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新たな眷族

 ダンジョン通信を切った後、さっそくミスリルゴーレムとシルバーウルフを眷族(けんぞく)にした。

 本当はミスリルゴーレムだけを眷族にするつもりだったけど、クロが是非ともシルバーウルフを眷族にしてほしいと言ってきたので、シルバーウルフもめでたく眷族入りを果たしたという訳。


 本当は名前もその日の内に決めたかったんだけど、良い名前が浮かばなかったのよね。

だから次の日に名前を決める事にして、今日はもう寝てしまおう‥‥。




 でもって次の日の朝、コアルームに行くと、見たことない女の子がアイカの隣に座ってたのよ。


「‥‥‥‥誰?」


 その子の見た目は、私より年下に見える銀髪の可愛い女の子なんだけど、どこの誰なのかさっぱり分からない。


「おはよう御座います、お姉様」

「おはよう(しゅ)よ」

「‥‥おはよう御座いますマスター」


 ‥‥マスター?

 というかアイカとアンジェラは平然としてるけど知り合い?

‥‥な訳はないと思うんだけど。


「おはよう。で、君は一体誰なの?」


「はい、マスター。昨日眷族にしていただいたミスリルゴーレムです」


「ああ、Sランクのミスリルゴーレムね」


 ‥。

 

 ‥‥。


 ‥‥‥。


 ‥‥‥‥。


 ‥‥‥‥‥。


 え?‥‥‥‥ミスリルゴーレムって人化出来るの!?


「凄い高性能ね!ゴーレムが人化出来るとは思わなかったわ」


「お褒め頂き感激です」


 全然感激してるように見えないんだけど。

寧ろ無表情で眠そうな顔に見える。


「違いますよお姉様、人化の指輪です。ミスリルゴーレムには人化する能力は有りません」


「ああ、成る程ね。人化の指輪なら誰でも人間になれるものね‥‥‥‥で、アイカ。アンタがDP(ダンジョンポイント)で召喚したのね?まったく、また無駄遣いして‥‥」


 もう、DPに余裕があるからって、すぐ無駄遣いするんだから‥‥。


「違いますお姉様。人化の指輪はDPでは召喚出来ません」


 え!?‥‥DPで召喚出来ないなら、なんでこの子が持ってるの?

 疑問に思ってるとアンジェラが‥‥、


(しゅ)よ‥‥」


 クィ、クィ、っと指で後ろを指してるので、後ろを振り向くと、部屋の隅に人化が解けているホークが、ボロ雑巾みたいな状態で転がっていた。


「‥‥誰かと喧嘩でもしたの?」


「まぁ‥‥喧嘩と言えなくもないが、一方的たったのぅ」


 アンジェラによると、ホークは一方的にやられたらしい。

 って、そもそもホークが一方的って、相手は限られてくるじゃない。

 考えられるのは、レイク、モフモフ、アンジェラくらいだし。


 ‥‥‥‥いや、もう1人居たわ、昨日眷族にしたミスリルゴーレム。

そう思ってミスリルゴーレムの方を見ると、顔をコテンと傾けて「なーに?」って顔をしてた。

その様子はちょっと可愛いけど、どうしても確認しなければならない事がある。


「ねぇ、正直に答えてほしいんだけど、アナタがアレ(ホーク)をやったの?」


 私はホークを指さして聞いてみた。


「イェス、マスター。あいにくと交渉が難航してしまいまして、不本意ながらあの様な形(ボロ雑巾)になりました」


 もう1度ホークの方を見る。

ピクピクと動いてるようだから、一応生きてるようだけど、一体何の交渉をしたのか‥‥って、言うまでもなく人化の指輪ね。


「つまり、ホークから無理矢理奪ったという事になるけど、合ってる?」


「マスター、それは違います。私は平和的に交渉をするつもりでしたが、相手が交渉の場に着こうとしなかったのです。その結果、力を用いて相手を交渉の場に着かせたのですが、既に意識不明となっており、交渉不可という事で私が預かる事になりました」


 うん、もっともらしい事を言ってるけど、結局はホークから奪ったという事ね。


「うん、よくわかった。ホークが目を覚ましたらちゃんと返してあげなさい」


「え!?」


 え!?‥‥じゃないでしょ、え!?‥じゃ。


「ホークから預かってるだけなら、返してあげるのが当たり前でしょ?」


「‥‥そんな事よりマスター、名前を頂きたいのですが‥‥」


 そんな事って‥‥あっ!そういえば朝からダンジョンバトルが控えてるんだった!

急がないと‥‥。


「えーと、名前は朝御飯食べながら考えるわ。だから少し待ってて」


「了解です、マスター」


 今回のダンジョンバトルは、私から急がせて今日の朝からになったのよ。

その私が遅れるのは恥ずかしいじゃない。


 そんな訳で、朝食を食べながら考えたミスリルゴーレムの名前は、ミリーに決定!

 ミリーのついでみたいで悪いけど、シルバーウルフの名前も決めてしまおうって事で、シルバーウルフの名前は、ギンに決定!


 さぁ、時間が無いからさっさと朝食を食べてしまおう。




 朝食後、ダンジョン通信を繋ぐと、既に相手は待機してたみたい。


DPを稼ぎ隊:ロック

「おはよう。こっちは準備万端だ」


アレクシス王国:天前愛漓(あまさきあいり)

「おはよう。こっちも大丈夫よ」


審判:モルデナ

「おはよう御座います。えーと、今回の審判を務める悪魔族のモルデナです。お2人とも準備が出来てるという事で、すぐに始めさせていただきます。‥‥いいですよね?」


 今回の審判はモルデナさんだ。

一番最初のダンジョンバトルの時に審判をやってもらった人だったから覚えてる。


審判:モルデナ

「今回は侵略戦で、使用する階層は2階層までです。先に2階層のボスを撃破した方が勝ちになります。ではカウントダウン入ります」


 Gランクだと1階層しか使用出来ないんだけど、Fランクになると2階層まで使用出来るらしい。

 そして私はFランクに昇格してるので、2階層使用出来るって訳。


審判:モルデナ

「0!‥バトルスタート!」


 色々考えてたらバトルが始まったみたい。

 さて、前回の侵略戦は様子を見ながらだったけど、今回はこちらから強気で攻めてみようと思う。

 まずは‥‥。


「アイカ、エアーバットを10匹召喚して相手ダンジョンに突入させて」


「お姉様、現在設定されている階層とエアーバットの相性が悪いため召喚コストが高くなってしまいますが宜しいでしょうか?」


 相性とか合ったんだ‥‥私もまだまだ知識不足ね。


「もしかして、ダンジョンバトルのために階層を入れ替えたのが、裏目に出ちゃった?」


「それもありますが、今現在2階層しか使用出来ないのが原因です。まず現状は、1階層は火山エリア、2階層は雪原エリアになってます。これはお姉様が仰った通り、バトル用に階層入れ替えを行ったためです」


 そう、今現在のダンジョンの階層はバトル用にしたかったから、以前の階層とは違うのよ。


1階層:洞窟エリア→火山エリア

2階層:森林エリア→雪原エリア


 とまぁこんな感じに階層の入れ替えを行ったのよ。

 理由は暑さと寒さの二律背反設定をしたかったため。

とはいえ1階層の火山エリアを突破させるつもりは更々ないけど。


「そして今回のルールでは2階層しか使用出来ないので、火山エリアと雪原エリアの両方と相性が悪いモンスターはコストが高く、ステータスもダウンしてしまいます」


 成る程、つまり今現在は火山エリアと雪原エリアに対して相性の悪いモンスターは不利って事ね。

 普段なら15階層有るから相性はさほど気にしなくても良かったけど、今は2階層の縛りが有るからね。


「でも偵察は出したいから相性の良いモンスターで‥‥あ、それなら、レッドウルフとホワイトウルフを組ませればいいのね!」


 炎と氷のコラボレーションって感じでね。


「アイカ、レッドウルフとホワイトウルフをそれぞれ10匹召喚して」


「お姉様、どちらもDランクなのでどのみち高コストになりますが‥‥」


 あ、そうか、ランクが高いと必要DPも多くなるのは当然ね。

 でも相性の悪いエアーバットを召喚するよりは良いでしょ。


「構わないわ、やっちゃって」


「了解しました。レッドウルフとホワイトウルフを10匹ずつ召喚します」

-20000DP→残DP325650


 ちょっ、高っ!すっごい高っ!

こんなに高いとは思わなかった!

1匹で1000ポイントって事よね!?


「だから高コストだと言ったじゃありませんか‥‥」


 アイカに呆れられてしまった。

普段私が無駄遣いするなと言ってる手前、大福餅片手に溜め息をついてるアイカに言い返せないのが悔しい‥‥。

 更にその横でミリーが、モソモソと最中を食べてるのを見て若干イラッときたけど、仕方ないので諦める。


「まぁいいわ。ウルフ達を突入させて」


「了解です」


 さて、相手はどうなってるかな?




 アイカとミリーが和菓子に舌鼓を打ってる時、相手のダンジョンマスターであるロックは1階層の火山エリアでボス部屋の捜索を行わせていた。


「‥‥まだ見つからないか?」


『ブッシュラビット達はいまだ麓を捜索中ですが発見に至ってません。捜索中の火山エリアは、平均のFランクのダンジョンマスターが所持する階層と比較すると、倍以上の規模です。短時間でのボス部屋到達は困難かと思われます』


 ロックの問いかけに淡々と状況説明を行うダンジョンコア。

 それを聞いて溜め息をついたロック。

まさか平均の倍以上の規模が有るとは思ってなかったからだ。


 そもそもロックとしてはDPを消耗せずに勝利し、勝利報酬のDP獲得が目的なので、ここで無駄に消耗するつもりはなかったのだ。


(あるじ)様!あたしが乗り込んでパパッと片付けてくるよ!』


 今発言したのは、ロックの眷族であるナレクアム。Cランクのモンスターのシルバーウルフである。


『ナレクアム、お前はボス部屋を担当してるだろう‥‥』


 ボスを担当してるという事は、ボス部屋からは出られないという事なので、ナレクアムがボス部屋から出た瞬間ロックの敗北が決まってしまう。


『でもさー、ボス部屋にただ居るだけって退屈なんだよねー』


 勿論ただ居るだけじゃない。

いつ来るかわからない侵入者に備えて待機してなければならない。

 が、その割にはナレクアムは緊張感に欠けていた。


『どのみちバトル終了まで、その部屋からは出られんぞ』


『ちぇーっ‥‥』


 会話を終え、ダンジョンコアから送られてくる映像を注視するロック。

 するとダンジョン入口から侵入してくるモンスターを発見した。


「コア、侵入者だ。入口をアップしてくれ」


『畏まりました』


 これまで動きが無かった相手からの侵入だ。

一体どんなモンスターが送られて来たのか。

それをハッキリさせるために入口付近をアップしてみた。

 しかし、そこに映っていたのは、予想を遥かに上回る()()だった。


「レッドウルフの群にホワイトウルフの群だと!?」


 バカな!それほどの余裕がFランクのダンジョンマスターにあるはずが!


 だが困惑するロックに見せつけるかのように、グリーンウルフやゴブリンを蹴散らしながらボス部屋へと進んでいく。


『ロック様、現在敵のウルフは1階層の8割を捜索済みで、間もなくボス部屋に到達すると思われます』


 さすがに強いし速いな‥‥。

随所に奇襲できるポイントを設けていたが、殆ど機能せずに突破されてる事だろう。


「これは‥勝てんか‥‥」


 召喚して無駄にDPを消耗するよりも、潔く負けた方がいいか。

だが悪足掻きくらいはさせてもらうぞ。


今のところランクの低い相手だと、アイリの相手にはならないので、暫く無双する事になる‥‥かも。



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