかなって」


お兄様の近くには5人の方がいる。

左端からヌルヴェール辺境伯のご長男、ラッキン伯爵のご長男、スーレインラ子爵家の三男、ロマンニャ男爵家の次男、クレリオン伯爵家の四男


「ごきげんよう。いつも兄がお世話になっておりますわ。ヌルヴェール辺境伯子にラッキン伯爵子、クレリオン伯爵子、スーレインラ子爵子、ロマンニャ男爵子」

「さすが、ガーナ公爵家の秘宝ですね」

「初めまして、私共の名前を憶えていただけているとは光栄です」

「自分のような男爵家の者も覚えていて下さるとは…!!」


 ロマンニャ男爵子がとても感動されている…。う~ん。そんな感動することだっけ?

上のものとしては自身の領民の貴族一覧はそれ相応に頭に入ってると思うから普通だと思うんだけど

こてりと首を傾げたいのを我慢してとりあえず愛想笑いでごまかしておく。


「自身の領地に関わりのある方々のお名前は覚えておりますわ」

「リズビア様はまだ7歳であらせられるのに大変聡明であられるのですね」

「お褒めいただき光栄ですわ」

「リズビアはとても賢い子だからね。僕らも()()()()()()()()()()()ことがたくさんあるだろうね」


 お兄様がさも愉快といわんばかりのいい笑顔で褒めてるんだかよくわからない言葉を下さる。見習わなくちゃの部分はどこを指しているのか聞いてもいいですか?お兄様?

私には私が周りに叱られている場面を指しているようにしか思えてなりませんよ。


「…ありがとうございます?」

「ふふふ、さてリズ。もうすぐダンスが始まるから中心に行っておいで」


行きたくないんだけどな~


「行かなかったらもれなくエスコート付だね」


お兄様が耳元でそっと呟く。

 その呟きにゾッと背筋が凍る。エスコートなんかしてみろ。変な注目の的(黒歴史待ったなし)になること間違いなし。しかも、今後のパーティーのたびに殿下からエスコートを受けたのは私だけ…なんて言われでもしたら私はひきこもる以外に身を守る方法が思いつかないのだが??

くっ、今後の己の身を案じるのならエステなんぞ回避しておくに越したことはない。

渋々ではあるが、お兄様のご友人方に一礼した後ホールの中心へ向かう。


「やあ、リズ」


はやいはやいはやい

なんでもういるの?まだ音楽始まってないんですけど?怖っ。


「殿下…まだ始まってませんよ?」

「そんなことも僕はわからないと思っているのかい?」

「いえ。……あまりにも早くないかと思いまして」


何がとはいわないけどさあ!!


「リズが忘れていたらエスコートしようかと思ってね」


恐怖だわ。お兄様はエスパーか何かかしら…。


「それは殿下のお手間をとらせることがなくてよかったですわ」

「手間だなんてひどい言い方だな」


どこが?


「…」

「さて、色々聞きたいことがあるんだよね」


 ビクリと肩が跳ねる。

 殿下の視線は私の腕に向けられていて…やっぱり釈明なしでは終わらせえていただけないそうな。

え~ん。

 殿下は私の手をすくって距離を縮め、腰に手をあてる。それが始まりの合図化のように音楽が変わり、ホールにはダンスペアのみが残される。

足を一歩踏み出せば、音楽に合わせて殿下も一歩足を引く。今日はワルツがメインの構成のようだ。


「さて、俺が送ったものはどうした?」


 急速に出てるんですけど、俺様殿下。びっくりだわ。何にって?ダンスの余韻とかなく出てきた横暴殿下にだよ。


「受け取りましたよ(ちゃんと)」

「で?」

「つけるのがもったいなくて」

「身につけないと意味がないだろう。わざわざ面倒ごと回避の助言までしたのに」


 ああ、一応この問答が面倒ごとに値することはご理解していらっしゃるのか。それで、これってどんだけ嫌がらせ好きなのよ。


「あまりにも綺麗だったからどこかでうっかり失くしたりしないようにつけるのは自室だけにしているんです」

「へぇ、気に入ってもらえたんだな」

「とても綺麗でしたもの」


 ターンを2回繰り返して、一曲目もそろそろ終盤に差し掛かろうというところ。

 素直な感想を口にした後の殿下がやけに静かだから、不思議に思って顔を私の方が背が低いから下から覗き込むようにして見ればグッと距離が今までよりもより一層縮められる。


「へ?!」


 気づいたときにはなぜか殿下に腰を持ち上げられてくるくるとその場を回っていた?回されていた?突然のことに目を回す私をよそに殿下は太陽のように明るく眩しい笑顔を私に向けられていた。

 このダンスによってリズビア・ガーナ公爵令嬢が次期王太子妃になるのではと周りが確信を持ち始めるのは被害者(リズビア)だけが知らぬばかり。



リズビアよりもウィルの方がやはり上手ですよね~

ちなみに自室でのみなにかを使用するというのは、ファンネルブ王国ではそれだけ大切で愛おしいものと捉えられます。


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