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決着?

ブクマ有難う御座いますm(_"_)m


「さっさと来やがれ!何匹だろうがまとめてぶちのめすぜ!」


 ようやく出番が来たとばかりに息巻くモフモフだが、まだ相手はモフモフの居るボス部屋を見つけたばかり。

残念ながら、モフモフの出番はまだ先になるようである。

 その出番のないモフモフの代わりに、アイリが命じたスピアバグとグリーンウルフは、相手側のゴブリンが守ってるところへ進んでいた。


「突撃させたスピアバグとグリーンウルフはどう?」


「‥‥拮抗してますね。スピアバグでの撹乱はそれなりに効果があったようですが、相手も数が多いため、すぐに立て直しを行って対応したようです」


 作戦自体は悪くないが、相手の防御が上回ってるようだ。

見てる限りだと、このまま突破するのは難しく見える。


「なら相手の主力がボス部屋に到達するまでこのままね。でも一応すぐに攻め込めるように、クロをリーダーにしてグレーウルフ5匹をつけて待機させて」


「わかりました。グレーウルフを5匹召喚します」

-250DP→残DP28410


 後はモフモフの戦闘が終わったら、クロ達を突撃させよう。

 さて、そっち(バトル)はいいとして、こっち(ダンジョンポイント)を確認しないといけない。

なぜなら‥‥


「ねぇアイカ。何でDPが勝手に減ってるのかしら?さっきまで残DP28860だったはずだから、残DP28610が正しいはずだけど?」


「‥‥時価で必要DPが多くなっt「ないわね」‥‥‥」


 相変わらず誤魔化すのは下手ね。


「あ、アイカ!アレを見て!」


「え!?」


 アイカが私の指し示したダンジョンの方へ注意がいった隙に、隠し持っていた()()を素早く奪いとった。

 お皿の上には出来立てほやほやの美味しそうな()()()()が乗っていた。


「‥‥スイーツではありません」


 ええ、そりゃたこ焼きはスイーツじゃないでしょうよ。

 ‥‥でもたこ焼きだけで200Pもかかるはおかしい‥‥。


「ん?」


 そう思ってると、後ろからも美味しそうな匂いが漂ってきたので振り向くと、そこには眷族(けんぞく)達がたこ焼きに群がっていた。


「こらウンマイで!最高や!」

「飯だどーっ!美味いどーっ!」

「‥‥うむ、美味い」

「おぃひぃれふぅ~♪」

「アイカよ、追加を頼むぞ」


 ‥‥アイカ?

 そして私はアイカに向き直り、視線で問う。


「わ、わたくしだけで食べるのは、ズルいという話になりまして‥‥」


 確かにズルいけど。

それよりも、ダンジョンバトル中にたこ焼き食べながら指揮するってどうなのかしら‥‥。




 アイリ達がたこ焼きを食べながら指揮「私は食べてないわよ!」‥‥失礼。

 アイカ達がたこ焼きを食べながら指揮をしてる中、相手のグーチェスは、普段ダンジョン内を巡回させていたゴブリンパーティを、アイリ側のボス部屋へと急がせていた。


「防衛隊はどうだ?」


「最初は撹乱されましたが、立て直しました。数はこちらが多いので、このまま撃退出来ると思います」


「そうか」


 それなら敵の増援が来るまでゴブリンパーティに集中出来るな。


「しかし、罠以外の妨害が皆無なのですが、どうしてでしょう?」


 ベネリアの言う事は最もだ。

最初から罠以外を期待して無いのか?

 しかし、それにしては相手のモンスターの動きは巧妙だ。

手を抜いてる様にも見えない。

 こうなると相手の狙いが全く掴めない。


「狙いはわからん。だが、先にボス部屋を発見したこちら側が有利のはずだ」


 幸い、スライムが逃げたルートには罠は仕掛けてなかった。

なのでそこ以外を偵察中のグリーンウルフとジャイアントラットは、罠の無いルートを通して

ボス部屋へ向かわせた。


「グーチェス様、全てのグリーンウルフとジャイアントラットが、ボス部屋に到着したようです」


「わかった。ゴブリンパーティが到着する前に、ボス部屋の中を拝見しよう。ジャイアントラットを5匹突入させてくれ」


『承知しました』


 ボスの姿を拝見させてもらおうと、ジャイアントラットを突入させた。

だが突入した瞬間、ジャイアントラット5匹すべてが消し飛んだ。

 何が起こったのか一瞬理解出来なかったが、間違いなく相手側の強い眷族(けんぞく)の仕業だろう。


「ベネリア、今何が起こったか見えたか?」


「申し訳ありません。一瞬の出来事でしたので、何も‥‥」


 このままゴブリンパーティを突入させるのは危険だ。

しかし、ボスを撃破しなければ勝ちはない。


「グーチェス様、ゴブリンパーティがボス部屋の前に到着しました」


「‥‥わかった。まずは残ってるジャイアントラットを突入させ、その後にグリーンウルフを突入させる。そして最後にゴブリンパーティを突入させてくれ」


『承知しました』


 せめてゴブリンパーティを突入させる前に、相手側のボスを確認出来れば良かったのだが。

そう考えてる内に、ジャイアントラット、グリーンウルフに続いてゴブリンパーティが、ボス部屋へと突入していった。

 だが突入後、ボス部屋は静寂に包まれていた。

戦闘が行われてる様子は全くない。


「ど、どうなったんだ?」


 ボス部屋に突入した全てのモンスターが、瞬時に生命反応をロストさせた。

まさに瞬きをした瞬間にである。


「‥‥ま、まさか、また一瞬で‥なのか?あれだけの数を‥‥」


 有り得ない‥と思ったが、目の前で現実に起こっている。

少なくとも、相手側のボス部屋には、Eランクを軽く捻り潰せるボスモンスターが居るという事になる。

 だがゴブリンパーティは、ナイト、ウォーリア、メイジ、アーチャー、ファイターの、バランスがとれた部隊だ。

更にジャイアントラットとグリーンウルフも居たのだ。

 それらが成す術なく一瞬で散らされた現実を受け入れるのは難しかった。


「俺は‥‥夢でも見てるのか?‥‥」


 疑問を口にしたが、ベネリアからの反応はない。

何故なら、ベネリアもまた言葉を失って呆然(ぼうぜん)としていたのだから。




 呆然としている2人を余所に、アイリが指示したスピアバグとグリーンウルフの混成部隊が全滅しかけてるところへ、颯爽(さっそう)と駆けつける者達がいた。

 マットブラックウルフのクロと、グレーウルフ達である。


「お前達、手加減は要らないから思いっきり蹴散らしてやるッス!」

「「「アオーーン!」」」


 クロの命令に答え、道を塞いでいたゴブリン共に挑むグレーウルフ達。

そこへクロも加わったため、ゴブリン共は瞬く間にその数を減らし、ついにその場にはアイリ側のモンスターのみが生き残った。


「フフン。アニキ程じゃないけど、進化した俺は強いッス!」


 実のところ、クロは今朝目を覚ましたら、自分が進化してるのに気付いた。

クロは嬉しさのあまり、ダンジョン内を走り回ったが、モフモフからは「進化しても同ランクw」と笑われた。

 ブラックウルフだったクロはDランクだったが、マットブラックウルフのクロもDランクなのだ。

確かに同ランクだが、間違いなく以前より強く成っていた。


「さーて、このままボス部屋に突入するッス!お前達、ついてくるッス!」

「「「ウォーーン!」」」


 クロ達がボス部屋に突入すると、そこには片手に斧を持った小柄なミノタウロスが居た。


「ミノタウロス‥‥いや、レッサーミノタウロスッスね」


「‥‥そうだ。そう言うお前は、ブラックウルフ‥‥だな?」


「フフン、おしいッスねぇ。正解はマットブラックウルフッス!」


 ドヤ顔で喋るクロだが、この場にモフモフが居たら、蹴り飛ばされてるところだ。


「さて、お喋りは止めるッス。さっさと終わらすッスよ」


「の、望むところだ!」


 威勢良く答えるレッサーミノタウロスだが、足下が震えてるのが見える。

 だが、ここで情けをかけるつもりはない。

クロを信じて送り出してくれたアイリに応えるために、クロは最初から全力を出すつもりでいた。


 クイッと顎で合図するクロを見たグレーウルフ達は、すぐさまレッサーミノタウロスを取り囲む。


「く‥‥来るなら来い!」


 尚も虚勢を張るが、グレーウルフ5匹に噛み付かれ、あっさりと膝を突く。


「ち‥くそぉ!」


 最後にクロによって頭部を噛みきられ、そのまま光の粒と成って消えていった。


審判:モルデナ

「それまで!アイリ側のボス撃破により、アイリの勝利とします!」

 

「やったッス!勝利ッス!」

「「「アオーーン!」」」


「あー、終わっちゃったみたいね」

「はいお姉様。華々しい勝利です」


 とりあえずこれで1勝ね。 

でもランクを上げるには、後2勝しないといけないらしい。


「まぁ当然の結果であろう。クロも強かったが、モフモフが負けるところを想像出来んであろう?」


 まぁそうなんだけどね。


「クロちゃん強い子~♪最後のほうだけだけど~♪」


 こう言っちゃアレだけど、最後は呆気なかったわね。

相手に失礼だから言わないけど。


「クロべぇが勝ったどー。強いどー、クロべぇ!」

「ようやったで、クロ!」

「‥‥うむ、修行の成果が出たようである」


 ふーん?クロったら、私達が居ない間に修行してたんだ?

 それなら後でご褒美を上げなくちゃね!


「何だよ、最後はクロが終わらせたのかよ!」


 あー、モフモフは不満そうね。

相手のゴブリンパーティを瞬殺しただけじゃ物足りなかったみたい。

 でもGランクの相手に、それ以上を望むのは(こく)というものよ。




 初勝利に沸くアイリ達だが、反面グーチェス達は敗北により暗く沈んでいた。


「負けたか‥‥」


「はい‥‥」


 あっという間だった。

ゴブリン防衛隊を撃破されて、ボス部屋に突入されたと知り、急いで対応策を考えようとしたが間に合わなかった。


「す、すんません!オイラが‥‥オイラがしっかりしないといけないのに!」


「気にするな、お前のせいじゃない」


 今回は相手が悪かったとしか言い様がない。

これは挑む相手を間違えた俺の責任だ。


 グーチェスは自分のミスだと言うが、はっきり言えば運が悪かっただけで、アイリに関しては初見殺しもいいとこである。


 これではもう間に合わないかもしれない。

俺はあの男と‥‥


無所属:マサキ

「ようグーチェス、バトルは終わったか?」


 くっ、マサキ!


チョワイツ王国:グーチェス

「‥‥あぁ、負けたよ‥‥」


無所属:マサキ

「マジかよw、まさかダンジョンバトルが初めての相手に負けたってか?さすがにヤベェだろw!」


チョワイツ王国:グーチェス

「くっ!‥‥‥」


 正直(はらわた)が煮えくり返りそうだが、敗者は俺だ。

言い訳は出来ない。


無所属:マサキ

「だったら勝負は俺の勝ちだな!」


チョワイツ王国:グーチェス

「な!?まさか、もうEランクに!?」


無所属:マサキ

「いんや。まだだが、これから適当なGランクの雑魚を探してボコッちまえば終わりだろ?」


チョワイツ王国:グーチェス

「‥‥‥そうか」


 良かった。

まだ終わった訳じゃない。

まだ終われないんだ!


 俺は2週間程前に、このマサキと言う男とある勝負を始めた。

勝負の内容は、どちらが先にEランクに成れるかというもので、負けた方は、眷族(けんぞく)の1人を差し出す事になっている。

 その1人にマサキが指名したのがベネリアだ。

ベネリアは俺が一番最初に眷族(けんぞく)にした樹の妖精で、俺の心の支えでもある存在だ。

 そんな大事な存在を賭けの対象にしてしまい、今更ながら後悔している。

何故こんな事になったのか。

‥‥出来る事なら勝負を受けた時の自分を殴ってやりたい気持ちだ!


無所属:マサキ

「何ならもう一度俺とバトルするかぁ?俺の腹心のストーンゴーレムである()()()()()が相手になるぜ?」


「くそっ!」


 俺が勝てない事をわかってて挑発してくるマサキに対して、一瞬本当に挑んでやろうかと思ったが、俺の傍らで震えてるベネリアを見て、冷静さをとりもどした。

 ストーンゴーレムはCランクのモンスターで物理防御が非常に高い。

今の俺では勝てる見込みはない。


「グーチェス様‥‥」


 ベネリアが不安そうに見上げてくるが、今の俺では‥‥。

 俺はこのまま敗北するしかないのか‥‥




 グーチェスとマサキという20代前半に見える黒髪の青年とのやり取りは、アイリも見ていた。

会話の流れで何となく事情を察したアイリは、最初のうちは特に関与するつもりはなかった。

 事情も元々グーチェスの自業自得である。

 しかし、マサキは言ってはいけない()()を口に出してしまった。

 アイリにとって()()()()()という名前は、記憶に新しく糞忌々(いまいま)しい名前である。

 ではそれを聞いたアイリはどうするのかという事だが‥‥


「ギルティよ!!」


 どうやらマサキの有罪が決定したようである。




アレクシス王国:天前愛漓(あまさきあいり)

「ちょっといいかしら。アナタ、バトルの相手を探してるのよね?」


無所属:マサキ

「何だよいきなりだな。まぁバトルの相手を探してるのは間違いないぜ?何だったらお前が相手になるってのか?」


アレクシス王国:天前愛漓

「ええそうよ。だから私が負けたら私の眷族(けんぞく)を2人差し出すから、私が勝ったら私の言う事を何でも2つ聞いてもらうわ」


無所属:マサキ

「へぇ、大した自信だな。まぁいいぜ?どうせ勝つのは俺だしなwそんじゃあ俺が勝ったら、そこの金髪の子と、後ろの紫髪の女を貰うぜ!」


 セレンとアンジェラを指名ね。

中々いい趣味してるわね。

アイカを指名しなかったのは、私にそっくりで心理的に避けたのかしらね?


アレクシス王国:天前愛漓

「なら決まりね。じゃあモルデナさん、今からもう一度バトルするから審判やって」


審判:モルデナ

「え?休まずに連戦ですか!?」


無所属:マサキ

「おいおいマジかよwこいつ頭大丈夫かよw」


チョワイツ王国:グーチェス

「ちょ、ちょっと待て。君はさっき闘ったばかりだろう!?」


アレクシス王国:天前愛漓

「私は大丈夫よ。いいからモルデナさんお願いね。で、バトルの内容だけど、1対1のモンスターによる対決でいいかしら?」


無所属:マサキ

「オイオイ、俺とグーチェスのやり取りを見てなかったのか?まあいいけどよw今更取り消すのは無しだぜ?でもまぁ、お前が俺の奴隷にでもなるってんなら考えてやんよw」


アレクシス王国:天前愛漓

「問題ないわ。じゃあ早く始めましょ」


 闘う場所は、私のダンジョンのボス部屋に決まった。

まず、マサキの召喚したストーンゴーレムの糞ロドリゲスが部屋に入る。


無所属:マサキ

「俺が闘わせるのは勿論ロドリゲス。Cランクのストーンゴーレムだ!さぁ、お前の雑魚モンスターも出してみろよw」


 私は最初から誰を出すかは決めていた。

私の視線はモフモフを捉える。

モフモフがこちらを見たので、目で「殺れ」と合図する。

 私の意図がモフモフに伝わり、モフモフは犬歯をギラリと光らせ大興奮の様子。


アレクシス王国:天前愛漓

「私が出すのは眷族(けんぞく)のモフモフ。()()()()のデンタファングよ!」 


「「「Sランク!?」」」


 わざとSランクの部分を強調して喋ったため、グーチェスとマサキ、ついでに審判さんのモルデナさんまで驚愕している。


アレクシス王国:天前愛漓

「さ、モルデナさん、始めちゃって」


審判:モルデナ

「わ、わかりました。これより、Gランクのアイリ対Fランクのマサキのダンジョンバトルを開始します!」


無所属:マサキ

「ちょ、ちょっと待て、マジで待って!」


 焦ってるけどもう遅い。

コイツ(とロドリゲス)は私を怒らせた!


審判:モルデナ

「バトルスターーート!」


無所属:マサキ

「アーーーーーーーーーーーーーーッ!!」


 虚しく響きわたるマサキの声。

この後どうなったかは、想像通りなので省かせてもらうが、モフモフに一言だけ言わせると、「今日一番の噛み応えだったぜ!」だそうな。

 そして勝った際の報酬である2つの命令だが、1つはグーチェスとの間で行った賭けを取り消させた。

これは別にグーチェスを助けてやりたかった訳ではなく、ただ単にマサキをザマァwな目に合わせたかっただけである。

 最後にもう1つのザマァw(命令)を使ってマサキの名前を強制的に「水虫」に改名した。


本やテレビを見た眷族たちについて


 本編では語られない可能性があるので、ここで説明します。

当然ながら、アイリが召喚した本やテレビの中で話してるのは日本語です。

何故その日本語を眷族達が理解出来るのかと言うと、地球から召喚したモノには相互言語というスキルが付与されるので、本やテレビに相互言語のスキルが付与されてるという事になります。

なので、眷族たちも理解できるという事になってます。


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