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さよなら男爵また来て子爵

ブクマ感謝です。

今後の励みとさせていただきます。


2018/3/1

ドローンの製作コストを変更してます。

ストーリーに変更はありません。


「グヌヌヌッ、クソッ!このダンジョンは何なのだ!どうなっている!?」


「か、閣下、どうか落ち着かれますよう!」


 頼みの部下が役に立たず時間もないという事で、ノルゴストル自らダンジョンに挑んだのだが、事前の情報とは大きく異なり先のミゼオン達と同様の目に合っていた。

 それに上乗せして、元々有った罠にもしっかりとハマりながら進んでたので、心身共にボロボロである。


「クソゥ!まだ頭がクラクラするわぃ。まさかあんなデカイ金物が降ってくるとは!」


 極めつけは、前回不発に終わったタライがノルゴストルに直撃した事だろう。


「この有り様ではダンジョンを攻略するなどとても‥‥」


『出来ない‥と申すか?』


 突然頭の中に響き渡る謎の声。

その声に驚き辺りを見渡す男爵達は、前方から歩いてくる人影を発見した。


「だ、誰だ!そこにいるのは!?」


 その人影は尚もゆっくりと歩き続け、その姿がノルゴストル達にはっきりと見えるところまで近付いてきた。


「な、何だ脅かしおって。ただのリザードマンではないか。おい、やってしまえ!」


 ノルゴストルの命令ですぐさま護衛達が斬りかかるが、簡単に防がれ逆に斬り倒されてしまった。


『お粗末』


「な、なんだコイツは!リザードマンの亜種か!?」


 ただのリザードマンごときに護衛達がやられる訳がない。

そうノルゴストルは思っていたが、それは相手がただのリザードマンだった場合だ。

 残念ながら、目の前にいるのはただのリザードマンではなかった。


『亜種‥とは違うな。(それがし)はリザードマンキング。名をザードという』


「ひっ!リ、リザードマンキング!閣下、コヤツはBランクの魔物です!は、早く逃げましょう!」


「Bランクだと!?バカな!何故Bランクの魔物がこんなところに居るのだ!?」


 喚くノルゴストルだが、腰が抜けてその場でへたり込んでしまう。

 そんなノルゴストルを置いて逃げ出そうとする側近だったが、ザードに峰打ちされて気絶してしまった。


「おい、お、お前の目的は何だ?金か?金なんだろ?金ならやる!やるから助けてくれ!」


 こんなダンジョンの内部で金目当てに襲いかかる輩がいるはずないのだが、少なくともノルゴストルは金を出せば助かると思っていた。

 そんなノルゴストルの言動に、眉をピクリと動かし眉間にしわを寄せたザード。


『見苦しい。お主、武人たれば、最後まで武人たられよ!‥‥破ァ!』


ザシュ、ザシュ、ズバンッ!


「ひぃ~!ぐぅえあぉぅえぇ‥‥」


 着込んだ甲胄をバラバラにされ、声にならない声を上げてノルゴストルは気絶した。

多少の切り傷は有るが命に別状はない。


「つまらぬものを斬ってしまった‥‥」


 斬った後で本当につまらなそうに呟いた。




 ノルゴストルを含む4人を捕らえたのをコアルームで確認したアイリ達は、全ての捕虜を1ヵ所に集めた。

 後はチョワイツ王国の代表者が来るまで見張っておくだけなので、ナレックも肩の荷を降ろした感じだ。


「今回は助かったよ、有難う!」


 満面の笑顔で握手をするナレックだが、それをアイリが宥めた。


「まだ終わってないじゃない。最悪国家ぐるみの陰謀の可能性も有るのよ?」


 今回はノルゴストル男爵の独断だというのが表向きで、実は国が関与してた‥なんて可能性も捨てきれない。


「それなら大丈夫!チョワイツ王国の代表者は、ダンジョンが地上に繋がった当初からの付き合いだから、信用出来るよ」


 それなりの面識がありそうね。

ならもう大丈夫かな?


 これで一応は解決した事になるのだが、念のために代表者が来たときには同席する事にして、アイリ達は自分のダンジョンに戻った。




 それから4日後の朝、代表者がダンジョンに到着したとナレックから連絡が来たので、すぐにナレックの元へ向かった。

 ナレックのダンジョンに着くと、代表者の貴族と思われる若い男と、その護衛の5人の計6人が客間らしき部屋で待ち受けていた。


「待ってたよアイリさん。紹介するね、チョワイツ王国の代表者でベッカーソン卿だよ」


「初めまして、素敵なお嬢さん。僕はドミニク・ベッカーソン。ドミニクと呼んでほしいな」


 一見爽やかに見えるけど、なーんか癖が有りそうね。

 っと、そんな事より私も自己紹介しないとね。


天前愛漓(あまさきあいり)、ダンジョンマスターよ。アイリって呼んでね」


 あれ?何か変だなと思ったら、ため口で話してたわ。

 よくわかんないけど、相手の口調に乗せられた感じ?


「アイリさん‥とても良い響きの名前だね。その見た目にマッチした、綺麗な響きだ」


「えーと‥‥有難う?」


 チャラい‥‥上品にチャラいわ‥‥。

このままだと相手にのペースに乗せられそうなんだけど、どうしよう‥‥。


「良ければ今度、僕の屋敷「ちょっとちょっと!そんな事を話に来たんじゃないだろう?真面目にやってよ‥‥」


 途中でナレックが割り込んでくれたから、一応ドミニクの話は止まったみたい。

 ここはナレックに礼を言うべきかも知れないわね。


「そんな事とは酷いなぁ。これでも僕は真面目だよ?」


 ええ、真面目に口説いてるとか言うつもりでしょ?知ってます。

 って、初っぱなから話が脱線してるじゃない!


「話を戻しましょう。あのノルゴストル男爵が今回は独断で行ったって事でいいのよね?」


 まずはここをハッキリとしとかないとね。

 

「ああ、間違いない。元々評判の良くない奴だったからね。叩けば幾らでも埃が出てくると思うよ」


「それじゃあナレックに変な疑惑がかけられるとかは無いのね?」


 実際問題ここが重要だと思う。

ノルゴストルとかいう奴のとばっちりを、ナレックが受けないならいいんだけど。


「その件も問題ないよ。当時編成された討伐隊の中から、内部告発が有ったからね」


 あの男爵もあんまり人徳が無かったのね。

まぁ人徳があったら、こんな真似しないでしょうし。


「それに討伐隊の全員が生存してたのが大きいね。本来なら皆殺しにされても文句は言えないんだけど、無駄な犠牲が出なくて良かったと宰相殿も言ってたしね」


 やっぱり生け捕りにして正解だったみたい。

私としても、無益な殺生はしないつもりだし。


「これで私が懸念してた事は無くなったから、私はこれで帰るわね」


これ以上話す事が無いので、私は帰ろうとしたんだけど‥‥


「せっかく出逢えたのに勿体無い。もう少しゆっくりしてもいいと思うけど」


 いや、勿体無いと言われてもね‥‥。

て言うか、出逢えたじゃなくて出会えたよ。

字を間違えないでよね。


「ご、ごめんねアイリさん。悪い奴じゃないんだけど、可愛い女の子を見ると、何て言うか‥‥こうなるんだよね‥‥」


 可愛いと言われるのは嬉しいけど‥‥。

 まぁ何となくドミニクの性格はわかった。

わかったけど、どうやってドミニクとナレックが知り合ったのか、逆に興味が出てきちゃったわよ。

まさかアッチの趣味は無さそうだし、実はナレックが男の娘をやってるだとか?

ナレックの見た目は、ショタっぽい気がするけども。

でも鑑定スキルでは男って出てるし‥‥。

 はっ!まさかの偽装スキルとか!?


「何となく失礼な事を想像されてるような気がするけど、僕とドミニクが知り合ったのは、ドミニクが他の貴族に命を狙われてて、僕のダンジョンに逃げて来たからだよ」


 ああ成る程。

ピンチを助けて知り合ったって事ね。

 普通こういった出来事は、お互い異性ってケースが多いと思うんだけど、その定番をぶち破ってしまったのね‥‥。


「会話の内容を拾ったら、追手の方は粗暴な連中みたいだったから、上手く罠を使用して始末したんだ」


 かわいい顔して始末したとか言われると、そのギャップに苦しむわね。

 兎も角、2人が知り合った経緯はわかった。

とりあえずお尻合いでなくてホッとしたわ。


「うん、あの時は助かった。お陰でこうして美少女と知り合える事も出来たし、感謝しきれないよ。‥‥という事で、どうだい?これから僕の屋敷に来ないかい?」


 はぁ‥‥この女好きが無ければ良い奴なんだけどねぇ‥‥。


「いや、これからドミニクとナレックの話し合いが有るんじゃないの?」


「そんなのはどうでもいいさ。それよりも、今君と居るこの瞬間が大事なのさ!」


 どうでも良くはないと思うけど‥‥。

ほらぁ、護衛達も苦笑いしてるじゃない。


「そりゃないよドミニクぅ‥‥」


 そうよね、元々私が本題じゃなかったものね。

いずれにしても今日のところは帰らせてもらうわ。


「むぅ、仕方ないか。では今度暇な時があれば、是非僕の屋敷へお越しいただきたい」


「まぁ、機会が有ればね‥‥」




 そんなこんなで散々引き留められたけど、何とか丸め込んで自分のダンジョンへと帰って来れた。


「お帰りなさいませ、お姉様」


「うんただいまアイカ。さて、お昼まで時間が有るし、何をしようかなぁ‥‥」


「お姉様、時間が有るならドミニク子爵と出掛ければ良かったじゃないですか」


 またドミニクの話‥‥。

ああいう積極的過ぎる人はちょっと苦手なんだけど‥‥。


 ん?


 あれ?


 何かおかしい。


 なんだろ、何かとても重大な事が発生してる気がするんだけど‥‥ムムム。


「あ、あのぅ、お姉様?どうしたんですか?突然難しい顔をして‥‥」


「それがね、こう‥なんか‥‥喉の奥につっかえてるものがね‥‥」


「はて?なんでしょうね?案外ドミニクさんの事を考えてたりとか?」


 言われてみると、ドミニクが関係して‥‥


 それだぁーーーっ!!


「そう、それよアイカ!今わかったわ!」


「おや、そうでしたか。それで、何がわかったのですか?」


 そう、これは今判明した衝撃の事実なの。

これを見過ごしてたと思うとゾッとするくらいの事だわ。

 そしてこれはアイカにも関係ある事よ。


「ねぇアイカ。なんでドミニクの事を知ってるのかしら?」


「‥‥‥‥‥」


 返答はなし。

要するに黒ね。

真っ黒黒助ね。


「ア~イ~カ~?」


「えーーーと、き、今日の占いで、ラッキーアイテムが確かドミニクという人だったような気が‥‥なんて」


 要らんわそんなアイテム!

しかも全然ラッキーじゃなかったし!


「アイカ、正直に話すなら今の内よ?」


「‥‥‥はい」


 そこからは驚きの連続だった。

まさか私の知らない間にドローンが召喚されてて、色んなエンチャントを加えた結果、超高性能なドローンが誕生したのだとか。

 そしてそれを使って、私をこっそり尾行してたと。

 まぁとりあえずドミニクの事を知ってた理由はわかった。

わかったと同時に呆れたけどもね。

 まさかドローン1つに100万ポイントのDPを注ぎ込んだとか、こんな事やってるダンジョンって私のとこだけじゃないだろうか?


「兎に角、ドローンは没収よ!」


 そして後日、関わった眷族全員が正座させられた。



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